特許協力条約に基づく規則(PCT規則)

(2025年7月1日発効)

第七十規則 国際予備審査機関による特許性に関する国際予備報告(国際予備審査報告)

70.1 定義

 この第七十規則の規定の適用上、「報告」とは、国際予備審査報告をいう。

70.2 報告の基礎

  • (a) 請求の範囲について補正がされた場合には、報告は、補正後の請求の範囲に基づいて作成する。
  • (b) 66.7(a)又は(b)の規定に従い優先権の主張がされなかつたものとして報告を作成する場合には、報告には、その旨を表示する。
  • (c) 国際予備審査機関が、補正が出願時における国際出願の開示の範囲を超えてされたものと認める場合は、報告は、その補正がされなかつたものとして作成するものとし、報告には、その旨及びその開示の範囲を超えてされた補正と認める理由を表示する。
  • (cの2) 請求の範囲、明細書又は図面についての補正が行われた場合であつても、出願時における国際出願中の補正の根拠を表示する書簡であつて、46.5(b)(iii)の規定、66.8(a)の規定によつて準用する46.5(b)(iii)の規定又は66.8(c)の規定に基づき要求されるものが差替え用紙に添付されていないときは、報告は、その補正が行われなかつたものとして作成することができる。この場合において、報告には、その旨を表示する。
  • (d) 請求の範囲が国際調査報告の作成されていない発明に関する場合であつて、そのため国際予備審査の対象とならないときは、報告にその旨を表示する。
  • (e) 66.1の規定に基づき明白な誤記の訂正が考慮に入れられる場合には、国際予備審査報告にその旨を表示する。66.4の2の規定に従い明白な誤記の訂正を考慮に入れない場合には、可能なときは国際予備審査報告にその旨を表示し、表示がない場合には、国際予備審査機関は国際事務局にその旨を通知し、国際事務局は、実施細則に定めるところによつて処理する。
  • (f) 報告には、66.1の3の規定に基づくトップアップ調査が行われた日を記載し、又はトップアップ調査が行われなかった旨を記述する。

70.3 表示

 報告には、報告を作成した国際予備審査機関をその国際予備審査機関の名称を記載することにより、当該国際出願を国際出願番号、出願人の氏名又は名称及び国際出願日を記載することによつて特定する。

70.4 日付

 報告には、次の日付を表示する。

  • (i) 国際予備審査の請求書が提出された日付
  • (ii) 報告の日付。この日付は、報告を完成した日付とする。

70.5 分類

  • (a) 報告には、43.3の規定に従つて付与された分類に国際予備審査機関が同意する場合には、その分類を表示する。
  • (b) その他の場合には、国際予備審査機関は、少なくとも国際特許分類に従つて、正しいと認める分類を報告に表示する。

70.6 第三十五条(2)の記述

  • (a) 第三十五条(2)の記述は、「是」若しくは「非」の語、報告の言語におけるこれらの同義語又は実施細則で定める適当な記号から成るものとし、その記述には、該当する場合には、列記、説明及び第三十五条(2)の末文の意見を付する。
  • (b) 第三十五条(2)に規定する三の基準(新規性、進歩性(自明のものではないこと)及び産業上の利用可能性)のいずれかに適合していない場合には、(a)の記述は、否定的なものとする。この場合において、いずれかの基準に適合しているときは、報告には、その適合している基準を明記する。

70.7 第三十五条(2)の列記

  • (a) 報告には、第三十五条(2)の規定に従つて行われる記述を裏付けるため関連のあると認められる文献を、当該文献が国際調査報告で引用されているか否かを問わず、列記する。国際調査報告で引用されている文献は、国際予備審査機関により関連があると認められた場合にのみ国際予備審査報告に列記する必要がある。
  • (b) 43.5(b)及び(e)の規定は、報告についても適用する。

70.8 第三十五条(2)の説明

 実施細則には、第三十五条(2)の説明を付し又は付さない場合及びその説明の形式についての指針を含める。この指針は、次の原則に基づくものとする。

  • (i) いずれかの請求の範囲についての記述が否定的なものである場合には、説明を付する。
  • (ii) 記述が肯定的なものである場合には、列記された文献を調査することによりその文献を列記した理由を容易に推測することができる場合を除くほか、説明を付する。
  • (iii) 一般に、70.6(b)の末文の場合には、説明を付する。

70.9 書面による開示以外の開示

 64.2の規定により報告において言及する書面による開示以外の開示については、その種類、当該書面による開示以外の開示に言及している書面による開示を公衆が利用することができるようになつた日付及び当該書面による開示以外の開示が公然行われた日付を表示する。

70.10 ある種の公表された文書

 報告において64.3の規定により言及する公表された出願又は特許については、そのような出願又は特許として明記するものとし、その公表の日、出願の日及び、該当する場合には、主張する優先日を表示する。当該文書に係る優先日に関しては、報告には、国際予備審査機関の見解によればその優先日の主張が有効にされていない旨を表示することができる。

