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第二規則 用語の解釈
2.1「出願人」
「出願人」というときは、出願人の代理人その他の代表者をもいうものとする。ただし、出願人の語が用いられている規定の表現若しくは性質又は文脈から明らかに異なつた意味に解される場合、例えば、特に、その規定が出願人の住所又は国籍に言及している場合は、この限りでない。
2.2「代理人」
「代理人」というときは、代理人の語が用いられている規定の表現若しくは性質又は文脈から明らかに異なつた意味に解される場合を除くほか、90.1の規定に基づき選任された代理人をいうものとする。
2.2の2「共通の代表者」
「共通の代表者」というときは、90.2の規定に基づき共通の代表者として選任され又は共通の代表者とみなされた出願人をいうものとする。
2.3「署名」
「署名」というときは、受理官庁、管轄国際調査機関又は管轄国際予備審査機関が適用する国内法令が署名に代えて押印を要求している場合には、当該官庁又は当該機関については、押印をいうものとする。
2.4「優先期間」
- (a) 優先権の主張に関して「優先期間」というときは、その優先権の基礎となる先の出願の出願の日から十二箇月の期間をいうものとする。先の出願の日はその期間に含まれない。
- (b) 80.5の規定は、優先期間に準用する。
第四規則 願書(内容)
4.1 必要的及び任意的な内容並びに署名
- (a) 願書には、次の事項を記載する。
- (i) 申立て
- (ii) 発明の名称
- (iii) 出願人及び、代理人がある場合には、代理人に関する表示
- (iv) 指定国のうち少なくとも一の国の国内法令が国内出願をする時に発明者の氏名又は名称を表示することを定めている場合には、発明者に関する表示
- (b) 願書には、該当する場合には、次の事項を記載する。
- (i) 優先権の主張
- (ii) 4.12(i)並びに12の2.1(b)及び(d)に規定する先の調査に関する表示
- (iii) 原出願又は原特許の表示
- (iv) 出願人が選択する管轄国際調査機関の表示
- (c) 願書には、次の事項を記載することができる。
- (i) いずれの指定国の国内法令も国内出願をする時に発明者の氏名又は名 称を表示することを定めていない場合であつても、発明者に関する表示
- (ii) 優先権の主張の基礎となる出願が受理官庁である国内官庁又は政府間当局に出願されている場合には、優先権書類の作成及び国際事務局への送付についての受理官庁に対する請求
- (iii) 規則4.17に規定する申立て
- (iv) 4.18に規定する陳述
- (v) 優先権の回復の請求
- (vi) 4.12(ii)に規定する陳述
- (d) 願書には、署名をする。
4.2 申立て
申立ては、次の趣旨によるものとし、次の文言とすることが望ましい。
署名者は、この国際出願が特許協力条約に従つて処理されることを請求する。
4.3 発明の名称
発明の名称は、短く(英語の場合又は英語に翻訳した場合に二語以上七語以内であることが望ましい。)かつ的確なものとする。
4.4 氏名又は名称及びあて名
- (a) 自然人の氏名については、姓及び名を記載するものとし、姓を名の前に記載する。
- (b) 法人の名称については、完全な公式の名称を記載する。
- (c)
あて名については、郵便物が速やかに当該あて名に配達されるための慣習上の要件を満たすように記載するものとし、いかなる場合においても、すべての該当する行政単位(住居番号があるときはその番号を含む。)を記載する。指定国の国内法令が住居番号を記載することを要求していない場合には、その番号の記載がないことは、当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。出願人との速やかな連絡を可能にするため、出願人又は、該当する場合には、代理人若しくは共通の代表者の加入電信番号、電話番号、ファクシミリ番号又は他の同様の通信手段についてはこれらに相当する情報を記載することが望ましい。
- (d)
各出願人、各発明者又は各代理人については、一のあて名のみを記載する。ただし、出願人又は二人以上の出願人がある場合にあつてすべての出願人を代表する代理人が選任されていないときは、出願人又は二人以上の出願人がある場合の共通の代表者については、願書に記載されたあて名に加え、通知が送付されるための他のあて名を記載することができる。
4.5 出願人
- (a) 願書には、出願人又は、二人以上の出願人があるときは、各出願人につき、次の事項を記載する。
- (i) 氏名又は名称
- (ii) あて名
- (iii) 国籍及び住所
- (b) 出願人の国籍については、出願人が国民である国の国名を記載する。
