特許協力条約に基づく規則(PCT規則)

(2025年7月1日発効)

第四十八規則 国際公開

48.1 形式及び手段

 国際出願を国際公開する形式及び手段は、実施細則で定める。

48.2 内容

  • (a) 国際出願の国際公開は、次のものを含むものとする。
    • (i) 規格による表紙
    • (ii) 明細書
    • (iii) 請求の範囲
    • (iv) 図面(該当する場合)
    • (v) 国際調査報告又は第十七条(2)(a)の宣言((g)の規定が適用される場合を除く。)
    • (vi) 第十九条(1)の規定に基づいて提出された説明書。ただし、当該説明書が46.4の規定に従つていないと国際事務局が認めた場合を除く。
    • (vii) 国際事務局が、国際公開の技術的な準備が完了する前に91.3(d)の規定に基づく公表の要請を受理した場合には、91.3(d)に規定する明白な誤記の訂正のための請求、理由及び意見
    • (viii) 明細書とは別個に第十三規則の二の規定に基づいて届け出た寄託された生物材料についての表示及び国際事務局が当該表示を受理した日付の表示
    • (ix) 26の2.2(d)に規定する優先権の主張に関する情報
    • (x) 4.17に規定する申立て及び26の3.1に規定する補充であつて26の3.1に定める期間の満了前に国際事務局が受理したもの
    • (xi) 26の2.3の規定に基づく優先権の回復のための請求に関する情報、及び当該請求に基づく受理官庁による決定(当該決定が基づいた回復のための基準に関する情報も含む。)
  • (b) 表紙には、(c)の規定に従うことを条件として、次のものを掲載する。
    • (i) 願書から抽出する事項その他の実施細則で定める事項
    • (ii) 8.2(b)の規定が適用される場合を除くほか、国際出願が図面を含む場合には一又は二以上の図
    • (iii) 要約。要約が英語及び他の言語の双方で作成されている場合には、英文を最初に掲載する。
    • (iv) 該当する場合には、願書が4.17に規定する申立てを含む旨の表示であつて、26の3.1に定める期間の満了前に国際事務局が受理したもの
    • (v) 受理官庁が4.18及び20.6の規定に基づき要素又は部分を引用により含めることに基づいて、20.3(b)(ii)、20.5の2(d)又は20.5(d)の規定に基づき国際出願日を認めた場合には、その旨の表示及び出願人が20.6(a)(ii)のために優先権書類に関して17.1(a)、(b)若しくは(bの2)に従うことによつたかどうかの表示、又は先の出願の写しを別個に提出することによつたかどうかの表示
    • (vi) 該当する場合には、公開された国際出願が26の2.2(d)の規定に基づく情報を含む旨の表示
    • (vii) 該当する場合には、公開された国際出願が26の2.3の規定に基づく優先権の回復のための請求に関する情報及び当該請求に基づく受理官庁の決定を含む旨の表示
    • (viii) 該当する場合には、誤つて提出された要素又は部分が20.5の2(b)又は(c)の規定に従つて国際出願から削除された旨の表示
  • (c) 第十七条(2)(a)の宣言が行われた場合には、表紙には、目立つようにその事実について言及するものとし、図面及び要約のいずれも掲載することを要しない。
  • (d) (b)(ii)に掲げる図は、8.2に定めるところによつて選択する。その図は、縮小された形態で表紙に転載することができる。
  • (e) (b)(iii)に掲げる要約の全体を表紙に掲載することができない場合には、その要約は、表紙の裏面に掲載する。48.3(c)の規定に従つて公開される必要がある場合における要約の翻訳文についても、同様とする。
  • (f) 請求の範囲について第十九条の規定に基づく補正がされた場合には、国際出願の国際公開には、出願時における請求の範囲の全文及び補正後の請求の範囲の全文を含める。同条(1)に規定する説明書も、その説明書が46.4の規定に従っていないと国際事務局が認める場合を除くほか、国際公開に含める。また、請求の範囲についての補正書の国際事務局による受理の日付を表示する。
  • (g) 国際公開の技術的な準備の完了の時に国際調査報告をまだ利用することができない場合には、表紙には、国際調査報告を利用することができなかった旨、及び国際調査報告が(利用することができるようになったときに)改訂された表紙とともに別個に公開される旨を掲載する。
  • (h) 国際公開の技術的な準備の完了の時に第十九条の規定に基づいて請求の範囲について補正をするための期間が満了していない場合には、表紙には、その事実について言及するものとし、同条の規定に基づいて請求の範囲について補正がされた場合に46.1の規定に基づく期間内に国際事務局がその補正を受理した後速やかに改訂された表紙とともに補正後の請求の範囲の全文を掲載する。同条(1)に規定する説明書が提出されたときは、その説明書が46.4の規定に従っていないと国際事務局が認める場合を除くほか、その説明書も、公開する。
  • (i) 国際出願の国際公開の技術的な準備が完了した後に、91.1の規定に基づく国際出願の明白な誤記の訂正の受理官庁、国際調査機関又は国際事務局による許可を、国際事務局が受理し、又は、該当する場合において付与したとき(該当する場合)には、訂正を含む用紙、又は差替え用紙及び91.2の規定に基づき提出される書簡とともに、すべての訂正を示す陳述を公開し、表紙を再度公開する。
  • (j) 国際出願の国際公開の技術的な準備が完了した時に26の2.3の規定に基づく優先権の回復のための請求がなお係属している場合には、公開された国際出願は、当該請求に基づく受理官庁の決定に代え、当該決定が利用できなかつた旨、及び当該決定が利用することができるようになつたときに別個に公開される旨の表示を含む。
  • (k) 国際事務局は、国際公開の技術的な準備が完了した後に91.3(d)の規定に基づく公開の請求を受理した場合には、当該公開の請求を受領した後に、当該規則に規定する訂正の請求、理由及び意見を速やかに公開し、表紙を再度公開する。
  • (l) 国際事務局は、次のことを認めるときは、国際公開の技術的な準備が完了する前に国際事務局が受理した出願人による理由を示した請求により、情報を公開の対象から省略する。
    • (i) 当該情報が国際出願について公衆に周知する目的に明らかに資さないこと。
    • (ii) 当該情報の公開により、いずれかの者の個人的な又は経済的な利益が明らかに損なわれること。
    • (iii) 当該情報を利用する優先的な公共の利益がないこと。
    •  26.4の規定は、出願人がこの(l)の規定に基づいて行う請求の対象である情報を提示する方法について準用する。
  • (m) 受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際事務局が(l)に規定する基準を満たす情報を認める場合には、(l)の規定に従つて出願人に国際公開の対象からの省略を請求するよう示唆することができる。
  • (n) 国際事務局が(l)の規定に従つて国際公開の対象から情報を省略し、及び当該情報が受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関が保有する国際出願の一件書類に含まれる場合には、国際事務局は、速やかにその旨を当該官庁及び当該機関に通知する。

48.3 言語

  • (a) 国際出願は、アラビア語、英語、スペイン語、中国語、ドイツ語、日本語、韓国語、ポルトガル語、フランス語又はロシア語(「国際公開の言語」)でされた場合には、国際出願がされた言語で国際公開を行う。
  • (b) 国際出願は、国際公開の言語でされず、かつ、12.3又は12.4の規定により、国際公開の言語による翻訳文が提出された場合には、当該翻訳文の言語で国際公開される。
  • (c) 国際出願の国際公開が英語以外の言語で行われる場合には、国際調査報告(48.2(a)(v)の規定により公表された部分に限る。)又は第十七条(2)(a)の宣言、発明の名称、要約及び要約に添付する図に係る文言は、当該言語及び英語の双方で国際公開を行う。英語による翻訳文は、12.3の規定に基づき出願人が提出しない場合には、国際事務局の責任において作成する。

48.4 出願人の請求に基づく早期の国際公開

  • (a) 出願人が第二十一条(2)(b)及び第六十四条(3)(c)(i)の規定に基づいて国際公開を請求した場合において、国際出願とともに国際公開を行うために国際調査報告又は第十七条(2)(a)の宣言をまだ利用することができないときは、国際事務局は、実施細則で定める額の特別の国際公開のための手数料を徴収する。
  • (b) 第二十一条(2)(b)及び第六十四条(3)(c)(i)の規定に基づく国際公開は、出願人が国際公開を請求した後及び、(a)の規定に従つて特別の手数料が支払われる場合には、その手数料の受領の後速やかに国際事務局が行う。

48.5 国内の公表の通知

 国際事務局による国際出願の国際公開が第六十四条(3)(c)(ii)の規定に従つて行われるものである場合には、当該国内官庁は、同条(3)(c)(ii)に規定する国内の公表を行つた後速やかにその国内の公表の事実を国際事務局に通知する。

48.6 特定の事実の公示

  • (a) 29.1(ii)に規定する通知が 当該国際出願の国際公開を取りやめることができる時よりも遅い時に国際事務局に到達した場合には、国際事務局は、速やかにその通知の要旨を公報に掲載する。
  • (b) 削除
  • (c) 国際公開の技術的な準備が完了した後に、第九十規則の二の規定に基づく国際出願、指定国の指定又は優先権の主張の取下げが行われた場合には、その取下げの通告は、公報に掲載する。

第四十九規則 第二十二条の規定に基づく写し、翻訳文及び手数料

49.1 通知

  • (a) 第二十二条の規定に基づき翻訳文の提出若しくは国内手数料の支払又はその双方を要求する締約国は、次の事項を国際事務局に通知する。
    • (i) 当該締約国が翻訳を要求する言語及びその翻訳文の言語
    • (ii) 国内手数料の額
  • (aの2) 第二十二条の規定に基づく出願人による国際出願の写しの提出を要求しない(第四十七規則の規定に基づく国際事務局による国際出願の写しの送達が第二十二条に規定する期間の満了する時までに行われていない場合を含む。)締約国は、国際事務局にその旨を通知する。
  • (aの3) 自己が指定国である場合に は、出願人が第二十二条に規定する当該期間の満了する時までに国際出願の写しを提出しない場合においても、第二十四条(2)の規定に従い第十一条(3)の効果を維持する締約国は、国際事務局にその旨を通知する。
  • (b) 国際事務局は、(a)、(aの2)又は(aの3)の規定に従つて受領した通知を速やかに公報に掲載する。
  • (c) 締約国は、(a)の要求を後に変更する場合には、その変更を国際事務局に通知するものとし、国際事務局は、その通知を速やかに公報に掲載する。変更は、当該変更前には要求されていなかつた言語による翻訳文を要求するものである場合には、通知が公報に掲載された後二箇月を経過した後にされる国際出願についてのみ効力を有する。その他の場合には、変更の効力発生の日は、当該締約国が定める。