70.11 補正の表示

 国際予備審査機関に対し補正書が提出された場合には、その事実は、報告に表示する。補正により一の用紙の全体が削除されることとなる場合には、その事実も報告に明記する。

70.12 欠陥その他の事項の表示

 国際予備審査機関は、報告を作成する際に、

  • (i) 国際出願に66.2(a)(iii)の欠陥が含まれていると認める場合には、報告にその旨の見解及びその根拠を記載する。
  • (ii) 国際出願が66.2(a)(v)の意 見を要すると認める場合には、報告にその旨の見解を記載することができるものとし、この場合においては、報告にその見解の根拠をも記載する。
  • (iii) 第三十四条(4)に規定する事由があると認める場合には、報告にその旨の見解及びその理由を記載する。
  • (iv) 有意義な国際予備審査を行うことができる形式でヌクレオチド又はアミノ酸の配列リストを入手することができないと認める場合には、報告にその旨を記載する。

70.13 発明の単一性に関する注釈

 出願人が国際予備審査のための追加手数料を支払つた場合又は国際出願若しくは国際予備審査が第三十四条(3)の規定に従つて減縮された場合には、報告には、その旨を表示する。更に、国際予備審査が減縮された請求の範囲(同条(3)(a))につき又は主発明(同条(3)(c))のみについて行われた場合には、報告には、国際出願について国際予備審査の対象となつた部分及び対象とならなかつた部分を表示する。国際予備審査機関が請求の範囲を減縮し又は追加手数料を支払うことを出願人に求めない場合には、報告には、68.1に規定する表示を記載する。

70.14 権限のある職員

 報告には、その報告について責任を有する国際予備審査機関の職員の氏名を表示する。

70.15 様式、表題

  • (a) 報告の様式上の要件は、実施細則で定める。
  • (b) 報告には「特許性に関する国際予備報告(特許協力条約第二章)」という表題及び国際予備審査機関が作成した国際予備審査報告である旨の表示を付す。

70.16 報告の附属書類

  • (a) 次の差替え用紙及び書簡は、報告に附属書類として添付する。ただし、(i)から(iii)までに規定する差替え用紙については、後の差替え用紙又は66.8(b)の規定に基づき用紙の全体を削除することとなる補正によつて差し替えられたもの又は取り消されたとみなすものを除く。
    • (i) 第三十四条の規定に基づく補正を含む66.8に規定する差替え用紙並びに66.8(a)及び66.8(b)に規定する書簡並びに66.8(c)の規定によつて準用する46.5(b)に規定する書簡
    • (ii) 第十九条の規定に基づく補正を含む46.5に規定する差替え用紙及び46.5に規定する書簡
    • (iii) 91.2の規定によつて準用する26.4に規定する差替え用紙であつて91.1(b)(iii)に規定する国際予備審査機関によつて許可された明白な誤記の訂正を含むもの及び91.2の規定によつて準用する26.4に規定する書簡
    • (iv) 報告が70.2(e)に規定する表示を含む場合には、66.4の2の規定に従つて考慮しない明白な誤記の訂正に関する用紙及び書簡
  • (b) 次の場合には、(a)の規定にかかわらず、(a)に規定する差替え用紙であつて、差し替えられ、又は取り消されたもの及び(a)に規定する書簡であつて、当該差 し替えられ、又は取り消された差替え用紙に関するものについても、報告に附属書類として添付する。この場合には、当該差し替えられ、又は取り消された差替え用紙には、実施細則が定める記入をする。
    • (i) 国際予備審査機関が、関連する差し替えようとし、又は取り消そうとする補正を出願時における国際出願の開示の範囲を超えてされるものと認め、かつ、報告が70.2(c)に規定する表示を含むものと認める場合
    • (ii) 出願時における国際出願中の補正の根拠を表示する書簡が、関連する差し替えようとし、又は取り消そうとする補正に添付されておらず、かつ、報告がその補正を行わなかつたものとして作成され、及び70.2(cの2)に規定する表示を含む場合

70.17 報告及び附属書類の言語

 報告及び附属書類は、当該国際出願の国際公開に用いられる言語又は国際予備審査が55.2の規定に基づき国際出願の翻訳文に基づいて行われる場合には当該翻訳文の言語で作成する。

第七十一規則 国際予備審査報告及び関連書類の送付

71.1 受取人

  • (a) 国際予備審査機関は、国際予備審査報告及び、該当する場合には、附属書類を国際事務局及び出願人に各一通同一の日に送付す る。
  • (b) 国際予備審査機関は、実施細則に従つて、国際予備審査の一件書類中その他の書類の写しを国際事務局に送付する。

71.2 列記された文献の写し

  • (a) 第三十六条(4)の請求は、当該国際予備審査報告に係る国際出願の国際出願日から七年の期間いつでも行うことができる。
  • (b) 国際予備審査機関は、(a)の請求を行つた当事者(出願人又は選択官庁)に対し、写しの作成及び郵便に係る費用を支払うことを要求することができる。写しの作成に係る費用は、当該国際予備審査機関と国際事務局との間に締結される第三十二条(2)に規定する取決めで定める。
  • (c) 削除
  • (d) 国際予備審査機関は、自己に対して責任を負う他の機関を通じて(a)及び(b)に定める任務を遂行することができる。

第七十二規則 国際予備審査報告及び国際調査機関の書面による見解の翻訳

72.1 言語

  • (a) 選択国は、自国の国内官庁の公用語以外の言語で作成された国際予備審査報告を英語に翻訳することを要求することができる。
  • (b) (a)の要求は、国際事務局に通知するものとし、国際事務局は、その要求を速やかに公報に掲載する。