- (c) 出願人の住所については、出願人が居住者である国の国名を記載する。
- (d) 願書には、異なる指定国について異なる出願人を記載することができる。この場合には、願書には各指定国又は各指定国群ごとに出願人を記載する。
- (e) 出願人が受理官庁として行動する国内官庁に登録されている場合には、その番号又は他の表示を願書に記載することができる。
4.6 発明者
- (a) 4.1(a)(iv)又は(c)(i)の規定が適用される場合には、願書には、発明者又は、二人以上の発明者があるときは、各発明者につき、その氏名又は名称及びあて名を記載する。
- (b) 出願人が発明者である場合には、願書には、(a)の規定による記載に代えてその旨の陳述を記載する。
- (c) 発明者の記載に関し指定国の国内法令の要件が同一でない場合には、願書には、異なる指
定国について異なる者を発明者として記載することができる。この場合には、願書には、各指定国又は各指定国群において特定の者又は同一の者を発明者とすべき旨の個別の陳述を記載する。
4.7 代理人
- (a) 代理人が選任されている場合には、願書には、その旨を記載するものとし、代理人の氏名又は名称及びあて名を記載する。
- (b) 代理人が受理官庁として行動する国内官庁に登録されている場合には、その番号又は他の表示を願書に記載することができる。
4.8 共通の代表者
共通の代表者を選任した場合には、願書にその旨を記載する。
4.9 国の指定 、保護の種類、国内及び広域特許
- (a) 願書の提出は、次の事項を構成する。
- (i) 国際出願日に条約に拘束される全ての締約国の指定
- (ii) 第四十三条又は第四十四条が適用される指定国において、その国を指定することによつて得られる全ての種類の保護を求める旨の表示
- (iii) 第四十五条(1)が適用される指定国において広域特許を求める旨及び、第四十五条(2)が適用される場合を除き、国内特許を求める旨の表示
- (b) (a)(i)の規定にかかわらず、二千五年十月五日において、締約国の国内法令が、
当該国の指定及び当該国で効力を有する先の国内出願に基づく優先権の主張を伴う国際出願により、当該先の国内出願が取下げと同一の効果をもって消滅することを定めている場合には、当該指定官庁が当該国の指定に関してこの規定が適用される旨を二千六年一月五日までに国際事務局に通告すること及びその通告が当該国際出願日になお効力を有することを条件として、当該国でされた先の国内出願に基づく優先権を主張する全ての願書は当該国を指定しない旨の表示を伴うことができる。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。
4.10 優先権の主張
- (a)
第八条(1)に規定する申立て( 「優先権の主張」 )は、工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国において若しくは同条約の締約国について又は同条約の締約国ではないが世界貿易機関の加盟国である国において若しくは同条約の締約国ではないが同機関の加盟国である国についてされた先の出願に基づく優先権を主張することによつて行うことができる。優先権の主張は、願書において行うものとし、先の出願に基づく優先権を主張する旨の陳述及び次の事項を記載することによつて行う。
- (i) 先の出願の日付
- (ii) 先の出願の番号
- (iii) 先の出願が国内出願である場合にあつては、その出願がされた工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国又は同条約の締約国ではないが世界貿易機関の加盟国である国の国名
- (iv) 先の出願が広域出願である場合にあつては、適用される広域特許条約に基づき広域特許を与える任務を有する当局
- (v) 先の出願が国際出願である場合にあつては、その出願がされた受理官庁
- (b) (a)(iv)又は(v)の規定に基づき要求される記載に加え、
- (i) 先の出願が広域出願又は国際出願である場合にあつては、優先権
の主張には、その先の出願がその国についてされた一又は二以上の工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国の国名を記載することができる。
- (ii)
先の出願が広域出願であり、かつ、当該広域出願について適用される広域特許条約の締約国のいずれかが工業所有権の保護に関するパリ条約の締約国又は世界貿易機関の加盟国のいずれでもない場合にあつては、優先権の主張には、その先の出願がその国についてされた国のうち少なくとも一の同条約の締約国又は同機関の加盟国の国名を記載する。