49.2 言語

 翻訳文の言語として要求することができる言語は、指定官庁の公用語でなければならない。公用語が二以上ある場合において、国際出願がそれらの公用語のうちの一の言語で作成されているときは、翻訳を要求することができない。公用語が二以上ある場合において、翻訳文を提出しなければならないときは、出願人は、それらの公用語のうちのいずれか一の 言語を選択することができる。この49.2の規定にかかわらず、公用語が二以上ある場合において、国内法令が外国人に対してはそれらの公用語のうちの一の言語を用いることを定めているときは、その言語による翻訳文を要求することができる。

49.3 第十九条の規定に基づく説明書及び13の2.4の規定による表示

 第二十二条及びこの第四十九規則の規定の適用上、第十九条(1)の規定に基づいて提出する説明書及び13の2.4の規定により届け出る表示は、49.5(c)及び(h)の規定に従うことを条件として、国際出願の一部とみなす。

49.4 国内様式の使用

 出願人は、第二十二条に規定する行為を行う時には、国内様式を使用することを要求されない。

49.5 翻訳文の内容及び様式上の要件

  • (a) 第二十二条の規定の適用上、国際出願の翻訳文は、明細書((aの2)の規定が適用される場合を除く。)、請求の範囲、図面の文言及び要約を含む。指定官庁が要求する場合には、翻訳文は、また、(b)、(cの2)及び(e)の規定に従うことを条件として、
    • (i) 願書を含み、
    • (ii) 第十九条の規定に基づく請求の範囲の補正がされた場合には、出願時における請求の範囲及び補正後の請求の範囲を含み (補正後の請求の範囲は、最初に提出した全ての請求の範囲と差し替えるために、46.5(a)の規定に基づいて提出される完全な一式の請求の範囲の翻訳文の形式で提出する。)、並びに
    • (iii) 図面の写しが添付されていなければならない。
  • (aの2) 指定官庁は、明細書の配列リストの部分が12.1(d)の規定に従い及び指定官庁が言語依存フリーテキストのために認める言語で記載された言語依存フリーテキストを含む場合には、明細書の配列リストの部分に含まれている文言の翻訳文を提出するよう出願人に要求してはならない。ただし、英語で記載された言語依存フリーテキストが含まれていない場合には、公表された配列リストをデータベースプロバイダに提供する指定官庁は、実施細則に定めるところにより、英語による明細書の配列リストの部分の翻訳文を要求することができる。
  • (b) 願書の翻訳文の提出を要求する指定官庁は、翻訳文の言語による願書の様式を出願人に無料で提供する。翻訳文の言語による願書の様式及び内容は、第三規則の願書の様式又は第四規則の願書の内容と異ならないものとし、特に、翻訳文の言語による願書の様式は、出願時における願書に記載されていないいかなる情報も要求しない。翻訳文の言語による願書の様式の使用は、任意とする。
  • (c) 出願人が第十九条(1)の規定に基づいて作成する説明書の翻訳文を提出しなかつた場合には、指定官庁は、その説明書を無視することができる。
  • (cの2) 出願人が出願時における請求の範囲及び補正後の請求の範囲の翻訳文を(a)(ii)の規定に基づいて要求する指定官庁に対し要求されている二の翻訳文の一のみを提出した場合には、当該指定官庁は、提出されなかつた翻訳文に係る請求の範囲を無視し又は出願人に対し提出されなかつた翻訳文を事情に応じて相当のかつ指定する期間内に提出するよう求めることができる。当該指定官庁は、提出されなかつた翻訳文を提出するよう出願人に求めることを選択し、かつ、それが指定した期間内に提出されなかつた場合には、提出されなかつた翻訳文に係る請求の範囲を無視し又はその国際出願が取り下げられたものとみなすことができる。
  • (d) 図面に文言が記載されている場合には、その文言の翻訳文は、当初の文言の上にその翻訳文をはり付けた当初の図面の写し又は新たに作成した図面のいずれかの様式で提出する。
  • (e) (a)の規定に従つて図面の写しの提出を要求する指定官庁は、出願人が第二十二条に規定する期間内に当該写しを提出しなかつた場合には、出願人に対し、事情に応じて相当のかつ指定する期間内に当該写しの提出を求める。
  • (f) 「Fig.」という表現は、いかなる言語への翻訳も要しない。
  • (g) (d)又は(e)の規定に従つて提出された図面の写し又は新たに作成された図面が第十一規則に定める様式上の要件を満たしていない場合には、指定官庁は、出願人に対し、事情に応じて相当のかつ指定する期間内にこのような欠陥の補充を求めることができる。
  • (h) 出願人が要約の翻訳文又は13の2.4の規定により届け出る表示の翻訳文を提出しなかつた場合において、指定官庁が必要であると認めるときは、当該指定官庁は、出願人に対し、事情に応じて相当のかつ指定する期間内に翻訳文を提出するよう求める。
  • (i) 国際事務局は、(a)の第二文の規定に基づく指定官庁の要件及び運用に関する情報を公報に掲載する。
  • (j) 指定官庁は、国際出願の翻訳文が出願時における国際出願について定める様式上の要件以外の要件を満たすことを要求してはならない。
  • (k) 発明の名称が37.2の規定に基づき国際調査機関により決定された場合には、翻訳文には、当該国際調査機関が決定した発明の名称を含める。
  • (l) (cの2)又は(k)の規定が千九百九十一年七月十二日において指定官庁の適用する国内法令に適合しない場合には、当該指定官庁がその旨を千九百九十一年十二月三十一日までに国際事務局に通告することを条件として、同規定は、当該国内法令に引き続き適合しない間、当該指定官庁については、適用しない。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。

49.6 第二十二条に規定する行為を行わなかつた場合の権利の回復

  • (a) 出願人が第二十二条に規定する行為を適用される期間内に行わなかつたことにより第十一条(3)に定める国際出願の効果が消滅した場合には、指定官庁は、出願人の請求により、かつ、(b)から(e)までの規定従うことを条件として、期間が遵守されなかつたことが故意ではないと認めるとき又は指定官庁がその選択により、状況により必要とされる相当な注意を払つたにもかかわらず期間が遵守されなかつたものであると認めるときは、その国際出願についての出願人の権利を回復する。
  • (b) (a)の請求の指定官庁への提出及び第二十二条に規定する行為は、次のいずれかのうち早く満了する期間内に行う。
    • (i) 第二十二条に規定する期間を遵守できなかつた理由がなくなつた日から二箇月
    • (ii) 第二十二条に規定する期間が満了する日から十二箇月
    •  ただし、出願人は、指定官庁が適用する国内法令が認めるときは、より遅い時に請求することができる。
  • (c) (a)の請求には、第二十二条に規定する期間を遵守できなかつた理由を記載する。
  • (d) 指定官庁の適用する国内法令は、次のことを要求することができる。
    • (i) (a)の請求について手数料が支払われること
    • (ii) (c)に規定する理由を裏付ける申立てその他の証拠を提出すること
  • (e) 指定官庁は、(a)の請求に関し、拒否しようとすることについて事情に応じた相当の期間内に意見を述べる機会を出願人に与えることなく、これを拒否しない。
  • (f) 二千二年十月一日に(a)から(e)の規定が指定官庁によつて適用される国内法令に適合しない場合には、当該指定官庁がその旨を二千三年一月一日までに国際事務局に通告することを条件として、これらの規定は、その国内法令に適合しない間、当該指定官庁については、適用しない。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。

第四十九規則の二 国内処理の目的のために求められる保護についての表示

49の2.1 特定の種類の保護の選択

  • (a) 出願人は、第四十三条が適用される指定国において国際出願が特許の付与ではなく同条に規定する他の種類の保護を求める出願として取り扱われることを希望する場合には、第二十二条に規定する行為を行う時に、指定官庁に対しその旨を表示する。
  • (b) 出願人は、第四十四条が適用される指定国において国際出願が第四十三条に規定する二種類以上の保護を求める出願として取り扱われることを希望する場合には、第二十二条に規定する行為を行う時に、指定官庁に対しその旨を表示する。該当する場合には、主として求める種類及び補助的に求める種類を明示する。
  • (c) (a)及び(b)に規定する場合において、出願人は、指定国において国際出願が追加特許、追加証、追加発明者証又は追加実用証として取り扱われることを希望する場合には、第二十二条に規定する行為を行う時に、関連する原出願、原特許、原付与を表示する。
  • (d) 出願人は、指定国において国際出願が先の出願の継続出願又は一部継続出願として取り扱われることを希望する場合には、第二十二条に規定する行為を行う時に、指定官庁に対しその旨を表示し、関連する原出願を特定する。
  • (e) 出願人が、第二十二条に規定する行為を行う時に、(a)に規定する明示の表示されていないが、出願人により支払われた第二十二条に規定する国内手数料が、特定の種類の保護の国内手数料に相当する場合、当該手数料の支払は、出願人が国際出願が当該種類の保護を求める出願として取り扱われることを希望する旨の表示とみなし、指定官庁は、その旨を出願人に通知する。

49の2.2 表示の届出の時

  • (a) 指定官庁は、第二十二条に規定する行為を行う前に、出願人に対し49の2.1に規定する表示又は、該当する場合には、国内特許若しくは広域特許を求める旨の表示を要求し てはならない。
  • (b) 出願人は、当該指定官庁が適用する国内法令が認める場合には、その後いつでも、当該表示を提出し、該当する場合には、一の種類の保護を他の種類の保護に変更することができる。