72.2 出願人のための翻訳文の写し

 国際事務局は、72.1(a)の規定に基づく国際予備審査報告の翻訳文の写しを、関係選択官庁に当該翻訳文を送達すると同時に出願人に送付する。

72.2の2 43の2.1の規定に基づき作成された国際調査機関の書面による見解の翻訳

 73.2(b)(ii)に規定する場合には、43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解は、関係選択官庁の要求により、国際事務局によつて又はその責任において英語に翻訳される。国際事務局は、翻訳の要求を受領した日から二箇月以内に、翻訳文の写しを関係選択官庁に送付すると同時に、その写しを出願人に送付する。

72.3 翻訳に関する意見

 出願人は、国際予備審査報告の翻訳文又は規則43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解の翻訳文の正確性について書面による意見を作成することができるものとし、その書面による意見の写しを各関係選択官庁及び国際事務局に各一通送付する。

第七十三規則 生物材料に係る発明

73.1 写しの作成

 国際事務局は、第三十六条(3)(a)の規定に従つて送達すべき文書の写しを作成する。

73.2 選択官庁への送達

  • (a) 国際事務局は、第三十六条(3)(a)に規定する送達を93の2.1の規定に従い各選択官庁に対し行う。ただし、優先日から三十箇月を経過する前であつてはならない。
  • (b) 出願人が、第四十条(2)の規定に基づき選択官庁に明示の請求を行つた場合には、国際事務局は、選択官庁又は出願人の請求によつて、
    • (i) 国際予備審査報告が、71.1の規定に基づき既に国際事務局に送付されている場合には、当該選択官庁に対し第三十六条(3)(a)に規定する送達を速やかに行う。
    • (ii) 国際予備審査報告が、71.1の規定に基づく国際事務局への送付がされていない場合には、当該選択官庁に対し43の2.1の規定に基づき国際調査機関が作成した書面による見解の写しの送達を速やかに行う。
  • (c) 出願人が国際予備審査の請求又は選択の一部又は全部を取り下げた場合にもかかわらず、国際事務局が国際予備審査報告を受領していた場合、(a)に規定する送達は選択官庁又は取下げの影響を受ける官庁に対して行われる。

第七十四規則 国際予備審査報告の附属書類の翻訳文及びその送付

74.1 翻訳文の内容及び翻訳文の送付のための期間

  • (a) 第三十九条(1)の規定に基づき選択官庁が国際出願の翻訳文の提出を要求する場合には、70.16の差替え用紙であつて国際予備審査報告に添付するものが要求される国際出願の翻訳文の言語でない限り、出願人は、第三十九条(1)に規定する期間内に当該差替え用紙の翻訳文を送付する。当該送付のための期間と同一の期間は、第六十四条(2)(a)(i)の規定に基づく宣言が行われたため、第二十二条に規定する期間内に選択官庁に対する国際出願の翻訳文の提出が行われなければならない場合にも適用する。
  • (b) 選択官庁が第三十九条(1)の規定に基づく国際出願の翻訳文の提出を要求しない場合には、当該選択官庁は、出願人に対し、第三十九条(1)に規定する期間内に70.16の差替え用紙であつて、国際予備審査報告に添付し、かつ、国際出願の国際公開に用いられる言語によらないものにつき、国際出願の国際公開に用いられる言語による翻訳文を提出するよう要求することができる。

第七十五規則 削除

第七十六規則 優先権書類の翻訳文、選択官庁における手続への規則の準用

76.1 削除

76.2 削除

76.3 削除

76.4 優先権書類の翻訳文の提出

 出願人は、優先権書類の翻訳文を第三十九条に規定する当該期間の満了前に選択官庁に提出することを要求されることはない。

76.5 選択官庁における手続への規則の準用

 13の3.3、20.8(c)、22.1(g)、47.1、第四十九規則、第四十九規則の二、第四十九規則の三及び第五十一規則の二の規定を準用する。この場合において、次のように読み替えるものとする。

  • (i) 当該規則中「指定官庁」又は「指定国」とあるのは、それぞれ、「選択官庁」又は「選択国」とする。
  • (ii) 当該規則中「第二十二条」、「第二十三条(2)」又は「第二十四条(2)」とあるのは、それぞれ、「第三十九条(1)」、「第四十条(2)」又は「第三十九条(3)」とする。
  • (iii) 49.1(c)中「国際出願」とあるのは、「国際予備審査の請求」とする。
  • (iv) 第三十九条(1)の規定の適用上、第十九条の規定に基づく補正書の翻訳文は、国際予備審査報告が作成された場合には、その補正書が国際予備審査報告に附属書類として添付されているときに限り、要求される。
  • (v) 47.1(a)中「47.4」とあるのは、「61.2(d)」とする。

第七十七規則 第三十九条(1)(b)の規定に基づく権能

77.1 権能の行使

  • (a) 第三十九条(1)(a)に定める期間よりも遅い時に満了する期間を認める締約国は、その定めた期間を国際事務局に通知する。
  • (b) 国際事務局は、(a)の規定に従つて受領した通知を速やかに公報に掲載する。
  • (c) 先に定めた期間の短縮に関する通知は、国際事務局がその通知を公報に掲載した日から起算して三箇月を経過した後に行われる国際予備審査の請求について効力を有する。
  • (d) 先に定めた期間の延長に関する通知は、国際事務局がその通知を公報に掲載した時から、その掲載の際現に係属しており又はその掲載の日の後に行われる国際予備審査の請求について効力を有する。ただし、通知を行う締約国が一層遅い日を定める場合には、その日から効力を有する。

