訂正審判に関して。
訂正審判において、その訂正の目的が特許請求の範囲の減縮である場合、当該訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであってはならないが、特許法第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものである必要はない。
この説明は?
あなたの解答:× 正解:○
【訂正審判における、特許請求の範囲についての訂正可能内容】
一 特許請求の範囲の減縮
二 誤記又は誤訳の訂正
三 明瞭でない記載の釈明
四 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。
【最後の拒絶理由通知を受けたあとの、特許請求の範囲についての補正可能内容】
一 特36条5項に規定する請求項の削除
二 特許請求の範囲の減縮(特36条5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)
三 誤記の訂正
四 明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)
このように比較すると分かるが、訂正審判における特許請求の範囲の減縮(特126条1項ただし書1号)については、カッコ書による注釈がない。したがって、訂正審判において特許請求の範囲を減縮する場合には、特36条5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものである必要がない。
なお、前段の規定は特126条6項の注意事項である。訂正審判の要件としてこちらも正しい。
よって、本肢は正しい。
【なぜ補正と訂正で「減縮」の要件が異なるのか?】
最後の拒絶理由通知後の補正については、審査の迅速化及び出願間の公平性を確保する必要があるため、既に行われた審査結果を有効活用できるように、特許請求の範囲の減縮が厳しく制限されている。
一方、訂正審判は、特許権の設定登録後に発見された瑕疵を是正し、特許権者と第三者の利益の調整を図るための制度である。
そして、訂正審判では、出願審査における「既に行った審査をやり直させない」という要請が直接には働かない。そのため、最後の拒絶理由通知後の補正のような「発明特定事項の限定」という要件は設けられていない。
もっとも、訂正によって第三者に不測の不利益を与えることを防ぐため、新規事項の追加禁止(特126条5項)や、特許請求の範囲の実質的拡張・変更の禁止(同6項)などの制限が設けられている。
特許 - 訂正審判・訂正の請求