- (c) 第二条(vi)の規定は、(a)及び(b)の規定については、適用しない。
4.11 継続出願若しくは一部継続出願又は原出願若しくは原特許の表示
- (a) 次のいずれかの出願について 、
- (i)
出願人が、49の2.1(a)若しくは(b)の規定により、国際出願がいずれかの指定国において追加特許、追加証、追加発明者証若しくは追加実用証を求める出願として取り扱われることを希望する旨の記載をする場合又は
- (ii) 出願人が、49の2.1(d)の規定により、国際出願がいずれかの指定国において先の出願の継続出願若しくは一部継続出願として取り扱われることを希望する旨の記載をする場合には、
- 願書には、その旨の表示を記載し、関連する原出願、 原特許又はその他原付与を表示する。
- (b) (a)の規定による表示の願書面への記載は4.9の規定の適用上は効力を生じない。
4.12 先の調査の結果の考慮
- 出願人が国際調査機関に対し、国際調査を行うに当たり、同一若しくは他の国際調査機関又は国内官庁によつて行われた先の国際調査、国際型調査又は国内調査(「先の調査」)の結果を考慮することを希望する場合には、
- (i) 願書には、その旨の表示を記載し、当該機関又は当該官庁及び先の調査が行われた出願を明示する。
- (ii)
願書には、該当する場合には、国際出願が先の調査が行われた出願と同一若しくは実質的に同一である旨又は異なる言語で出願されたことを除き国際出願が先の調査が行われた出願と同一若しくは実質的に同一である旨の陳述を記載することができる。
4.14の2 国際調査機関の選択
国際出願についての国際調査を管轄する国際調査機関が二以上存在する場合には、出願人は、自己の選択する国際調査機関を願書に記載する。
4.15 署名
願書には、出願人が署名をする。二人以上の出願人がある場合には、すべての出願人が署名をする。
4.16 特定の語の音訳又は翻訳
- (a)
氏名若しくは名称又はあて名は、ローマ字以外の文字で記載する場合には、更に、単なる音訳又は英語への翻訳によりローマ字を用いて表示する。出願人は、いずれの語を単なる音訳とし又は翻訳とするかについて決定する。
- (b) ローマ字以外の文字で記載する国名は、更に、英語で表示する。
4.17 51の2.1(a)(i)から(v)までに規定する国内的要件に関する申立て
願書には、一又は二以上の指定国が適用する国内法令のために、実施細則に定める文言により、一又は二以上の次の申立てを含めることができる。
- (i) 51の2.1(a)(i)に規定する発明者の特定に関する申立て
- (ii) 出願し及び特許を与えられる国際出願日における出願人の資格であつて、51の2.1(a)(ii)に規定するものに関する申立て
- (iii) 先の出願 に基づく優先権を主張する国際出願日における出願人の資格であつて、51の2.1(a)(iii)に規定するものに関する申立て
- (iv) 51の2.1(a)(iv)に規定する発明者である旨の申立てであつて実施細則に定める署名がされたもの
- (v) 51の2.1(a)(v)に規定する、不利にならない開示又は新規性の喪失の例外に関する申立て
4.18 引用により含める旨の陳述
第十一条(1)(iii)に規定する一又は二以上の要素を受理官庁が最初に受理した日に、国際出願が先の出願に基づく優先権の主張を伴う場合において、第十一条(1
)(iii)(d)若しくは(e)に規定する国際出願の要素 、若しくは 20.5(a)に規定する明細書、請求の範囲若しくは図面の部分
、又は20.5の2(a)に規定する要素若しくは明細書、請求の範囲若しくは図面の部分が、当該国際出願に記載されていないが先の出願に完全に記載されているときは、20.6の規定の適用上、当該要素又は部分を20.6の規定に基づく確認に従つて引用により当該国際出願に含める旨の陳述を願書に記載することができる。当該陳述は、当該受理の日に願書に記載されていない場合には、当該受理の日に国際出願に記載され
ている場合又は国際出願とともに提出された場合に限り、願書に追加することができる。
4.19 他の事項の記載
- (a)
願書には、4.1から4.18までに定める事項以外のいかなる事項も記載してはならない。ただし、実施細則は、願書に記載することが許される他の事項を定めることができる。もつとも、他の事項の記載を義務的なものとすることはできない。
- (b)
受理官庁は、願書に4.1から4.18までに定める事項以外の事項又は(a)の規定に従つて実施細則により願書に記載が許される事項以外の事項が記載されている場合には、当該記載事項を職権によつて抹消する。
第十一規則 国際出願の様式上の要件
11.1 提出部数