第七十八規則 選択官庁における請求の範囲、明細書及び図面の補正

78.1 期間

  • (a) 出願人は、希望するときは、第三十九条(1)(a)の規定に基づく要件を満たした時から一箇月以内に、当該選択官庁に対して第四十一条の規定に基づき請求の範囲、明細書及び図面の補正をする権利を行使する。ただし、第三十六条(1)に規定する国際予備審査報告の送付が第三十九条に規定する期間の満了する時までにされない場合には、当該期間の末日の後四箇月以内に行使する。もつとも、いずれの場合においても、締約国の国内法令が認めるときは、その後に行使することができる。
  • (b) 国内法令が特別の請求によつてのみ審査が開始されることを定めている選択国においては、その国内法令は、出願人が第四十一条の規定に基づく権利を行使することができる期間又は時を特別の請求による国内出願の審査の場合における補正書の提出のための国内法令に定める期間又は時と同一とすることを定めることができる。ただし、その期間又は時が(a)に規定する当該期間の満了前に満了せず又は到来しないことを条件とする。

78.2 削除

78.3 実用新案

 6.5及び13.5の規定は、選択官庁について準用する。この場合において、選択が優先日から十九箇月を経過する前に行われた場合 にあつては、第二十二条に規定する当該期間というときは、第三十九条に規定する当該期間をいうものとする。

D部 第三章に関する規則

第七十九規則 暦

79.1 日付の表示

 出願人、国内官庁、受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関及び国際事務局は、条約及びこの規則の適用上、西暦紀元及びグレゴリー暦によつて日付を表示するものとし、他の紀元又は暦を用いる場合には、西暦紀元及びグレゴリー暦による日付を併記する。

第八十規則 期間の計算

80.1 年をもつて定めた期間

 期間を定めるのに年をもつてしている場合には、期間は、当該事象が生じた日の翌日から起算し、該当するその後の年において当該事象が生じた月に応当する月の当該事象が生じた日に応当する日に満了する。ただし、応当する月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

80.2 月をもつて定めた期間

 期間を定めるのに月をもつてしている場合には、期間は、当該事象が生じた日の翌日から起算し、該当するその後の月において当該事象が生じた日に応当する日に満了する。ただし、その月に応当する日がないときは、その月の末日に満了する。

80.3 日をもつて定めた期間

 期間を定めるのに日をもつてしている場合には、期間は、当該事象が生じた日の翌日から起算し、該当する日数の最終の日に当たる日に満了する。

80.4 現地の日付

  • (a) 期間の起算日の日付は、当該事象が生じた時の当該地における日付とする。
  • (b) 期間の末日の日付は、必要な文書が提出され又は必要な手数料が支払われるべき地における日付とする。

80.5 期間の末日が就業日でない日又は法定の休日に当たる場合

 文書及び手数料が国内官庁又は政府間機関に到達すべき期間の末日が、

  • (i) 国内官庁若しくは政府間機関が公の事務の処理のために公衆に対して開庁していない日に当たる場合、
  • (ii) 国内官庁若しくは政府間機関の所在地において通常の郵便物が配達されない日に当たる場合、
  • (iii) 国内官庁若しくは政府間機関が二以上の地に所在する場合、国内官庁若しくは政府間機関の所在地のうち少なくとも一において法定の休日に当たり、かつ、その国内官庁若しくは政府間機関に適用される国内法令が、国内出願について、この場合にはその期間は後続の日に満了すると定めている場合、
  • (iv) 国内官庁が特許を付与する任務を有する締約国の政府の当局である場合、その締約国の一部において法定の休日にあたり、かつ、その国内官庁に適用される国内法令が、国内出願について、この場合にはその期間は後続の日に満了すると定めている場合、
  •  には、その期間は、それらの日のいずれにも該当しない後続の最初の日に満了する。

80.6 文書の日付

 国内官庁又は政府間機関の文書又は書簡の日付の日から期間が開始する場合には、関係者は、当該文書又は書簡がその日付の日よりも遅い日に郵便で発送されたことを証明することができる。この場合には、期間の計算上、実際に郵便で 発送された日を期間の初日とする。当該文書又は書簡が郵便で発送された日にかかわらず、出願人が、国内官庁又は政府間機関に対し、当該文書又は書簡がその日付の日の後七日よりも遅い日に受領されたことを国内官庁又は政府間機関が認める証拠を提出する場合には、国内官庁又は政府間機関は、当該文書又は書簡の日付の日から開始する期間がその日付の日の後七日を超える日数と等しい日数を追加した日に満了するものとして取り扱う。

80.7 就業日の終了時

  • (a) 所定の日に満了する期間は、文書が提出され又は手数料が支払われるべき国内官庁 又は政府間機関がその日の事務を終了する時に満了する。
  • (b) (a)の規定にかかわらず、国内官庁又は政府間機関は、該当する日の午後十二時まで期間を延長することができる。