第四十九規則の三 受理官庁による優先権の回復の効果、指定官庁による優先権の回復

49の3.1 受理官庁による優先権の回復の効果

  • (a) 受理官庁が当該優先期間内に国際出願が提出されなかつたことが状況により必要とされる相当な注意を払つたにもかからわず生じたとの認定に基づき、26の2.3の規定に基づき優先権を回復した場合には、当該回復は、(c)の規定に従うことを条件として、各指定国において効力を有する。
  • (b) 受理官庁が当該優先期間内に国際出願が提出されなかつたことが故意ではないと認定し、26の2.3の規定に基づき優先権を回復した場合には、当該回復は、(c)の規定に従うことを条件として、国内法令が当該基準、又は出願人からみて当該基準より有利な基準に基づく優先権の回復を規定する指定国において効力を有する。
  • (c) 26の2.3の規定に基づく受理官庁による優先権の回復の決定は、指定官庁、裁判所若しくはその他の権限のある機関又は当該指定国のために行動する機関が、26の2.3(a)の規定に基づき受理官庁に提出された請求に記載された理由及び26の2.3(b)(iii)の規定に基づき受理官庁に提出された申立てその他の証拠を考慮に入れて、26の2.3(a)、(b)(i)又は(c)の規定に基づく要件が満たされていないと認めた指定国においては効力を有しない。
  • (d) 指定官庁は、(c)に規定する要件が満たされていることについて合理的な疑義がない限り、受理官庁の決定を検査してはならず、この場合には、指定官庁は出願人にその旨を通知し、当該疑義の理由を示し、また、出願人に相当な期間内に意見を述べる機会を与える。
  • (e) 指定国は、優先権の回復のための26の2.3の規定に基づく請求を拒否する受理官庁の決定に拘束されることはない。
  • (f) 受理官庁が優先権の回復のための請求を拒否する場合には、指定官庁は、当該請求を49の3.2(a)の規定に基づき当該規則に規定する期間内に指定官庁に提出された回復の請求とみなすことができる。
  • (g) 二千五年十月五日において(a)から(d)までの規定が指定官庁によつて適用される国内法令に適合しない場合には、当該指定官庁がその旨を二千六年四月五日までに国際事務局に通告することを条件として、これら規定は、その国内法令に適合しない間、当該指定官庁については、適用しない。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。

49の3.2 指定官庁による優先権の回復

  • (a) 国際出願が先の出願に基づく優先権の主張を伴い、国際出願日が当該優先期間の満了の日の後であるが、当該満了の日から二箇月の期間内である場合には、指定官庁は、(b)の規定に基づく出願人の請求によつて、当該指定官庁が適用する基準(「回復のための基準」)が満たされていること、すなわち、優先期間内に国際出願が提出されなかつたことが、次のいずれかの場合によると認めたときには、優先権を回復する。
    • (i) 状況により必要とされる相当な注意を払つたにもかかわらず生じた場合
    • (ii) 故意ではない場合
    •  各指定官庁は、これらの基準のうち少なくとも一つを採用し、また基準の両方を採用することができる。
  • (b) (a)の規定に基づく請求は、次のとおりとする。
    • (i) 第二十二条に規定する期間から一箇月の期間内に又は、出願人が第二十三条(2)の規定に基づき指定官庁に明示の請求を行つた場合には、指定官庁が当該請求を受領した日から一箇月の期間内に、当該指定官庁に提出する。
    • (ii) 当該優先期間内に国際出願を提出されなかつたことの理由を記載するとともに、(c)の規定に基づき要求される申立てその他の証拠を公表することが望ましい。
    • (iii) (d)の規定に基づき要求される回復請求のための手数料を添える。
  • (c) 指定官庁は、事情に応じて相当の期間内に(b)(ii)に規定する理由の記述を裏付ける申立てその他の証拠を要求することができる。
  • (d) (a)の規定に基づく請求の提出は、回復請求手数料の指定官庁への支払を条件とすることができる。
  • (e) 指定官庁は、(a)の規定に基づく請求の全部又は一部に関し、拒否しようとすることについて事情に応じて相当の期間内に意見を述べる機会を出願人に与えることなく、これを拒否しない。指定官庁による拒否しようとする書面は、(c)の規定に基づく申立てその他の証拠を提出する求めとともに出願人に送付できる。
  • (f) 指定官庁が適用する国内法令が、優先権の回復に関して、出願人の立場からみて、(a)及び(b)の規定に基づく要件よりも有利な要件を規定する場合には、当該指定官庁は、優先権を決定する場合に、当該(a)及び(b)の規定に基づく要件に代わり、国内法令の規定に基づく要件を適用することができる。
  • (g) 各指定官庁は、当該指定官庁が適用する回復のための基準、要件、該当する場合には(f)の規定に従つて適用される国内法令、及びこれに関する後の変更を国際事務局に通知するものとする。国際事務局は、当該情報を速やかに公報に掲載する。
  • (h) 二千五年十月五日において(a)から(g)までの規定が指定官庁によつて適用される国内法令に適合しない場合には、当該指定官庁がその旨を二千六年四月五日までに国際事務局に通告することを条件として、これらの規定は、当該国内法令に適合しない間、当該指定官庁については、適用しない。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。

第五十規則 第二十二条(3)の規定に基づく権能

50.1 権能の行使

  • (a) 第二十二条(1 )又は(2)に定める期間よりも遅い時に満了する期間を認める締約国は、その定めた期間を国際事務局に通知する。
  • (b) 国際事務局は、(a)の規定に従つて受領した通知を速やかに公報に掲載する。
  • (c) 先に定めた期間の短縮に関する通知は、国際事務局がその通知を公報に掲載した日から起算して三箇月を経過した後にされる国際出願について効力を有する。
  • (d) 先に定めた期間の延長に関する通知は、国際事務局がその通知を公報に掲載した時から、その掲載の際現に係属しており又はその掲載の日の後にされる国際出願について効力を有する。ただし、通知を行う締約国が一層遅い日を定める場合には、その日から効力を有する。

第五十一規則 指定官庁による検査

51.1 写しの送付を請求するための期間

 第二十五条(1)(c)に規定する期間は、20.4(i)、24.2(c)又は29.1(ii)の規定による出願人に対する通知の日から起算して二箇月とする。

51.2 通知の写し

 出願人は、第十一条(1)の規定に基づく否定的な決定を受領した後に、国際出願として提出されたものの一件書類の写しを指定官庁のうち特定したものに送付するよう第二十五条(1)の規定に基づき国際事務局に対して請求する場合には、その請求に20.4(i)の通知の写しを添付する。

51.3 国内手数料の支払及び翻訳文の提出のための期間

 第二十五条(2)(a)に規定する期間は、51.1に定める期間と同時に満了するものとする。

第五十一規則の二 第二十七条の規定に基づいて認められる国内的要件

51の2.1 認められる国内的要件

  • (a) 51の2.2の規定に従うことを条件として、第二十七条の規定に従い、指定官庁が適用する国内法令により出願人に提出を要求することができるものは、特に次のものを含む。
    • (i) 発明者の特定に関する書類
    • (ii) 出願し及び特許を与えられる出願人の資格に関する書類
    • (iii) 出願人が先の出願をした出願人でない場合又は先の出願がされた 日以後出願人の氏名が変更されている場合には、先の出願に基づく優先権を主張する出願人の資格に関する証明を含む書類
    • (iv) 国内法令が二千十二年十月九日の時点において発明者であることについての宣誓又は申立ての提出を要求している国を指定して国際出願がされた場合には、発明者であることについての宣誓又は申立てを含む書類
    • (v) 特定の期間内における不当な行為に起因する開示、特定の博覧会における開示及び出願人による開示のような不利にならない開示に関する証拠又は新規性の喪失の例外に関する証拠
    • (vi) 願書に署名をしていな い当該指定国における出願人について、署名によつて国際出願を確認するもの
    • (vii) 当該指定国における出願人に関する4.5(a)(ii)及び(iii)の規定により要求される表示のうち、願書から欠落しているもの
    • (viii) 82の3.1に規定する場合において、20.5の2(b)又は(c)の規定に従つて国際出願から削除された誤つて提出された要素又は部分の翻訳
  • (b) 指定官庁が適用する国内法令は、第二十七条(7)の規定に従い、次のことを要求することができる。
    • (i) 当該指定官庁に対して出願人を代理する資格を有する代理人によつて出願人が代理されること又は出願人が通知を受け取るためのあて名を指定国内に有すること。
    • (ii) 出願人を代理する代理人がある場合には、当該代理人は、出願人によつて正当に選任されること。
  • (c) 指定官庁が適用する国内法令は、第二十七条(1)の規定に従い、国際出願、その翻訳文又は国際出願に関する書類を二通以上提出することを要求することができる。
  • (d) 指定官庁が適用する国内法令は、第二十七条(2)(ii)の規定に従い、第二十二条の規定に基づいて出願人が提出する国際出願の翻訳文が次の要件を満たすことを要求することができる。
    • (i) 出願人又は国際出願を翻訳した者が、その知識の及ぶ限りにおいて完全かつ正確である旨の陳述をもつて証明すること
    • (ii) 公の当局又は宣誓した翻訳者が認証すること。ただし、指定官庁が翻訳の正確性について合理的な疑義を有する場合に限る。
  • (e) 指定官庁が適用する国内法令は、第二十七条の規定に従い、出願人に対し優先権書類の翻訳文を提出することを要求することができる。ただし、次の場合に限る。
    • (i) 優先権の主張の有効性が、その発明が特許を受けることができるかどうかについての判断に関連する場合
    • (ii) 受理官庁が4.18及び20.6の規定に基づき要素又は部分を引用により含めることに基づいて、20.3(b)(ii)、20.5(d)又は20.5の2(d)の規定に基づき国際出願日が認められた場合において、82の3.1(b)の規定に基づき当該要素又は部分が優先権書類に完全に記載されているかどうかを決定するために、指定官庁が適用する国内法令が、明細書、請求の範囲又は図面の部分については、出願人に優先権書類の翻訳文のどの部分に当該部分が記載されているかに関する表示を提出することを要求できる場合