- (a) 国際出願及び照合欄に明記する各書類(3.3(a)(ii))は、(b)の規定に従うことを条件として、一通を提出する。
- (b) 受理官庁は、国際
出願及び照合欄に明記する各書類(3.3(a)(ii))(支払つた手数料の領収書又は手数料の支払のための小切手を除く。)について、二通又は三通を提出することを要求することができる。この場合には、受理官庁は、記録原本と他の一通又は二通との同一性を確認する責任を負う。
11.2 複製のための適合性
- (a)
国際出願のすべての要素(願書、明細書、請求の範囲、図面及び要約)は、写真、静電的方法、写真オフセット及びマイクロフィルムによつて、直接に任意の部数の複製をすることができるように作成する。
- (b) 用紙には、しわ及び裂け目があつてはならない。用紙は、折つてはならない。
- (c) 用紙は、片面のみを用いる。
- (d) 用紙は、11.10(d)及び11.13(j)の規定が適用される場合を除くほか、縦長にして用いる(用紙の短辺を上下とする。)。
11.3 使用すべき材料
国際出願のすべての要素は、可撓性のある、丈夫な、白色の、滑らかな、光沢のない、かつ、耐久性のある紙を用いて作成する。
11.4 用紙の別等
- (a) 国際出願の各要素(願書、明細書、請求の範囲、図面及び要約)は、別個の用紙を用いて作成する。
- (b) 国際出願のすべての用紙は、調べる際に容易にめくることができるよう並びに複製のため容易に分離し及びとじ直すことができるようにとじる。
11.5 用紙の大きさ
用紙の大きさは、A4判(縦二十九・七センチメートル、横二十一センチメートル)とする。ただし、受理官庁は、他の大きさの用紙による国際出願を許すことができる。もつとも、国際事務局に送付する記録原本及び、管轄国際調査機関が要求するときは、調査用写しは、
A4判の大きさとする。
11.6 余白
- (a) 明細書、請求の範囲及び要約を記載する用紙の余白は、少なくとも次のとおりとする。
- 上端 二センチメートル
- 左端 二・五センチメートル
- 右端 二センチメートル
- 下端 二センチメートル
- (b) (a)に規定する余白については、次の数値を超えないことが望ましい。
- 上端 四センチメートル
- 左端 四センチメートル
- 右端 三センチメートル
- 下端 三センチメートル
- (c) 図面を記載する用紙については、その使用することができる面は、縦二十六・二センチメートル、横十七センチメ
ートルを超えないものとする。用紙の使用することができる面又は使用した面の周囲には、枠を記載してはならない。余白は、少なくとも次のとおりとする。
- 上端 二・五センチメートル
- 左端 二・五センチメートル
- 右端 一・五センチメートル
- 下端 一センチメートル
- (d)
(a)から(c)までに定める余白は、A4判の大きさの用紙について適用する。したがつて、受理官庁がA4判以外の大きさの用紙を許す場合においても、A4判の大きさの記録原本及び、要求されたときは、A4判の大きさの調査用写しには、(a)から(c)までに定める余
白をとる。
- (e) (f)及び11.8(b)の規定に従うことを条件として、国際出願の余白は、その提出の際は、完全な空白としておかなければならない。
- (f)
上端の余白の左隅には、出願人の書類記号を付することができる。ただし、書類記号は、用紙の上端から一・五センチメートル以内に付さなければならない。出願人の書類記号の文字数は、実施細則に定める数を超えてはならない。
11.7 用紙の番号の付け方
- (a) 国際出願のすべての用紙には、アラビア数字により連続番号を付する。
- (b) (a)の番号は、用紙の上端又は下端(余白を除く。)の中央に付する。
11.8 行の番号の付け方
- (a) 明細書及び請求の範囲の各用紙には、五行目ごとに番号を付することが極めて望ましい。
- (b) (a)の番号は、用紙の左側の余白の右半分に付する。
11.9 記載事項の書き方
- (a) 願書、明細書、請求の範囲及び要約は、タイプ印書又は印刷による。
- (b) 図式記号、化学式、数式及び中国語又は日本語の特定の漢字に限り、必要なとき は、手書きによることができる。
- (c) タイプ印書による場合には、行の間隔は、一・五文字の幅とする。
- (d)
記載事項は、大文字の大きさが縦〇・二八センチメートル以上の文字及び暗色の退色性のない色であつて11.2に定める要件を満たすもので記載する。ただし、願書の文言は、大文字の大きさが縦〇.二一センチメートル以上の文字で記載することができる。
- (e) (c)及び(d)の規定は、タイプ印書による場合の行の間隔及び文字の大きさに関する限り、中国語又は日本語による記載については、適用しない。
11.10 図、式及び表を用いる記載