第八十一規則 条約に定める期間の変更

81.1 提案

  • (a) 締約国又は事務局長は、第四十七条(2)の規定に基づく変更を提案することができる。
  • (b) 締約国が行う提案は、事務局長に提出する。

81.2 総会における決定

  • (a) 提案は、総会に対して行われる場合には、その提案が議事日程に掲げられる総会の会期の遅くとも二箇月前までに、事務局長がすべての締約国に送付する。
  • (b) 総会において提案が討議されている間は、その提案を修正し又はこれに付随する修正を提案することができる。
  • (c) 提案は、表決の時に出席しているいずれの締約国も反対票を投じなかつた場合には、採択されたものとする。

81.3 通信による投票

  • (a) 通信による投票が選択される場合には、提案は、事務局長が締約国に対し書面によつて通知するものとし、その通知は、締約国に対し賛否を書面によつて表明するよう要請する。
  • (b) (a)の要請には、書面によつて表明される賛否を含む回答が国際事務局に到達すべき期間を指定する。指定する期間は、要請の日から三箇月以上とする。
  • (c) 回答は、賛成又は反対のいずれかでなければならない。修正の提案又は単なる意見は、賛否の表明とはみなさない。
  • (d) 提案は、いずれの締約国も当該修正に反対しなかつた場合において、締約国の少なくとも二分の一が賛成、中立又は棄権を表明したときは、採択されたものとする。

第八十二規則 郵便業務における異常

82.1 郵便の遅延又は郵便物の亡失

  • (a) 関係者は、期間の末日の五日前までに文書又は書簡を郵便で発送したことの証拠を提出することができる。平面路による郵便物が差し出されてから通常二日以内に名あて地に到達する場合又は航空郵便業務を利用することができない場合を除くほか、その証拠は、文書又は書簡を航空郵便で発送した場合に限つて提出することができる。いかなる場合にも、その証拠は、文書又は書簡を郵政当局の書留扱いで発送した場合に限つて提出することができる。
  • (b) (a)の規定に基づく文書又は書簡の郵送の証拠が名あて人である国内官庁又は政府間機関にとつて満足するものである場合には、到達の遅延は、許される。また、文書又は書簡が郵送中に亡失した場合には、これに代えて新たな写しを提出することが許される。ただし、新たな写しが亡失した文書又は書簡と同一であることを関係者が当該国内官庁又は当該政府間機関に対し十分に立証することを条件とする。
  • (c) (b)の場合において、所定の期間内に郵便で発送したことの証拠並びに、文書又は書簡が亡失した場合にあつては、新たな写し及び当該新たな写しの亡失した文書又は書簡との同一性に関する証拠は、関係者が遅延若しくは亡失に気付いた日又は相当の注意を払つたとしたならば気付いたであろう日の後一箇月以内に提出するものとし、いかなる場合にも、当該期間の満了の後六箇月以内に提出する。
  • (d) 国内官庁又は政府間機関は、郵政当局以外の運送事業機関を文書又は書簡の郵送に利用する場合には、その旨を国際事務局に通知するものとし、その運送事業機関を郵政当局とみなして(a)から(c)までの規定を適用する。この場合には、(a)の末文の規定を適用しない。ただし、その発送のときに運送事業機関により当該発送が記録されたときに 限り、当該発送の証拠を提出することができる。当該通知には、特定の運送事業機関又は特定の基準を満たす運送事業機関に限り利用する発送についてのみ適用する旨の表示を記載することができる。国際事務局は、通知された情報を公報に掲載する。
  • (e) 国内官庁又は政府間機関は、次の場合においても、(d)の規定に従い手続をとることができる。
    • (i) 利用する運送事業機関が、(d)に規定する通知において特定された運送事業機関でない場合又は特定された基準を満たしていない場合
    • (ii) 国内官庁又は政府間機関が(d)に規定する通知を国際事務局に送付していない場合

第八十二規則の二 特定の期間が遵守されなかつたことによる遅滞についての指定国又は選択国の許容

82の2.1 第四十八条(2)の「期間」の意味

 第四十八条(2)の「期間」とは、次の期間を含むものとする。

  • (i) 条約又はこの規則に定める期間
  • (ii) 受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関若しくは国際事務局が定める期間又は国内法令に従つて受理官庁が適用する期間
  • (iii) 出願人の指定官庁又は選択官庁に対する行為の遂行のために 当該指定官庁若しくは選択官庁が定め又は国内法令に従つて適用する期間

82の2.2 権利の回復及び第四十八条(2)の規定が適用される他の規定

 期間が遵守されなかつたことによる遅滞についての指定国又は選択国の許容に関する第四十八条(2)に規定する国内法令の規定とは、権利の回復、文書の回復、原状回復又は、期間が遵守されなかつたにもかかわらず、更に手続を行うための規定及び期間の延長又は期間が遵守されなかつたことによる遅滞を許すことを定めるその他の規定をいう。

