商標権侵害訴訟に関して。
ただし、マドリッド協定議定書に基づく特例は考慮しないものとする。
商標権侵害訴訟において、当事者である法人の代表者が、その侵害の有無についての判断の基礎となる事項であって当事者の保有する営業秘密に該当するものについて、当事者本人として尋問を受ける場合においては、裁判所は、裁判官の全員一致により、その代表者が公開の法廷で当該事項について陳述をすることにより当該営業秘密に基づく当事者の事業活動に著しい支障を生ずることが明らかであることから当該事項について十分な陳述をすることができず、かつ、当該陳述を欠くことにより他の証拠のみによっては当該事項を判断の基礎とすべき商標権の侵害の有無についての適正な裁判をすることができないと認めるときは、決定で、当該事項の尋問を公開しないで行うことができる。
この説明は?
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権利侵害について特許法からの準用条文を列挙する商39条において、当事者尋問等の公開停止について定めた特105条の7は準用されていない。
そのため、商標権侵害訴訟において、当事者尋問が非公開となることはない。
よって本肢は誤り。
ここでなぜ特105条の7(当事者尋問等の公開停止)が意匠法及び商標法で準用されていないのかについて、筆者自身、わかりやすい説明が見つからなくて困っている(青本・意41条にも「意匠の性質上、準用されない」としか書かれていない)。
仕方がないので筆者の推論を述べると、以下のとおりである。
まず、大前提として、日本国憲法82条1項に基づき、およそ裁判は公開が原則である(特許庁における審判も第一審の代わりになるため、この原則には含まれる)。もっとも同2項で、民事については非公開にできる場合もあるとなってはいるが。
そのうえで、特許や実用新案の場合、侵害を立証(又は否定)するためには大なり小なり自己の技術情報やノウハウを開示する必要があり、とはいえその秘密を開示すると、今後の市場における競争優位性が大きく失われる危険性が高い。これは不正競争防止法における営業秘密も一緒である(不13条)。
だからこそ、例外を頼って当事者尋問等を非公開にすることがある。
逆に意匠や商標は、権利内容が「他社との競争上秘匿すべき技術の類」ではないため、裁判の原則公開を規定する憲法82条1項にわざわざ特例を適用してまで当事者尋問を非公開とする理由がない……そんなところかと思っている。
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