51の2.2 書類又は証拠を要求することができない場合

 指定官庁は、関連する表示又は申立ての真実性について合理的な疑義がない限り、次の書類又は証拠を要求することができない。

  • (i) 発明者に関する表示が4.6の規定に従つて願書に記載されているとき又は発明者の特定に関する申立てが4.17(i)の規定に従つて願書に記載されているとき若しくは指定官庁に直接提出されたときには、発明者の特定に関する書類又は証拠(51の2.1(a)(i)))(ただし、発明者であることについての宣誓又は申立て(51の2.1(a)(iv))を含む書類を除く。)
  • (ii) 出願し及び特許を与えられる国際出願日における出願人の資格に関する申立てが4.17(ii)の規定に従つて願書に記載されているとき又は指定官庁に直接提出されたときには、当該出願人の資格に関する書類又は証拠(51の2.1(a)(ii))
  • (iii) 先の出願に基づく優先権を主張する国際出願日における出願人の資格に関する申立てが4.17(iii)の規定に従つて願書に記載されているとき又は指定官庁に直接提出されたときには、当該出願人の資格に関する書類又は証拠(51の2.1(a)(iii))
  • (iv) 発明者であることについての申立てが4.17(iv)の規定に従つて願書に記載されているとき又は指定官庁に直接提出されたときには、発明者であることについての宣誓又は申立てを含む書類又は証拠(51の2.1(a)(iv))

51の2.3 国内的要件を満たすための機会

  • (a) 51の2.1(a)(i)から(iv)まで及び(c)から(e)までに規定する要件又は指定官庁が適用する国内法令で定める他の要件であつて、当該指定官庁が第二十七条(1)又は(2)の規定に基づいて適用できるものが、第二十二条の規定に基づく要件を満たさなければならない期間と同一の期間内に満たされていない場合には、指定官庁は、出願人に対し、求めの日から少なくとも二箇月の期間内に、当該要件を満たすことを求める。各指定官庁は、出願人に対して、求めに応じて国内的要件を満たすことに対して料金を支払うことを要求することができる。
  • (b) 指定官庁が適用する国内法令で定める要件であつて、当該指定官庁が第二十七条(6)又は(7)の規定に基づいて適用できるものが、第二十二条の規定に基づく要件を満たさなければならない期間と同一の期間内に満たされていない場合には、出願人は、当該期間の満了後に当該要件を満たすための機会を有する。
  • (c) (a)の規定が二千年三月十七日において(a)の規定の期間に関して指定官庁の適用する国内法令に適合しない場合には、当該指定官庁がその旨を二千年十一月三十日までに国際事務局に通告することを条件として、(a)の規定は、当該国内法令に引き続き適合しない間、当該指定官庁については、適用しない。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。

第五十二規則 指定官庁における請求の範囲、明細書及び図面の補正

52.1 期間

  • (a) 特別の請求なしに処理又は審査が開始される指定国においては、出願人は、希望するときは、第二十二条の規定に基づく要件を満たした時から一箇月以内に、第二十八条の規定に基づく権利を行使する。ただし、47.1の送達が第二十二条に規定する当該期間の満了する時までに行われなかつた場合には、当該期間の末日の後四箇月以内に行使する。もつとも、いずれの場合においても、指定国の国内法令が認めるときは、その後いつでも行使することができる。
  • (b) 国内法令が特別の請求によつてのみ審査が開始されることを定めている指定国においては、出願人が第二十八条の規定に基づく権利を行使することができる期間又は時は、特別の請求による国内出願の審査の場合における補正書の提出のための国内法令に定める期間又は時と同一とする。ただし、その期間又は時が(a)に規定する当該期間の満了前に満了せず又は到来しないことを条件とする。

C部 第二章に関する規則

第五十三規則 国際予備審査の請求書

53.1 様式

  • (a) 国際予備審査の請求書は、印刷した様式を用いて作成し、又はコンピューター印字により表す。印刷した様式及びコンピューター印字により表した国際予備審査の請求書に関する細目は、実施細則で定める。
  • (b) 印刷した国際予備審査の請求書の様式は、受理官庁又は国際予備審査機関が無料で提供する。

53.2 内容

  • (a) 国際予備審査の請求書には、次の事項を記載する。
    • (i) 申立て
    • (ii) 出願人及び、代理人がある場合には、代理人に関する表示
    • (iii) 国際予備審査の請求に係る国際出願に関する表示
    • (iv) 該当する場合には、補正に関する記述
  • (b) 国際予備審査の請求書には、署名をする。

53.3 申立て

 申立ては、次の趣旨によるものとし、次の文言とすることが望ましい。

  • 特許協力条約第三十一条の規定に基づく請求
  • 署名者は、次の国際出願が特許協力条約に従つて国際予備審査の対象とされることを請求する。

53.4 出願人

 出願人に関する表示については、4.4及び4.16の規定を適用するものとし、4.5の規定を準用する。

53.5 代理人又は共通の代表者

 代理人又は共通の代表者が選任されている場合には、国際予備審査の請求書にはその旨を記載する。この場合には、4.4及び4.16の規定を適用するものとし、4.7の規定を準用する。

53.6 国際出願の特定

 国際出願は、出願人の氏名又は名称及びあて名、発明の名称、国際出願日(出願人が知つている場合)並びに国際出願番号又は、国際出願番号を出願人が知らない場合には、国際出願がされた受理官庁の名称によつて特定する。

53.7 国の選択

 国際予備審査の請求書の提出は、指定された国であつて第二章の規定に拘束される全締約国の選択を構成する。

53.8 署名

 国際予備審査の請求書には、出願人が署名をする。二人以上の出願人がある場合には、国際予備審査の請求をしたすべての出願人が署名をする。

53.9 補正に関する記述

  • (a) 出願人は、第十九条の規定に基づく補正が行われた場合には、国際予備審査のため、補正に関する記述にその補正について次のいずれを希望するかを表示する。
    • (i) 当該補正を考慮する。この場合には、国際予備審査の請求書とともに補正書の写し及び46.5(b)の規定に従つて要求される書簡の写しを提出することが望ましい。
    • (ii) 当該補正は、第三十四条の規 定に基づく補正により取り消されたものとみなす。
  • (b) 第十九条の規定に基づく補正が行われておらず、かつ、そのような補正書を提出する期間が満了していない場合には、この記述に、国際予備審査機関が69.1(b)の規定に従い国際調査と同時に国際予備審査を開始することを希望する場合には、69.1(d)の規定に従い国際予備審査の開始を延期することを希望する旨を表示することができる。
  • (c) 第三十四条の規定に基づく補正書を国際予備審査の請求書とともに提出する場合には、その旨を補正に関する記述に表示する。

第五十四規則 国際予備審査の請求をする資格を有する出願人

54.1 住所及び国籍

  • (a) (b)の規定に従うことを条件として、出願人の住所及び国籍は、第三十一条(2)の規定の適用上、18.1の(a)及び(b)の規定に従つて決定する。
  • (b) 国際予備審査機関は、実施細則に定めるところにより、受理官庁に対し又は、国際出願が受理官庁としての国際事務局にされた場合には、関係締約国の国内官庁若しくはその関係締約国のために行動する国内官庁に対し、出願人が自ら居住者又は国民であると主張する締約国の居住者又は国民であるかどうかの問題について決定を行うよう要請する。国際予備審査機関は、出願人にその要請について通知する。出願人は、当該国内官庁に対して直接論拠を提出する機会を有する。当該国内官庁は、その問題について速やかに決定を行う。

54.2 国際予備審査の請求をする権利

 国際予備審査の請求をする出願人又は、二人以上の出願人がある場合にはそのうちの少なくとも一人の出願人が、第二章の規定に拘束される締約国の居住者又は国民であり、かつ、第二章の規定に拘束される締約国の受理官庁又はその締約国のために行動する受理官庁に国際出願した場合には、第三十一条(2)の規定に基づく国際予備審査の請求をすることができる。

54.3 受理官庁としての国際事務局にされた国際出願

 国際出願が19.1(a)(iii)の規定に基づいて受理官庁としての国際事務局にされた場合には、国際事務局は、第三十一条(2)(a)の規定の適用上、出願人がその居住者又は国民である締約国のために行動するものとみなす。

54.4 国際予備審査の請求をする資格を有しない出願人

 出願人又は、二人以上の出願人がある場合においては、いずれの出願人も54.2の国際予備審査の請求をする資格を有しない場合には、当該請求は、行われなかつたものとみなす。

第五十四規則の二 国際予備審査の請求をするための期間

54の2.1 国際予備審査の請求をするための期間

  • (a) 国際予備審査の請求は、次の期間のうちいずれか遅く満了する期間までにすることができる。
    • (i) 出願人への国際調査報告 又は第十七条(2)(a)の宣言 及び43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解の送付から三箇月
    • (ii) 優先日から二十二箇月
  • (b) (a)に規定する期間の経過後になされた国際予備審査の請求は提出されなかつたものとみなし、国際予備審査機関は、その旨を宣言する。

第五十五規則 言語(国際予備審査)

55.1 国際予備審査の請求書の言語

 国際予備審査の請求書は、国際出願の言語又は、国際出願が国際公開に用いられる言語以外の言語でされた場合には、国際公開の言語で作成する。ただし、国際出願の翻訳文が55.2の規定に基づき要求される場合には、国際予備審査の請求書は、当該翻訳文の言語で作成する。