第八十ニ規則の三 受理官庁又は国際事務局による誤りの訂正

82の3.1 国際出願日及び優先権の主張に関する誤り

  • (a) 出願人が、指定官庁又は選択官庁に対し、当該受理官庁による誤りのために国際出願日が誤つていること又は当該受理官庁又は国際事務局が優先権の主張が無効と誤つてみなしたことについて十分に証明する場合、また、その誤りが当該指定官庁又は選択官庁によるものであつて、当該指定官庁又は選択官庁が国内法令又は国内運用に従つて訂正する誤りである場合には、当該指定官庁又は選択官庁は、訂正の後の国際出願日が認められたものとして又は優 先権の主張が無効とみなされなかつたものとして取り扱う。
  • (b) 4.18及び20.6の規定に基づき要素又は部分を引用により含めることに基づいて、受理官庁により20.3(b)(ii)、20.5(d)又は20.5の2(d) の規定に基づき国際出願日が認められた場合であるが、指定官庁又は選択官庁が、次のいずれかのことを認めるときは、当該指定官庁又は選択官庁は、(c)の規定に従うことを条件として、国際出願日が20.3(b)(i)、20.5(b)若しくは20.5の2(b)の規定に基づき認められた又は20.5(c)若しくは 20.5の2(c)の規定に基づき訂正されたものとして取り扱うことができる。ただし、17.1(c)の規定を準用する。
    • (i) 出願人が、優先権書類に関して17.1(a)、(b)又は(bの2)の規定に従つていないこと。
    • (ii) 4.18、20.6(a)(i)又は51の2.1(e)(ii)の規定に基づく要件を満たしていないこと。
    • (iii) 要素又は部分が当該優先権書類に完全に記載されていないこと。
  • (c) 指定官庁又は選択官庁は、国際出願日が20.3(b)(i)、20.5(b)若しくは20.5の2(b)の規定に基づき 認められた又は20.5(c)若しくは20.5の2(c)の規定に基づき訂正されたものとして(b)の規定に基づき国際出願を取り扱うことについて、事情に応じて相当の期間内に意見を述べる機会又は(d)の規定に基づく請求の機会を出願人に与えることなく、そのように取り扱つてはならない。
  • (d) (c)の規定に従つて、指定官庁又は選択官庁が20.5(又は20.5の2(c)の規定に基づき国際出願日を訂正することを出願人に通知した場合には、出願人は、(c)に規定する期間内に当該官庁に提出する通知において、当該官庁の国内処理の目的のために当該欠落部分、又は当該正しい要素若しくは部分は無視されるよう請求することができ、その場合には、当該欠落部分又は当該正しい要素若しくは部分は提出されなかつたものとし、当該官庁は国際出願の国際出願日が訂正されたものとして取り扱つてはならない。

第八十二規則の四 期間が遵守されなかつたことによる遅滞についての許容 及び期間の延長

82の4.1 期間が遵守されなかつたことによる遅滞についての許容

  • (a) 関係者は、住所若しくは営業所を有する地又は滞在地において戦争、革命、市民暴動、同盟罷業、天災、感染症、電子通信サービスの全般的な不通その他これらに類する事由により、受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関、国際予備審査機関又は国際事務局に対し行為を行うための規則に定める期間が遵守されなかつたこと及び合理的にできる限り速やかに適切な措置をとつたことを示す証拠を提出することができる。
  • (b) (a)に規定する証拠は、(a)に規定する期間の満了の後六箇月以内に、場合に応じ、(a)に規定する官庁、機関又は国際事務局に提出する。(a)に規定する状況が名あて人にとつて満足するものである場合には、期間が遵守されなかつたことによる遅滞は、許容される。
  • (c) 指定官庁又は選択官庁は、遅滞を許容する決定を行う時に、第二十二条又は第三十九条に規定する行為を既に行つた出願人に対し、その遅滞の許容を考慮する必要はない。
  • (d) 官庁、機関又は国際事務局は、場合に応じ、当該官庁、当該機関又は国際事務局が定めて公表した条件に従って、証拠の必要性を放棄することができる。この場合には、関係者は、期間を遵守できなかつ たことが、当該官庁、当該機関又は国際事務局が証拠の提出に関する要求を放棄した理由のためである旨の陳述を行わなければならない。当該官庁又は当該機関は、国際事務局にその旨を通知する。

82の4.2 官庁における電子的な通信手段の不通

  • (a) いずれの国内官庁又は政府間機関も、当該国内官庁又は政府間機関が認める電子的な通信手段のいずれかの不通により、当該国内官庁又は政府間機関に対し行為を行うための規則に定める期間が遵守されなかつた場合には、その期間が遵守されなかつたことによる遅滞を許容する旨を定めることができる。ただし、それぞれの行為が、当該電子的な通信手段が回復した後続の最初の就業日に行われたことを条件とする。関係国内官庁又は政府間機関は、不通期間を含む当該不通に関する情報を公表するとともに、国際事務局にその旨を通知する。
  • (b) 指定官庁又は選択官庁は、(a)に定める情報が公表される時に、第二十二条又は第三十九条に規定する行為を既に行つた出願人に対し、(a)に定める期間が遵守されなかつたことによる遅滞の許容を考慮する必要はない。

82の4.3 全般的な混乱による期間の延長

  • (a) 受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関、国際予備審査機関又は国際事務局は、当該官庁、当該機関又は国際事務局の所在する国が、当該官庁、当該機関又は国際事務局の業務に影響を及ぼす82の4.1(a)に掲げる事象によつて生ずる全般的な混乱に直面しており、これにより当事者が当該官庁、当該機関又は国際事務局に 対する行為を規則に定める期間内に行うことを妨げられる場合には、当事者が規則に定める期間内に行為を行う必要があるという規則に定める期間を延長できるように、延長期間を設定することができる。当該官庁、当該機関又は国際事務局は、当該延長期間の開始する日及び終了する日を公表する。当該延長期間は、開始日から二箇月を超えないものとする。当該官庁又は当該機関は、国際事務局にその旨を通知する。
  • (b) (a)の規定に基づき延長期間を設定した後に、関係する官庁、機関又は国際事務局は、事情に応じて必要なときは、追加の延長期間を設定することができる。この場合には、(a)の規定を準用する。
  • (c) 指定官庁又は選択官庁は、(a)又は(b)に定める情報が公表される時に、当該官庁の国内処理が開始されている場合には、(a)又は(b)の規定に基づく期間の延長を考慮する必要はない。