- (a) 願書、明細書、請求の範囲及び要約には、図を記載してはならない。
- (b) 明細書、請求の範囲及び要約には、化学式又は数式を記載することができる。
- (c) 明細書及び要約には、表を使用することができる。請求の範囲には、表を使用することが望ましい事項についてのみ、表を使用することができる。
- (d) 表及び化学式又は数式は、その上下を正しくしては縦長にして用いられる用紙に十分に配置することができない場合には、横にして用紙の長辺と並行に配置することができる。表、化学式又は
数式がそのように配置される用紙は、表又は式の上端が用紙の左側になるようにして提示する。
11.11 図面中の語句
- (a)
図面には、不可欠な場合における「水」、「蒸気」、「開」、「閉」、「ABの切断面」等の単語又は語句並びに電気回路、ブロックダイヤグラム及び工程図表の場合における理解のために不可欠な表示のための短い語句を除くほか、文言を記載してはならない。
- (b) 用いる語は、翻訳された場合にその語が覆われることになるように、また、図面中のいずれの線にもかかることなくその翻訳をはり付けることができるように 配置する。
11.12 訂正等
各用紙においては、合理的な範囲を超えて消してはならず、また、訂正、重ね書き及び行間挿入を行つてはならない。内容の真正であることに疑いがなく、かつ、良好な複製のための要件が損なわれないことを条件として、第一文の規定に従わないことを認めることができる。
11.13 図面に関する特別の要件
- (a) 図面は、耐久性のある、黒色の、十分に濃厚な、均一の太さの、かつ、明瞭な線及び画で着色することなく、作成する。
- (b) 切断面は、平行斜線によつて示す。この場合において、引用符号及び引出し線の明瞭な読取りが妨げられてはならない。
- (c) 図の大きさ及び作図の明瞭性は、三分の二の線縮尺による写真複製をした場合にすべての細部を容易に識別することができるようなものとする。
- (d) 例外的に図面の尺度を示す場合には、尺度は、図式で表示する。
- (e) 図面に記載するすべての数字、文字及び引出し線は、簡潔かつ明瞭 なものとする。括弧、円又は引用符は、数字及び文字とともには、用いない。
- (f) 図面中のすべての線は、通常、製図用具を用いて引く。
- (g) 図の各要素は、異なる比率を使用することが図の明瞭性に不可欠な場合を除くほか、図中の他の要素のそれぞれに対して妥当な比率のものとする。
- (h) 数字及び文字の大きさは、縦〇・三二センチメートル以上とする。図面中の文字は、ローマ字及び、慣習となつている場合には、ギリシャ文字を用いる。
- (i)
図面の同一の用紙には、二以上の図を記載することができる。二以上の用紙に描く図が単一の完全な図を構成する場合には、二以上の用紙に描く図は、単一の完全な図を得るように合わせたときに各用紙に示されているいずれの図のいずれの部分をも隠すこととならないように配置する。
- (j)
個々の図は、不必要な間隔を置くことなく、望ましくは図の上下を正しく、相互に十分に離して一又は二以上の用紙に配置する。図の上下を正しく配置することができない場合には、図の上端が用紙の左側になるように図を横にして用紙の長辺と並行に配置して提示する。
- (k) 個々の図には、用紙の番号とは関係なく、アラビア数字により連続番号を付する 。
- (l) 明細書に用いない引用符号は図面に、図面に用いない引用符号は明細書に用いない。
- (m) 同一の部分は、引用符号を用いて示す場合には、当該国際出願の全体を通じて同一の符号によつて示す。
- (n) 図面に多数の引用符号を用いる場合には、すべての引用符号及びその対応する部分を掲げる別紙を添付することが極めて望ましい。
11.14 後に提出する書類
第十規則及び11.1から11.13までの規定は、国際出願をした後に提出するすべての書類(例えば、差替え用紙、補正後の請求の範囲、翻訳文)についても適用する。
第十二規則 国際出願の言語並びに国際調査及び国際公開のための翻訳文
12.1 国際出願をするために認められる言語
- (a) 国際出願は、受理官庁が国際出願のために認める言語で行う。
- (b) 各受理官庁は、国際出願をするために、次の(i)及び(ii)に該当する言語のうち少なくとも一の言語を認める。
- (i) 受理官庁に提出した国際出願の国際調査を管轄する国際調査機関又は該当する場合には二以上の国際調査機関のうち少なくとも一の国際調査機関が認める言語
- (ii) 国際公開の言語
- (c) (a)の規定にかかわらず、願書は、受理官庁がこの(c)の規定の適用上認める国際公開の言語で提出する。
- (d) (a)の規定にかかわらず、明細書の配列リストの部分に記載されている