55.2 国際出願の翻訳文

  • (a) 国際出願がされる言語及び国際出願が国際公開される言語のいずれもが国際予備審査を行う国際予備審査機関が認める言語でない場合には、出願人は、(b)の規定が適用される場合を除くほか、国際予備審査の請求書とともに、次の(i)及び(ii)に該当する言語による国際出願の翻訳文を提出する。
    • (i) 国際予備審査機関が認める言語
    • (ii) 国際公開の言語
  • (aの2) 国際出願の(a)に規定する言語への翻訳文は、出願人が20.3(b)、20.5の2(b)、20.5の2(c)又は20.6(a)の規定に基づき提出する第十一条(1)(iii)(d)又は(e)に規定する要素、及び出願人が20.5(b)、20.5(c)、20.5の2(b)、20.5の2(c)又は20.6(a)の規定に基づき提出する20.6(b)の規定に基づき国際出願に含まれていたとみなされる明細書、請求の範囲又は図面の部分を含むものとする。
  • (aの3) 国際予備審査機関は、(a)の規定に基づき提出された翻訳文について、第十一規則に定める様式上の要件が、国際予備審査のために必要な程度にまで満たされているかいないかを点検する。
  • (b) (a)に規定する言語による国際出願の翻訳文が23.1(b)の規定に基づき国際調査機関に送付され、かつ、国際予備審査機関が国際調査機関と同一の国内官庁又は政府間機関の一部である場合には、出願人は、(a)の規定に基づく翻訳文を提出することを必要としない。この場合には、出願人が(a)の規定に基づく翻訳文を提出しない限り、国際予備審査は、23.1(b)の規定に基づき送付される翻訳文に基づいて行う。
  • (c) (a)、(aの2)及び(aの3)に規定する要件が満たされず、かつ、(b)の規定が適用されない場合には、国際予備審査機関は、出願人に対し、事情に応じて相当の期間内に要求する翻訳文又は必要な補充書を提出するよう求める。その期間は、求めの日から一箇月以上とするものとし、決定が行われる前はいつでも、国際予備審査機関が延長することができる。
  • (d) 出願人が(c)に定める期間内に求めに応ずる場合には、(a)、(aの2)及び(aの3)の要件が満たされたものとみなす。出願人が求めに応じない場合には、国際予備審査の請求書は、提出されなかつたものとみなし、国際予備審査機関は、その旨を宣言する。

55.3 補正書及び書簡の言語及び翻訳文

  • (a) 国際出願が国際公開に用いられる言語以外の言語により行われた場合には、(b)の規定に従うことを条件として、第三十四条の規定に基づく補正書並びに66.8(a)及び66.8(b)に規定する書簡並びに66.8(c)の規定によつて準用する46.5(b)に規定する書簡は、国際公開の言語によつて提出する。
  • (b) 国際出願の翻訳文が55.2の規定に基づいて要求される場合には、次の補正書又は書簡は、当該翻訳文の言語によるものとする。当該補正書又は書簡が別の言語によつて提出された又は提出されるときは、翻訳文についても、提出する。
    • (i) (a)に規定する補正書及び書簡
    • (ii) 66.1(c)又は(d)の規定に基づいて考慮すべき第十九条の規定に基づく補正書及び46.5(b)に規定する書簡
  • (c) 補正書又は書簡が(a)又は(b)の規定に従つて要求される言語によつて提出されない場合には、国際予備審査機関は、出願人に対し、事情に応じて相当の期間内に当該言語による補正書又は書簡を提出するよう求める。その期間は、その求めの日から一箇月以上とするものとし、決定が行われる前はいつでも、国際予備審査機関が延長することができる。
  • (d) 出願人が、(c)に規定する期間内に要求される言語による補正書を提出する求めに応じない場合には、国際予備審査において当該補正書を考慮しない。出願人が、(c)に規定する期間内に要求される言語による(a)に規定する書簡を提出する求めに応じない場合には、国際予備審査において当該補正書を考慮に入れることを要しない。

第五十六規則 削除

第五十七規則 取扱手数料

57.1 支払の義務

 各国際予備審査の請求については、当該請求が提出される国際予備審査機関が徴収する国際事務局のための手数料(「取扱手数料」)を支払わなければならない。

57.2 額及び移転

  • (a) 取扱手数料の額は、手数料表に掲げるとおりとする。
  • (b) 取扱手数料は、国際予備審査機関が定める一の通貨又は二以上の通貨(以下この57.2において「所定の通貨」という。)のうちの一の通貨で支払う。
  • (c) 所定の通貨がスイス・フランである場合には、国際予備審査機関は、96.2の規定に従つて 取扱手数料をスイス・フランにより国際事務局に移転する。
  • (d) 所定の通貨が、スイス・フラン以外の通貨である場合においては、次の(i)又は(ii)に規定するとおりとする。
    • (i) 所定の通貨がスイス・フランに自由に交換することができるものであるときは、事務局長は、取扱手数料の支払のための通貨として所定の通貨を定めている各国際予備審査機関ごとに、総会が定めた指針により、所定の通貨による当該手数料の換算額を決定する。国際予備審査機関は、96.2の規定に従つて所定の通貨による当該手数料の換算額を国際事務局に移転する。
    • (ii) 所定の通貨がスイス・フランに自由に交換することができるものでないときは、国際予備審査機関は、取扱手数料を所定の通貨からスイス・フランに交換する責任を負うものとし、96.2の規定に従い、手数料表に掲げる額の当該手数料をスイス・フランにより国際事務局に移転する。また、国際予備審査機関が希望する場合には、当該国際予備審査機関は、取扱手数料を所定の通貨からユーロ又は合衆国ドルに交換し、96.2の規定に従い、(i)に規定する総会が定めた指針により事務局長が決定する当該手数料の換算額をユーロ又は合衆国ドルにより国際事務局に移転することができる。

57.3 支払期間及び支払額

  • (a) (b)及び(c)の規定に従うことを条件として、取扱手数料は、国際予備審査の請求書が提出された日から一箇月以内又は優先日から二十二箇月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に支払う。
  • (b) (c)の規定に従うことを条件に、国際予備審査の請求書が59.3の規定により国際予備審査機関に送付された場合には、取扱手数料は、当該国際予備審査機関が当該請求書を受理した日から一箇月以内又は優先日から二十二箇月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内に支払う。
  • (c) 国際予備審査機関は、69.1(b)の規定に従い、国際調査と同時に国際予備審査を開始することを希望するときは、取扱手数料を求めの日から一箇月の期間内 に支払うよう出願人に求める。
  • (d) 取扱手数料の支払額は、支払の日に適用される額とする。

57.4 払戻し

 国際予備審査機関は、次の場合には、取扱手数料を出願人に払い戻す。

  • (i) 当該国際予備審査機関が国際予備審査の請求書を国際事務局に送付する前に、国際予備審査の請求が取り下げられた場合
  • (ii) 54.4又は54の2.1(b)の規定に基づき、国際予備審査の請求が行われなかつたものとみなされた場合

第五十八規則 予備審査手数料

58.1 手数料を要求する権利

  • (a) 各国際予備審査機関は、出願人に対し、国際予備審査の実施並びに条約及びこの規則によつて国際予備審査機関に与えられたその他のすべての任務の遂行に係る手数料(「予備審査手数料」)を支払うことを要求することができる。
  • (b) 予備審査手数料の額は、国際予備審査機関が定める。予備審査手数料の支払期間及び支払額については、取扱手数料に関する57.3の規定を準用する。
  • (c) 予備審査手数料は、国際予備審査機関に直接に支払う。予備審査手数料は、国際予備審査機関が国内官庁である場合には当該国内官庁が定める通貨で、国際予備審査機関が政府間機関である場合には当該政府間機関の所在する国の通貨又はその国の通貨に自由に交換することができる通貨で支払う。

58.2 削除

58.3 払戻し

 国際予備審査機関は、国際予備審査の請求が行われなかつたものとみなされた場合に予備審査手数料として支払われた額を払い戻す範囲(該当する場合)及び条件(該当する場合)を国際事務局に通報するものとし、国際事務局は、速やかにその通報を公表する。

第五十八規則の二 手数料の支払期間の延長

58の2.1 国際予備審査機関による求め

  • (a) 国際予備審査機関は、次の場合には、これらの手数料を賄うために必要な額及び、該当するときは、58の2.2の規定に基づく後払手数料を求めの日から一箇月の期間内に支払うよう出願人に求める。
    • (i) 当該国際予備審査機関に支払われた額が取扱手数料及び予備審査手数料に不足すると認めた場合、又は
    • (ii) 57.3及び58.1(b)の規定に基づく支払時期までに手数料が当該国際予備審査機関に支払われていないと認めた場合
  • (b) 国際予備審査機関が(a)の規定に基づく求めを送付し、かつ、出願人が(a)に規定する期間内に支払うべき額(該当する場合には、58の2.2の規定に基づく後払手数料を含む。)を完全に支払わなかつた場合には、国際予備審査の請求は、(c)の規定が適用される場合を除くほか、行われなかつたものとみなし、国際予備審査機関はその旨を宣言する。
  • (c) 国際予備審査機関が(a)の規定に基づく求めを送付する前に受領した支払は、57.3又は58.1(b)に規定する期間の満了前に受領したものとみなす。
  • (d) 国際予備審査機関が(b)の規定に基づく手続を行う前に受領した支払は、(a)の規定に基づく期間の満了前に受領したものとみなす。

58の2.2 後払手数料

  • (a) 国際予備審査機関は、58の2.1(a)の規定に基づく求めに応じた手数料の支払には、後払手数料の国際予備審査機関への支払を条件とすることができる。その額は、次のとおりとする。
    • (i) 求めにおいて特定された未払の手数料の額の五十パーセント
    • (ii) (i)の規定に基づき計算された額が取扱手数料より少ない場合には、取扱手数料に等しい額
  • (b) 後払手数料の額は、取扱手数料の額の二倍を超えてはならない。