第八十三規則 国際機関に対し業として手続をとる権能

83.1 権能の証明

 国際事務局、管轄国際調査機関及び管轄国際予備審査機関は、第四十九条にいう業として手続をとる権能の証明を提出することを要求することができる。

83.1の2 国際事務局が受理官庁の場合

  • (a) 出願人がその居住者若しくは国民である締約国又は、二人以上の出願人がある場合には、これらの出願人のうちのいずれかがその居住者若しくは国民である締約国の国内官庁又はその締約国のために行動する国内官庁に対し業として手続をとる権能を有する者は、国際出願について、19.1(a)(iii)の規定に基づく受理官庁としての国際事務局に対し業として手続をとる権能を有する。
  • (b) 国際出願について受理官庁としての国際事務局に対し業として手続をとる権能を有する者は、その国際出願について、受理官庁以外の資格における国際事務局に対し並びに管轄国際調査機関及び管轄国際予備審査機関に対し業として手続をとる権能を有する。

83.2 通知

  • (a) 国内官庁又は政府間機関は、関係者が自己に対し業として手続をとる権能を有することの主張がされている場合には、要請により、当該関係者がその権能を有するかどうかを国際事務局、管轄国際調査機関又は管轄国際予備審査機関に通知する。
  • (b) (a)の通知は 、国際事務局、管轄国際調査機関又は管轄国際予備審査機関に対して拘束力を有する。

E部 第五章に関する規則

第八十四規則 代表団の費用

84.1 政府が負担する費用

 条約により又は条約に基づいて設置される機関に参加する各代表団の費用は、その代表団を任命した政府が負担する。

第八十五規則 総会における定足数の不足

85.1 通信による投票

 第五十三条(5)(b)の場合には、国際事務局は、代表を出さなかつた締約国に対し、総会の決定(総会の手続に関するものを除く。)を通知し及びその通知の日から三箇月の期間内 に賛否又は棄権を書面によつて表明するよう要請する。その期間の満了の時に、賛否又は棄権を表明した締約国の数が当該会期の定足数の不足を満たすこととなり、かつ、必要とされる多数の賛成がなお存在する場合には、その決定は、効力を生ずる。

第八十六規則 公報

86.1 内容

 第五十五条(4)にいう公報には、次のものを掲載する。

  • (i) 国際公開された各国際出願について、当該国際出願の国際公開の表紙に掲載されている事項から抽出されたものであって実施細則で定めるもの、その表紙に掲載されている図面(該当する場合)及び要約
  • (ii) 受理官庁、国際事務局、国際調査機関及び国際予備審査機関に支払うべきすべての手数料の一覧表
  • (iii) 条約又はこの規則により公表することが必要とされている事項
  • (iv) 公開された国際出願に関し95.1の規定に基づいて国際事務局に通知された指定官庁及び選択官庁における事象に関する情報
  • (v) 実施細則で定めるその他の有用な情報。ただし、当該情報が知得されるようにすることが条約又はこの規則によつて禁止されていない場合に限る。

86.2 言語、発行の形式及び手段並びに時期

  • (a) 公報は、英語及びフランス語で同時に発行するものとする。英語及びフランス語の翻訳文については、国際事務局が作成する。
  • (b) 総会は、(a)に規定する言語以外の言語で公報を発行することを命ずることができる。
  • (c) 公報を発行する形式及び手段は、実施細則で定める。
  • (d) 国際事務局は、国際公開された各国際出願について、その国際出願が発行された日又はその後できる限り速やかに、86.1(i)に規定する情報を公報に掲載することを確保する。

86.3 回数

 公報の発行回数は、事務局長が決定する。

86.4 販売

 公報の予約購読料及びその他の販売価格は、事務局長が決定する。

86.5 表題

 公報の表題は、事務局長が決定する。

86.6 その他の細目

 公報に関するその他の細目は、実施細則で定めることができる。

第八十七規則 刊行物の送達

87.1 請求による刊行物の送達

 国際事務局は、すべての公開された国際出願、公報及び国際事務局が条約又はこの規則に関連して発行するその他のすべての一般的な刊行物を無料で国際調査機関及び国際予備審査機関並びに国内官庁に、関係する機関又は官庁の請求により送達する。刊行物の送達の形式及び手段に関するその他の細目は、実施細則で定める。

第八十八規則 この規則の修正

88.1 全会一致が条件とされる場合

 この規則の規定のうち次の規定の修正には、総会において投票する権利を有するいずれの国も提案された修正に対して反対票を投じないことを必要とする。

  • (i) 14.1(送付手数料)
  • (ii) 削除
  • (iii) 22.3(第十二条(3)に規定する期間)
  • (iv) 第三十三規則(国際調査における関連のある先行技術)
  • (v) 第六十四規則(国際予備審査における先行技術)
  • (vi) 第八十一規則(条約に定める期間の変更)
  • (vii) この88.1