言語依存フリーテキストは、受理官庁が言語依存フリーテキストのために認める言語で提出する。この(d)の規定に基づいて認められるが(a)の規定に基づいて認められない言語は、(b)の規定の要件を満たすものとする。受理官庁は、実施細則に定めるところにより言語依存フリーテキストを二以上の言語で提出することを認めることができるが、これを要求してはならない。
12.1の2 20.3、20.5 、20.5の2 又は20.6の規定に基づき提出される要素及び部分の言語
20.3(b)、20.5の2(b)、20.5の2(c) 又は2 0.6(a)の規定に基づき出願人により提出される第十一条(1)(iii)(d)又は(e)に規定する要素及び20.5(b)
、20.5(c)、20.5の2(b)、20.5の2(c)
又は20.6(a)の規定に基づき出願人が提出する明細書、請求の範囲又は図面の部分は、出願時における国際出願の言語で作成し、12.3(a)又は12.4(a)の規定に基づき出願の翻訳が要求される場合には、出願時における国際出願の言語及び当該翻訳の言語で作成する。
12.1の3 13の2.4の規定に基づき提出される表示の言語
13の2.4の規定に基づき提出される寄託された生物材料に関する表示は、国際出願の言語で記載する。ただし、12.3(a)又は12.4(a)の規定に基づき国際出願の翻訳が要求されている場合には、当該表示は、当該国際出願がされた言語及び当該翻訳の言語で提出する。
12.2 国際出願に加える変更の言語
- (a) 国際出願についての補正は、46.3 及び 55.3に規定する場合を除くほか、当該国際出願がされた言語で行う。
- (b) 91.1に規定する国際出願中の明白な誤記の訂正は、当該国際出願がされた言語で行う。ただし、次の(i)及び(ⅱ (ii)に規定する場合を除く。
- (i)
国際出願の翻訳文が12.3(a)、12.4(a)又は55.2(a)の規定に基づき要求される場合には、91.1(b)(ii)及び(iii)に規定する訂正は、当該国際出願の言語及びその翻訳文の言語の双方で行う。
- (ii) 願書の翻訳文が26.3の3(c)の規定に基づき要求される場合には、91.1(b)(i)に規定する訂正は、その翻訳文の言語のみで足りる。
- (c) 第二十六規則の規定に基づく国際出願の欠陥の補充は、当該国際出願がされた言語で行う。12.3又は12.4の規定に基づき提出され
る国際出願の翻訳文の第二十六規則に基づく欠陥の補充、55.2(a)の規定に基づき提出される翻訳文の55.2(c)の規定に基づく欠陥の補充、又は26.3の3(c)の規定に基づき提出される願書の翻訳文の欠陥の補充は、その翻訳文の言語で行う。
12.3 国際調査のための翻訳文
- (a)
国際出願が国際調査を行う国際調査機関により認められていない言語によりされた場合には、出願人は、受理官庁が国際出願を受理した日から一箇月以内に、当該受理官庁に次のすべてを満たす言語による翻訳文を提出する。
- (i) 当該国際調査機関が 認める言語
- (ii) 国際公開の言語
- (iii) 国際出願が国際公開の言語でされる場合を除くほか、12.1(a)の規定に基づき受理官庁が認める言語
- (aの2) 明細書の配列リストの明細書の配列リストの部分については、(a)の規定は言語依存フリーテキストについてのみ適用する。言語依存フリーテキストの翻訳文については、実施細則で定める。
- (b) (a)の規定は、願書については適用されない。
- (c) 受理官庁が20.2(c)の規定に基づく通知を出願人に送付するまでに出願人が(a)の規定に基づき要求される翻訳文を提出しなか
つた場合には、受理官庁は、望ましくは当該通知とともに、出願人に対し次のことを求める。
- (i) (a)に規定する期間内に要求された翻訳文を提出すること。
- (ii)
(a)に規定する期間内に要求された翻訳文が提出されなかつた場合には、その求めの日から一箇月の期間又は受理官庁による国際出願の受理の日から二箇月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に当該翻訳文を提出し及び該当するときは(e)に定める遅延提出手数料を支払うこと。
- (d)
受理官庁が(c)の規定に基づく求めを出願人に送付し、かつ、出願人が(c)(ii)に規定する当該期間内に要求される翻訳文の提出及び要求される遅延提出手数料の支払を行わなかつた場合には、国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。受理官庁がその宣言を行う前であり、かつ、優先日から十五箇月の期間を経過する前に当該受理官庁が受理した翻訳文及び支払は、当該期間の満了前に受理したものとみなす。
- (e)