第五十九規則 管轄国際予備審査機関

59.1 第三十一条(2)(a)の規定に基づく国際予備審査の請求

  • (a) 第三十一条(2)(a)の規定に基づいて行われた国際予備審査の請求については、第二章の規定に拘束される各締約国の受理官庁又はその締約国のために行動する受理官庁は、第三十二条(2)及び(3)の関係取決めに従い、自己にされた国際出願の国際予備審査を管轄する国際予備審査機関を国際事務局に通知する。国際事務局は、その通知を速やかに公表する。二以上の国際予備審査機関が管轄する場合には、35.2の規定を準用する。
  • (b) 国際出願が19.1(a)(iii)の規定に基づいて受理官庁としての国際事務局にされた場合には、35.3の(a)及び(b)の規定を準用する。(a)の規定は、19.1(a)(iii)の規定に基づく受理官庁としての国際事務局については、適用しない。

59.2 第三十一条(2)(b)の規定に基づく国際予備審査の請求

 第三十一条(2)(b)の規定に基づいて行われた国際予備審査の請求については、総会は、いずれかの国内官庁にされた国際出願について管轄する国際予備審査機関を特定するに当たり、当該国内官庁が国際予備審査機関である場合には当該国内官庁を優先させ、当該国内官庁が国際予備審査機関でない場合には当該国内官庁が推薦する国際予備審査機関を優先させる。

59.3 管轄国際予備審査機関への国際予備審査の請求書の送付

  • (a) 国際予備審査の請求書が受理官庁、国際調査機関又は国際出願の国際予備審査を管轄しない国際予備審査機関に提出された場合には、当該官庁又は当該機関は、当該請求書に受理の日付を付し、(f)の規定に基づく手続を行うことを決定する場合を除くほか、速やかに、国際事務局に対し当該請求書を送付する。
  • (b) 国際予備審 査の請求書が国際事務局に提出された場合には、国際事務局は、当該請求書に受理の日付を付す。
  • (c) 国際予備審査の請求書が(a)の規定により国際事務局に送付され又は(b)の規定により国際事務局に提出された場合には、国際事務局は、速やかに次のことを行う。
    • (i) 一の管轄国際予備審査機関のみがある場合には、国際予備審査の請求書を当該国際予備審査機関に送付し、出願人にその旨を通知すること。
    • (ii) 二以上の管轄国際予備審査機関がある場合には、出願人に対し、54の2.1(a)に規定する期間又はその求めの日から十五日のうちいずれか遅い日までに、国際予備審査の請求書を送付すべき管轄国際予備審査機関を表示するよう求めること。
  • (d) (c)(ii)の規定に基づいて要求される表示の提出があつた場合には、国際事務局は、速やかに、出願人が表示した管轄国際予備審査機関に対して国際予備審査の請求書を送付する。表示が提出されなかつた場合には、国際予備審査の請求書は、提出されなかつたものとみなし、国際事務局は、その旨を宣言する。
  • (e) 国際予備審査の請求書は、(c)の規定に従つて管轄国際予備審査機関に送付された場合には、(a)又は(b)の規定により当該請求書に付された受理の日付の日に当該国際予備審査機関に代わつて(a)の官庁若しくは機関又は(b)の国際事務局が受理したものとみなし、送付された国際予備審査の請求書は、当該日付に当該国際予備審査機関が受理したものとみなす。
  • (f) (a)の規定により国際予備審査の請求書を提出された官庁又は機関が、当該請求書を管轄国際予備審査機関に直接送付することを決定する場合には、(c)から(e)までの規定を準用する。

第六十規則 国際予備審査の請求又は選択の欠陥

60.1 国際予備審査の請求書の欠陥

  • (a) (aの2)及び(aの3)の規定に従うことを条件として、国際予備審査の請求書が53.1、53.2(a)の(i)から(iii)まで、53.2(b)、53.3から53.8まで及び55.1に定める要件を満たしていない場合には、国際予備審査機関は、出願人に対し、事情に応じて相当の期間内に欠陥の補充をすることを求める。その期間は、求めの日から一箇月以上とするものとし、決定が行われる前はいつでも、国際予備審査機関が延長することができる。
  • (aの2) 53.4の規定の適用上、二人以上の出願人がある場合において、4.5(a)(ii)及び(iii)に規定する表示が出願人のうちの一人であつて54.2の規定により国際予備審査の請求を行うことができる者についてされているときは、十分なものとする。
  • (aの3) 53.8の規定の適用上、二人以上の出願人がある場合において、国際予備審査の請求が出願人のうちの一人により署名されているときは、十分なものとする。
  • (b) 出願人が(a)に定める期間内に(a)の求めに応ずる場合には、国際予備 審査の請求書は、提出された国際予備審査の請求書が当該国際出願を特定することができることを条件として、実際の請求日に受理されたものとみなす。その他の場合には、国際予備審査の請求書は、国際予備審査機関が(a)の補充を受領した日に受理されたものとみなす。
  • (c) 出願人が(a)に定める期間内に(a)の求めに応じない場合には、国際予備審査の請求は、行われなかつたものとみなし、国際予備審査機関は、その旨を宣言する。
  • (d) 削除
  • (e) 国際事務局は、欠陥を発見した場合には、その欠陥について国際予備審査機関の注意を喚 起するものとし、国際予備審査機関は、(a)から(c)までに定めるところによつて処理する。
  • (f) 国際予備審査の請求書が補正に関する記述を含んでいない場合には、国際予備審査機関は、66.1及び69.1(a)又は(b)の定めるところによつて処理する。
  • (g) 補正に関する記述が第三十四条の規定に基づく補正書を国際予備審査の請求書とともに提出する旨の表示(53.9(c))を含んでいるがそのような補正書が実際には提出されていない場合には、国際予備審査機関は、出願人に対し指定した期間内に補正書を提出することを求め、かつ、69.1(e)の定めるところによつて処理する。

第六十一規則 国際予備審査の請求及び選択の通知

61.1 国際事務局及び出願人への通知

  • (a) 国際予備審査機関は、国際予備審査の請求書に受理の日又は、該当する場合には、60.1(b)に規定する日を表示する。国際予備審査機関は、当該請求書を国際事務局に速やかに送付し及びその写しを一件書類に保存し、又はその写しを国際事務局に送付し及び当該請求書を一件書類に保存する。
  • (b) 国際予備審査機関は、出願人に対し、国際予備審査の請求書の受理の日を速やかに通知する。国際予備審査の請求が54.4、55.2(d)、58の2.1(b)若しくは60.1(c)の規定により行われなかつたものとみなされた場合には、国際予備審査機関は、出願人及び国際事務局に対しその旨を通知する。

61.2 選択官庁への通知

  • (a) 第三十一条(7)の通知は、国際事務局が行う。
  • (b) (a)の通知には、国際出願番号、国際出願日、出願人の氏名又は名称、優先権の主張の基礎となる出願の日(優先権の主張を伴う場合に限る。)、及び国際予備審査の請求書の国際予備審査機関による受理の日を表示する。
  • (c) (a)の通知は、第二十条に規定する送達とともに選択官庁に送付する。その送達の後に行われた選択は、その選択が行われた後速やかに通知する。
  • (d) 出願人が、国際出願の国際公開前に第四十条(2)の規定に基づき選択官庁に明示の請求を行つた場合には、国際事務局は出願人又は選択官庁の請求により、当該選択官庁に第二十条に規定する送達を速やかに行う。

61.3 出願人への通報

 国際事務局は、出願人に対し、61.2にいう通知及び第三十一条(7)の規定により通知を受けた選択官庁を書面で通知する。

61.4 公報への掲載

 国際事務局は、国際予備審査の請求書の提出の後であつてその国際出願が国際公開された後速やかに、実施細則の定めるところにより、国際予備審査の請求書及び選択国に関する情報を公報に掲載する。

第六十二規則 国際予備審査機関のための国際調査機関の書面による見解及び第十九条の規定に基づく補正書の写し

62.1 国際調査機関の書面による見解と国際予備審査の請求書が提出される前にする補正の写し

 国際予備審査機関から国際予備審査の請求書又はその写しを受領した時は、国際事務局は、次のものを国際予備審査機関に速やかに送付する。

  • (i) 43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解の写し。ただし、国際調査機関として行動した国内官庁又は政府間機関が国際予備審査機関として行動する場合を除く。
  • (ii) 第十九条の規定に基づく補正書の写し、同条に規定する説明書の写し及び46.5(b)の規定に従つて要求される書簡の写し。ただし、当該国際予備審査機関が既にその写しを受領した旨を表示した場合には、この限りでない。

62.2 国際予備審査の請求書が提出された後にする補正

 第十九条の規定に基づく補正書の提出の時に国際予備審査の請求書が既に提出されている場合には、出願人は、その補正書を国際事務局に提出すると同時にその写し、同条に規定する説明書の写し及び46.5(b)の規定に従つて要求される書簡の写しを国際予備審査機関にも提出することが望ましい。いかなる場合にも、国際事務局は、そのような補正書の写し、説明書の写し及び書簡の写しを当該国際予備審査機関に速やかに送付する。

第六十二規則の二 国際調査機関の書面による見解の国際予備審査機関のための翻訳

62の2.1 翻訳及び意見

  • (a) 43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解が、英語又は当該国際予備審査機関が認める言語でない場合には、国際予備審査機関の請求により、国際事務局の責任において英語に翻訳される。
  • (b) 国際事務局は、翻訳の請求を受理した日から二箇月以内に、当該翻訳文の写しを国際予備審査機関に送付すると同時に出願人に送付する。
  • (c) 出願人は、翻訳文の正確性について書面による意見を作成することができ、その写しを国際予備審査機関及び国際事務局に送付する。

第六十三規則 国際予備審査機関の最小限の要件

63.1最小限の要件の定義

 第三十二条(3)に規定する最小限の要件は、次のとおりとする。

  • (i) 国内官庁又は政府間機関は、審査を行うために十分な技術的資格を備えた常勤の従業者を百人以上有していなければならない。
  • (ii) 国内官庁又は政府間機関は、少なくとも、審査の目的のために適正に整備された第三十四規則に定める最小限資料を容易に利用することができるようにしておかなければならない。
  • (iii) 国内官庁又は政府間機関は、所要の技術分野について審査することができる職員であつて少なくとも第三十四規則に定める最小限資料が作成され又は翻訳された言語を理解する語学力を有するものを有していなければならない。
  • (iv) 国内官庁又は政府間機関は、国際予備審査の一般原則に従い調査の質の管理制度及び内部における検討制度を設ける。
  • (v) 国内官庁又は政府間機関は、国際調査機関として選定されていなければならない。

