特許権についての実施権等に関して。
特許権Aの特許権者である甲は、特許権Aに係る発明イの実施が、乙が有する先願の意匠権Bと抵触すると考え、乙に対して意匠権Bについて通常実施権の許諾についての協議を求めると、乙から甲に対して特許権Aについての通常実施権の許諾についての協議があった。その後、これらの協議は成立せず、甲は、特許庁長官に裁定の請求をしたものの、特許庁長官は、通常実施権を設定すべき旨の裁定をしなかった。この場合において、特許庁長官は、その後に乙からの裁定の請求があっても、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
この説明は?
あなたの解答:× 正解:○
特許庁長官は、前項(=特92条5項)に規定する場合のほか、4項の場合において、3項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない(特92条6項)。
簡単にいうと、後願の利用者に、先願に係る権利についての裁定通常実施権が認められなかった場合、先願に係る権利者も、後願者の権利につき裁定通常実施権を得ることができないということである。
本肢は上記の特92条6項のケースにそのまま当てはまる。
よって本肢は正しい。
考えてみれば本肢のようになるのが当然である。
仮に、先願権利者にのみ、後願権利者の権利についての裁定通常実施権が認められるのであれば、それはつまり、後願権利者が先願権利者に伺いを立てた結果、自分は何も得られないまま、先願権利者にみすみす自分の後願権利を差し出すことになったも同然だからである。
特許 - 実施権等