受理官庁は、(a)に規定する期間の満了後の翻訳文の提出については、手数料表一に掲げる三十枚を超える国際出願の用紙一枚ごとの料金を考慮に入れない国際出願手数料の二十五パーセントに等しい遅延提出手数料の受理官庁への支払を条件とすることができる。
12.4 国際公開のための翻訳文
- (a)
国際出願が国際公開の言語でない言語でされ、かつ、翻訳文が12.3(a)の規定に基づき要求されていない場合には、出願人は、優先日から十四箇月の期間内に、受理官庁に対し、受理官庁がこの(a)の規定の適用上認める国際公開の言
語による国際出願の翻訳文を提出する。
- (aの2)
(aの2)明細書の配列リストの明細書の配列リストの部分については、(a)の規定は言語依存フリーテキストについてのみ適用する。言語依存フリーテキストの翻訳文については、実施細則で定める。
- (b) (a)の規定は、願書については適用されない。
- (c)
出願人が(a)に規定する期間内に(a)の規定に基づき要求される翻訳文を提出しなかつた場合には、受理官庁は、出願人に対し、優先日から十六箇月の期間内にその翻訳文を提出し及び該当するときは(e)に規定する遅延提出手数料の支払を求め
る。受理官庁がその求めを送付する前に当該受理官庁が受理した翻訳文は、(a)に規定する期間の満了前に受理したものとみなす。
- (d)
出願人が(c)に規定する期間内に要求される翻訳文の提出及び要求される遅延提出手数料の支払を行わなかつた場合には、国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。受理官庁がその宣言を行う前であり、かつ、優先日から十七箇月の期間を経過する前に当該受理官庁が受理した翻訳文及び支払は、(c)に規定する期間の満了前に受理したものとみなす。
- (e) 受理官庁は、(a)に
規定する期間の満了後の翻訳文の提出については、手数料表一に掲げる三十枚を超える国際出願の用紙一枚ごとの料金を考慮に入れない国際出願手数料の二十五パーセントに等しい遅延提出手数料の受理官庁への支払を条件とすることができる。
第十三規則 発明の単一性
13.1 要件
国際出願は、一の発明又は単一の一般的発明概念を形成するように連関している一群の発明についてのみ行う( 「発明の単一性の要件」 )。
13.2 発明の単一性の要件を満たしていると認められる場合
一群の発明が同一の国際出願の請求の範囲に記載されている場合には、これらの発明の間に一又は二以上の同一の又は対応する特別な技術的特徴を含む技術的な関係があるときに限り、13.1に規定する発明の単一性の要件は満たされる。「特別な技術的特徴」とは、請求の範囲に記載された各発明が全体として先行技術に対して行う貢献を明示する技術的特徴をいう。
13.3 請求の範囲の記載方法により影響されない発明の単一性の判断
一群の発明が単一の一般的発明概念を形成するように連関しているかの判断は、これらの発明が別個の請求の範囲に記載されているか単一の請求の範囲に択一的な形式によつて記載されているかを考慮することなく行う。
13.4 従属請求の範囲
13.1の規定に従うことを条件として、従属請求の範囲の特徴がそれ自体で発明を構成すると認められる場合であつても、独立請求の範囲に記載されている発明の特定の態様
について保護を求める相当の数の従属請求の範囲を同一の国際出願に包含させることが許される。
13.5 実用新案
国際出願に基づき実用新案を与えることを求められている指定国は、国際出願の処理がその指定国において開始された後は、13.1から13.4までに規定する事項につき、これらの規定に代えて実用新案に関する国内法令の規定を適用することができる。ただし、出願人が、出願を当該国内法令の規定に適合させるため、第二十二条に規定する当該期間の満了の後少なくとも二箇月の期間の猶予を与えられることを条件とする。
第十三規則の二 生物材料に係る発明
13の2.1 定義
この第十三規則の二の規定の適用上、「寄託された生物材料への言及」とは、寄託機関に対する生物材料の寄託又は寄託された当該生物材料に関して国際出願に記載された事項をいう。
13の2.2 言及(総則)
寄託された生物材料への言及は、この第十三規則の二の規定に従つて行うものとし、その場合には、各指定国の国内法令の要件を満たしているものとみなす。
13の2.3 言及の内容及び言及又は表示が含まれていない場合
- (a) 寄託された生物材料への言及には、次の事項を表示する。
- (i) 寄託をした寄託機関の名称及びあて名
- (ii) 当該寄託機関に生物材料を寄託した日付
- (iii) 当該寄託機関が寄託について付した受託番号
- (iv) 13の2.7