第六十四規則 国際予備審査における先行技術

64.1 先行技術

  • (a) 第三十三条(2)及び(3)の規定の適用上、世界のいずれかの場所において書面による開示(図面その他の図解を含む。)によつて公衆が利用することができるようにされているすべてのものは、先行技術とする。ただし、公衆が利用することができるようにされたことが基準日前に生じていることを条件とする。
  • (b) (a)の規定の適用上、基準日は、次の日とする。
    • (i) (ii)及び (iii)の規定が適用される場合を除くほか、当該国際予備審査の対象である国際出願の国際出願日
    • (ii) 当該国際予備審査の対象である国際出願が先の出願に基づく優先権の主張を伴い、国際出願日が当該優先期間内である場合には、国際予備審査機関が当該優先権の主張を有効でないと判断した場合を除くほか、先の出願の日
    • (iii) 当該国際予備審査の対象である国際出願が先の出願に基づく優先権の主張を伴い、国際出願日が当該優先期間の満了の日の後であるが、当該満了の日から二箇月の期間内である場合には、国際予備審査機関が、当該国際出願の国際出願日が当該満了の日の後であるという理由以外で当該優先権の主張を有効でないと判断した場合を除くほか、先の出願の日

64.2 書面による開示以外の開示

 口頭による開示、使用、展示その他の書面による開示以外の手段( 「書面による開示以外の開示」 )によつて公衆が利用することができるようにされたことが64.1(b)に定める基準日前に生じていた場合において、書面による開示以外の開示の日付がその基準日と同じ日又はその後に公衆が利用することができるようにされた書面による開示に記載されているときは、当該書面による開示以外の開示は、第三十三条(2)及び(3)の規定の適用上、先行技術の一部とはしない。もつとも、国際予備審査報告においては、当該書面による開示以外の開示につき70.9に定める方法によつて注意を喚起する。

64.3 ある種の公表された文書

 64.1に定める基準日前に出願されており又はその基準日前にされた先の出願に基づく優先権の主張を伴つている出願又は特許であつて、その基準日と同じ日又はその後に公表されたものは、その基準日前に公表されたとしたならば第三十三条(2)及び(3)の規定の適用上先行技術を構成したであろうとされるものである場合においても、同条(2)及び(3)の規定の適用上、先行技術の一部とはしない。もつとも、国際予備審査報告においては、当該出願又は当該特許につき70.10に定める方法によつて注意を喚起する。

第六十五規則 進歩性又は自明のものではないこと

65.1 先行技術との関係

 第三十三条(3)の規定の適用上、国際予備審査においては、個々の請求の範囲と先行技術全体との関係に考慮を払う。国際予備審査においては、請求の範囲と個々の文献又はその抜粋との関係のみでなく、個々の文献又はその抜粋の結合が当該技術分野の専門家にとつて自明である場合には、請求の範囲とそのような結合との関係についても考慮を払う。

65.2 基準日

 第三十三条(3)の規定の適用上、進歩性(自明のものではないこと)の判断についての基準日は、64.1に定める日とする。

第六十六規則 国際予備審査機関における手続

66.1 国際予備審査の基礎

  • (a) 国際予備審査は、(b)から(d)までの規定に従うことを条件として、出願時における国際出願に基づき行う。
  • (b) 出願人は、国際予備審査の請求書の提出の時又は66.4の2の規定に従うことを条件として国際予備審査報告が作成されるまでの間、第三十四条の規定に基づく補正書を提出することができる。
  • (c) 国際予備審査の請求書が提出される前にする第十九条の規定に基づく補正は、第三十四条の規定に基づく補正により差し替えられ又は取り消されたものとみなされる場合を除くほか、国際予備審査のために考慮に入れる。
  • (d) 国際予備審査の請求書が提出された後にする第十九条の規定に基づく補正及び国際予備審査機関に対してする第三十四条の規定に基づく補正は、66.4の2の規定に従うことを条件として、国際予備審査のために考慮に入れる。
  • (dの2) 国際予備審査機関は、66.4の2の規定に従うことを条件として、91.1の規定に基づき許可された明白な誤記の訂正を国際予備審査のために考慮に入れる。
  • (e) 国際調査報告が作成されていない発明に関する請求の範囲は、国際予備審査の対象とすることを必要としない。

66.1の2 国際調査機関の書面による見解

  • (a) (b)の規定に従うことを条件として、43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解は、66.2(a)の規定の適用上、国際予備審査機関の書面による見解とみなされる。
  • (b) 国際予備審査機関は、特定の国際調査機関が43の2.1の規定に基づき作成した書面による見解について、(a)の規定がその国際予備審査機関における手続については適用されないことを国際事務局に通告することができる。ただし、この通告は、国際調査機関として行動する国内官庁又は政府間機関が、国際予備審査機関として行動する場合には適用しない。国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する。
  • (c) 国際予備審査機関は、(b)の規定による通告により、43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解が、66.2(a)の規定の適用上、国際予備審査機関の書面による見解とみなされない場合には、出願人にその旨を書面で通知する。
  • (d) 43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解は、(b)の規定による通告に基づき、66.2(a)の適用上、国際予備審査機関の書面による見解とみなされない場合であつて も、66.2(a)の規定による手続において国際予備審査機関により考慮される。

66.1の3 トップアップ調査

 国際予備審査機関は、調査が何ら有益な目的に資さないと考えるものでない限り、国際調査報告を作成した日の後に発行された又は当該国際予備審査機関が調査のために利用可能となった第六十四規則に規定する文献を発見するための調査(以下、「トップアップ調査」という。)を行う。国際予備審査機関が第三十四条(3)若しくは(4)又は66.1(e)に規定するいずれかの事由があると認めた場合には、トップアップ調査は、国際出願のうち国際予備審査の対象となる部分のみについて行う。

66.2 国際予備審査機関の書面による見解

  • (a) 国際予備審査機関は、次のいずれかの場合には、出願人にその旨を書面で通知する。
    • (i) 当該国際予備審査機関が、第三十四条(4)に規定するいずれかの事由があると認めた場合
    • (ii) 当該国際予備審査機関が、いずれかの請求の範囲に記載されている発明が新規性を有するもの、進歩性を有するもの(自明のものではないもの)又は産業上の利用可能性を有するものとは認められないため、当該請求の範囲について国際予備審査報告が否定的となると認めた場合
    • (iii) 当該国際予備審査機関が、国際出願の形式又は内容に条約又はこの規則に定める欠陥があると認めた場合
    • (iv) 当該国際予備審査機関が、補正が出願時における国際出願の開示の範囲を超えてされたものと認めた場合
    • (v) 当該国際予備審査機関が、請求の範囲、明細書及び図面の明瞭性又は請求の範囲が明細書により十分な裏付けをされているかいないかの問題についての意見を国際予備審査報告に付することを希望した場合
    • (vi) 当該国際予備審査機関が、請求の範囲が国際調査報告の作成されていない発明に関するものであると認め、かつ、その請求の範囲について国際予備審査を行わないことを決定した場合
    • (vii) 国際予備審査機関が、有意義な国際予備審査を行うことができる形式でヌクレオチド又はアミノ酸の配列リストを入手することができないと認めた場合
    •  国際予備審査機関として行動する国内官庁に係る国の国内法令が、多数従属請求の範囲を6.4(a)の第二文及び第三文の請求の範囲の記述方法と異なる方法で起草することを認めない場合において、6.4(a)の当該請求の範囲の記述方法が用いられないときは、国際予備審査機関は、第三十四条(4)(b)の規定を適用することができる。この場合においては、当該国際予備審査機関は、出願人にその旨を書面で通知する。
  • (b) (a)の通知には、国際予備審査機関の見解の根拠を十分に記述する。
  • (c) (a)の通知においては、答弁書及び、適当な場合には、補正書を提出することを出願人に求める。
  • (d) (a)の通知には、答弁のための期間として、事情に応じて相当の期間を指定する。指定する期間は、通常、通知の日の後二箇月とし、いかなる場合にも、通知の日の後一箇月未満であつてはならない。指定する期間は、通知と同時に国際調査報告が送付される場合には、通知の日の後二箇月以上とし、(e)の規定に従うことを条件として、通知の日の後三箇月を超えてはならない。
  • (e) (a)の通知に答弁をするための期間は、出願人が期間の満了前に延長する旨を請求した場合には、延長することができる。

66.3 国際予備審査機関に対する正式の答弁

  • (a) 出願人は、補正をすることにより若しくは、国際予備審査機関の見解に同意しない場合には、抗弁を提出することにより又はその双方を行うことにより、66.2(c)に規定する国際予備審査機関の求めに対して答弁をすることができる。
  • (b) (a)の答弁は、国際予備審査機関に直接に提出する。

66.4 補正書又は抗弁を提出するための追加の機会

  • (a) 国際予備審査機関は、希望するときは、追加の書面による見解を示すことができるものとし、66.2及び66.3の規定は、この場合についても適用する。
  • (b) 国際予備審査機関は、出願人の請求により、出願人に対し、補正書又は抗弁を提出する一又は二以上の追加の機会を与えることができる。

66.4の2 補正書、抗弁又は明白な誤記の訂正の考慮

 国際予備審査機関は、書面による見解又は国際予備審査報告の作成を開始した後に補正書、抗弁、又は明白な誤記の訂正を受理し、許可し、又は当該機関に対して通知された場合には、書面による見解又は国際予備審査報告のために当該補正書、抗弁、又は明白な誤記の訂正を考慮に入れることを必要としない。