(a)(i)の規定により国際事務局が通知を受けた追加事項。ただし、当該追加事項を表示するとの要件が国際出願のされる時の遅くとも二箇月前までに13の2.7(c)の規定に従つて公報に掲載された場合に限る。
- (b)
寄託された生物材料への言及が含まれていないこと又は寄託された生物材料への言及に(a)の規定による表示が含まれていないことは、指定国の国内法令が国内出願に当該言及又は当該表示を要求していない場合には、当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。
13の2.4 言及における表示の届出の期限
- (a) (b)及び(c)の規定が適用される場合を除くほか、出願時における国際出願に
おいて13の2.3(a)に掲げる事項の表示のいずれかが寄託された生物材料への言及に含まれていない場合において、
- (i) 優先日から十六箇月以内に国際事務局に届け出られたときは、その表示は、指定官庁について所定の期限までに行われたものとみなす。
- (ii)
優先日から十六箇月を経過した後に国際事務局に届け出られたときであつても、その表示が国際公開の技術的準備が完了する前に国際事務局に到達した場合には、その表示は、指定官庁について当該期間の末日に行われたものとみなす。
- (b) 指定官庁が適用する国内法令が国内出願に
ついて要求している場合には、当該指定官庁は、13の2.3(a)に掲げる事項の表示を優先日から十六箇月よりも早い時に届け出ることを要求することができる。ただし、13の2.7(a)(ii)の規定により国際事務局がその要件の通知を受け、かつ、国際事務局が国際出願のされる時の遅くとも二箇月前までにその要件を13の2.7(c)の規定に従つて公報に掲載した場合に限る。
- (c) 指定官庁は、出願人が第二十一条(2)(b)の規定に基づいて 早期
の国際公開の請求をする場合には、国際公開の技術的準備が完了する前に届け出られていない表示を所定の期限までに行われなかつたものとみなすことができる。
- (d) 国際事務局は、(a)の規定により届け出る表示を受理した日付を出願人に通知するとともに、次のことを行う。
- (i) 表示が国際公開の技術的準備が完了する前に受理された場合には、(a)の規定により届け出る表示及び受理の日の表示を国際出願とともに公表すること。
- (ii) 表示が国際公開の技術的準備が完了した後に受理された場合には、当該日付及び(a)の規定により届け出る表示に関連のある事項の表示を指定官庁に通知すること。
13の2.5 一又は二以上の指定国のための言及及び表示、異なる指定国のための異なる寄託並びに通知された寄託機関以外の寄託機関に対する寄託
- (a) 寄託された生物材料への言及は、指定国のうち一部の国のためにのみ明示的に行われた場合を除くほか、すべての指定国のために行われたものとみなす。言及に含まれる表示についても、同様とする。
- (b) 生物材料の異なる寄託への言及は、異なる指定国のために行うことができる。
- (c) 指定官庁は、13の2.7(b)の規定に従つて通知された寄託機関以外の寄託機関にされた寄託を無視することができる。
13の2.6 試料の分譲
国際出願に言及が行われた寄託された生物材料の試料の分譲は、出願人の承諾を得た場合を除くほか、第二十三条及び第四十条の規定に従い、国内処理をそれらの規定により開始することができる当該期間の満了時前は行われない。ただし、出願人が当該期間の満了前であるが国際公開の後に第二十二条又は第三十九条に規定する行為をする場合には、当該行為の後は、寄託された生物材料の試料の分譲を行うことができる。この(b)の規定にかかわらず、指定官庁が適用する国内法令に基づき国際公開が審査を経ていない国内出願の強制的な国内公開の効果をもつたときは、寄託された生物材料の試料の分譲は、当該国内法令に基づいて行うことができる。
13の2.7 国内要件の通知及び公表
- (a) いずれの国内官庁も、国際事務局に次の国内法令の要件を通知することができる。
- (i) 国内出願において13の2.3(a)(i)から(iii)までに掲げる事項に加え、通知書に明記した事項が寄託された生物材料への言及に含まれることを要求していること。
- (ii)
13の2.3(a)に掲げる一又は二以上の事項の表示が出願時における国内出願に含まれること又は当該表示が優先日の後十六箇月よりも早い時で通知書に明記した時に届け出られることを要求していること。
- (b)
各国内官庁は、国際事務局に対し、当該国内官庁における特許手続上生物材料の寄託がされると国内法令が認める寄託機関を通知し又は、国内法令が当該寄託について定めていない場合若しくは認めていない場合には、その事実を通知する。
- (c) 国際事務局は、(a)の規定に従つて通知された要件及び(b)の規定に従つて通知された情報を速やかに公報に掲載する。