66.5 補正

 請求の範囲、明細書又は図面についてのいかなる変更(請求の範囲、明細書中の特定の箇所及び特定の図面の削除を含むものとし、明白な誤記の訂正を除く。)も、補正とする。

66.6 出願人との非公式の連絡

 国際予備審査機関は、電話、書面又は面談により、随時、出願人と非公式の連絡をすることができる。国際予備審査機関は、その裁量により、出願人が請求する場合に二回以上の面談を認めるかどうか又は出願人からの書面による非公式の連絡に対して回答するかどうかを決定する。

66.7 優先権主張の基礎となる先の出願の写し及び翻訳文

  • (a) 国際予備審査機関が優先権の主張を伴う国際出願についてその主張の基礎となる先の出願の写しを必要とする場合には、国際事務局は、要請により、速やかにその写しを送付する。その写しが、出願人が 17.1の要件を満たさないために国際予備審査機関に提出されない場合であつて、かつ当該先の出願が国内官庁としての権限を有する当該国際予備審査機関に出願されていない又は優先権書類を当該国際予備審査機関が実施細則に従い電子図書館から入手することができない場合には、国際予備審査報告は、優先権の主張がされなかつたものとして作成することができる。
  • (b) 優先権の主張を伴う国際出願についてその主張の基礎となる出願の言語が国際予備審査機関の特定する言語以外の言語である場合において、優先権の主張の有効性が第三十三条(1)に規定する見解を示すことに関連するときには、当該国際予備審査機関は、出願人に対し、求めの日から二箇月以内に当該国際予備審査機関の特定する言語のうち一の言語による翻訳文を提出することを求めることができる。その翻訳文が当該期間内に提出されない場合には、国際予備審査報告は、優先権の主張がなされなかつたものとして作成することができる。

66.8 補正書の形式

  • (a) (b)の規定が適用される場合を除くほか、出願人は、 明細書又は図面を補正する場合には、 補正のため、先に提出した用紙と異なる国際出願のすべての用紙について差替え用紙を提出しなければならない。差替え用紙には、差し替えられる用紙と差替え用紙との相違について注意を喚起する書簡を添付する。当該書簡においては、出願時における国際出願中の補正の根拠を表示するものとし、また、補正の理由を説明することが望ましい。
  • (b) 補正が一部の箇所の削除又は軽微な訂正若しくは追加である場合には、国際出願の関係する用紙の明瞭さ及び直接複製に悪影響を及ぼさないことを条件として、その用紙の写しに訂正又は追加をしたものを(a)に規定する差替え用紙とすることができる。補正により一の用紙の全体が削除されることとなる場合には、当該補正は、書簡によつて通知し、また、その書簡において当該補正の理由を説明することが望ましい。
  • (c) 請求の範囲を補正する場合には、46.5の規定を準用する。この(c)の規定によつて準用する 46.5の規定に基づき提出された一式の請求の範囲は、最初に提出し、又は先に第十九条若しくは第三十四条の規定に基づいて補正したすべての請求の範囲と差し替える。

第六十七規則 第三十四条(4)(a)(i)に規定する国際出願の対象

67.1 定義

 国際予備審査機関は、国際出願の対象の全部又は一部が次のいずれかである場合には、当該国際出願の全部又は一部について国際予備審査を行うことを要しない。

  • (i) 科学及び数学の理論
  • (ii) 植物及び動物の品種又は植物及び動物の生産の本質的に生物学的な方法。ただし、微生物学的方法及び微生物学的方法による生産物については、この限りでない。
  • (iii) 事業活動、純粋に精神的な行為の遂行又は遊戯に関する計画、法則又は方法
  • (iv) 手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法及び人体又は動物の体の診断方法
  • (v) 情報の単なる提示
  • (vi) コンピューター・プログラムのうち国際予備審査機関が当該プログラムについて国際予備審査を行う態勢にある範囲外のもの

第六十八規則 発明の単一性の欠如(国際予備審査)

68.1 減縮又は支払を求めない場合

 国際予備審査機関は、発明の単一性の要件が満たされていないと認めた場合において、請求の範囲を減縮し又は追加手数料を支払うことを出願人に求めないときは、第三十四条(4)(b)及び66.1(e)の規定に従うことを条件として、国際出願の全体について国際予備審査を進めるものとし、書面による見解及び国際予備審査報告において発明の単一性の要件を満たしていないと認めた旨を表示し及びその理由を明記する。

68.2 減縮又は支払を求める場合

 国際予備審査機関は、発明の単一性の要件が満たされていないと認めた場合において、出願人の選択により請求の範囲を減縮し又は追加手数料を支払うことを出願人に求めるときは、その求めは、次のとおりとする。

  • (i) 国際予備審査機関の見解によれば該当する要件が満たされることとなる減縮の少なくとも一の可能性を明示する。
  • (ii) 国際出願が発明の単一性の要件を満たしているとは認められない理由を明記する。
  • (iii) その求めの日から一箇月以内に応じるよう出願人に求める。
  • (iv) 出願人が選択する場合には、支払うべき必要な追加手数料の額を表示する。
  • (v) 該当する場合には、出願人に対し、68.3(e)に規定する異議申立手数料をその求めの日から一箇月以内に支払うよう出願人に求め、及び、支払うべき手数料の額を表示する。

68.3 追加手数料

  • (a) 第三十四条(3)(a)の規定に従って国際予備審査のために支払うべき追加手数料の額は、管轄国際予備審査機関が定める。
  • (b) 第三十四条(3)(a)の規定に従って国際予備審査のために支払うべき追加手数料は、国際予備審査機関に直接に支払う。
  • (c) 出願人は、異議を申し立てて、すなわち、国際出願が発明の単一性の要件を満たしている旨又は要求された追加手数料の額が過大である旨の理由を示した陳述書を添付して、追加手数料を支払うことができる。異議は、国際予備審査機関の枠組みにおいて設置される検査機関が審理するものとし、この機関は、異議を正当と認める限度において追加手数料の全部又は一部を出願人に払い戻すことを命ずる。異議及び当該異議についての決定の書面は、出願人の請求により、国際予備審査報告の附属書類として選択官庁に通知する。
  • (d) (c)に規定する検査機関の構成員には、異議の対象となった決定をした者を含めることができるが、これに限定してはならない。
  • (e) 国際予備審査機関は、(c)に規定する異議の審理には、異議申立手数料の国際予備審査機関への支払を条件とすることができる。出願人が68.2(v)に規定する期間内に要求される異議申立手数料を支払わなかった場合には、その異議申立ては、行われなかったものとみなし、国際予備審査機関はその旨を宣言する。(c)に規定する検査機関がその異議を完全に正当と認めた場合には、異議申立手数料は、出願人に払い戻す。

68.4 請求の範囲の不十分な減縮の場合の手続

 出願人が請求の範囲を減縮した場合において、発明の単一性の要件が満たされるに至らないときは、国際予備審査機関は、第三十四条(3)(c)の定めるところにより手続をとる。

68.5 主発明

 第三十四条(3)(c)の規定の適用上、いずれの発明が主発明であるか疑わしい場合には、請求の範囲に最初に記載されている発明を主発明とみなす。

第六十九規則 国際予備審査の開始及び国際予備審査のための期間

69.1 国際予備審査の開始

  • (a) (b)から(e)までの規定に従うことを条件として、国際予備審査機関は、次の全てを受領した場合には、国際予備審査を開始する。ただし、出願人が54の2.1(a)に規定する期間の満了する時まで国際予備審査の開始を延期するよう明示的に請求したときは、この限りではない。
    • (i) 国際予備審査の請求書
    • (ii) 取扱手数料及び予備審査手数料の支払うべき額の全額(該当する場合には、58の2.2の規定に基づく後払手数料を含む。
    • (iii) 国際調査報告又は第十七条(2)(a)に基づき国際調査報告を作成しない旨の国際調査機関による宣言のいずれか及び43の2.1の規定に基づき作成された書面による見解
  • (b) 国際調査機関として行動する国内官庁又は政府間機関が国際予備審査機関としても行動する場合には、国際予備審査は、その国内官庁又は政府間機関が希望するときは、(d)及び(e)の規定に従うことを条件として、国際調査と同時に開始することができる。
  • (bの2) 国際調査機関及び国際予備審査機関として行動する国内官庁又は政府間機関が、(b)の規定に従い国際調査と同時に国際予備審査を開始することを希望し、かつ、第三十四条(2)(c)(i)から(iii)の全ての条件が満たされていると認める場合には、その国内官庁又は政府間機関は、国際調査機関として、43の2.1の規定に基づく書面による見解を作成することを必要としない。
  • (c) 補正に関する記述が第十九条の規定に基づく補正を考慮することを希望する旨の表示(53.9(a)(i))を含む場合には、国際予備審査機関は、その補正書の写しを受領する前に国際予備審査を開始しない。
  • (d) 補正に関する記述が国際予備審査の開始を延期することを希望する旨の表示(53.9(b))を含む場合には、国際予備審査機関は、次のいずれかが最初に生じるまでは、国際予備審査を開始しない。
    • (i) 当該国際予備審査機関が、第十九条の規定に基づく補正書の写しを受領すること。
    • (ii) 当該国際予備審査機関が、第十九条の規定に基づく補正をすることを希望しない旨の通知を出願人から受領すること。
    • (iii) 46.1 に規定する期間を経過すること。
  • (e) 補正に関する記述が第三十四条の規定に基づく補正書を国際予備審査の請求書とともに提出する旨の表示(53.9(c))を含んでいるがそのような補正書が実際には提出されていない場合には、国際予備審査機関は、補正書の受領又は60.1(g)に規定する求めに定めた期間の満了のいずれかが先に生じるまでは、国際予備審査を開始しない。

69.2 国際予備審査のための期間

 国際予備審査報告を作成するための期間は、次の期間のうち最も遅く満了する期間とする。

  • (i) 優先日から二十八箇月
  • (ii) 69.1に規定する国際予備審査の開始の時から六箇月
  • (iii) 55.2の規定に従って提出された翻訳文を国際予備審査機関が受理した日から六箇月
弁理士試験が扱う条約一覧