88.2 削除

88.3 特定の国による反対のないことが条件とされる場合

 この規則の規定のうち次の規定の修正には、第五十八条(3)(a)(ii)に規定する国であつて総会において投票する権利を有するもののいずれもが提案された修正に対して反対票を投じないことを必要とする。

  • (i) 第三十四規則(最小限資料)
  • (ii) 第三十九規則(第十七条(2)(a)(i)に規定する国際出願の対象)
  • (iii) 第六十七規則(第三十四条(4)(a)(i)に規定する国際出願の対象)
  • (iv) この88.3

88.4 手続

 88.1又は88.3に掲げる規定を修正するための提案は、総会において決定される場合には、その提案について決定を行うことが求められている総会の会期の開始の遅くとも二箇月前までにすべての締約国に通知する。

第八十九規則 実施細則

89.1 範囲

  • (a) 実施細則には、次の事項に関して規定する。
    • (i) この規則において、実施細則に明示的にゆだねられている事項
    • (ii) この規則の適用についての細目
  • (b) 実施細則は、条約、この規則又は国際事務局と国際調査機関若しくは国際予備審査機関との間に締結される取決めの規定に抵触するものであつてはならない。

89.2 作成

  • (a) 実施細則は、受理官庁、国際調査機関及び国際予備審査機関との協議の上、事務局長が作成し及び公示する。
  • (b) 実施細則は、当該変更提案に直接の利害関係を有する受理官庁、国際調査機関又は国際予備審査機関との協議の上、事務局長が変更することができる。
  • (c) 総会は、事務局長に対し実施細則を変更することを求めることができるものとし、事務局長は、その求めに従つて手続をとる。

89.3 公表及び効力発生

  • (a) 実施細則及びその変更は、公報に掲載する。
  • (b) 各公表には、掲載された規定の効力発生の日に明示 する。その日は、異なる規定ごとに異なる日とすることができる。ただし、いかなる規定についても、公報に掲載される前に効力が生ずることを宣言することができない。

F部 二以上の章に関する規則

第八十九規則の二 電子形式又は電子的手段による国際出願及び国際出願に関する書類の提出、処理及び送達

89の2.1 国際出願

  • (a) 国際出願は、(b)から(e)までの規定に従うことを条件として、実施細則に定めるところにより、電子形式又は電子的手段によつて行われ及び処理することができる。ただし、いずれの受理官庁も紙形式によつて国際出願をすることを認めるものとする。
  • (b) この規則は、実施細則の特別の規定に基づいて電子形式又は電子的手段によつて行われる国際出願について準用する。
  • (c) 実施細則は、全部又は一部について電子形式又は電子的手段により行われる国際出願及びその処理に関連のある事項について規定する。当該事項は、受理の認定、 国際出願日の認定に係る手続、国際出願の様式上の要件及びこの様式上の要件を満たしていないことによる結果、書類への署名、書類の真正の証明手段、官庁及び政府間当局と連絡をとる者の同一性の証明手段並びに第十二条に規定する受理官庁用写し、記録原本及び調査用写しに関連のあるものを含むが、これらに限定されるものではない。実施細則には、異なる言語で行われる国際出願に関して異なる規定を含むことができる。
  • (d) 国内官庁又は政府間機関は、電子形式又は電子的手段によつて行われる国際出願を実施細則の関連規定に基づいて受理し又は処 理する準備が整つている旨を国際事務局に通知しない限り、そのような受理又は処理を行う義務を負わない。国際事務局は、通知されたその旨の情報を公報に掲載する。
  • (dの2) (d)の規定に基づく通知を行つた国内官庁又は政府間機関であつて国際事務局以外のものは、国際事務局に対し、国際出願が電子形式又は電子的手段によつて行われる場合にのみ国際出願を受理することを通知することができる。国際事務局は、この(dの2)の規定に基づいて行う通知を公報に掲載する。
  • (dの3) (dの2)の規定ではなく(d)の規定に基づいて通知を行つた国内官庁又は政府間機関は、国際事務局に対し、紙形式によつて提出された出願が当該国内官庁又は政府間機関による求めの日から二箇月の期間内に電子的手段によつて再提出しなければならないことを通知することができる。国際出願は、対応する書類が期間内に受理されない場合には、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。国際事務局は、この(dの3)の規定に基づいて行われた通知を公報に掲載する。
  • (e) 国際事務局に対して(d)に規定する通知を行つた受理官庁は、実施細則に基づいて電子形式又は電子的手段によつて行われた国際出願を処理することを拒否することはできない。

89の2.2 国際出願に関する書類

 89の2.1の規定は、国際出願に関する書類及び通信について準用する。ただし、国内官庁又は政府間機関が89の2.1(dの3)の規定に基づく通知を行つた場合には、紙形式によつて提出された当該書類又は当該通信であつて、対応する求めの日から二箇月の期間内に電子的手段によつて再提出されないものは、無視される。

89の2.3 官庁間の送達

 条約、この規則又は実施細則が、国際出願、通知、送達、通信又はその他の書類の一の国内官庁又は政府間機関によつて他の国内官庁又は政府間機関に対して行う送達、通知、又は送付(以下「送達」という。)について規定する場合において、そのような送達は、送達する者及び受け取る者の双方が合意したときは、電子形式又は電子的手段によつて行うことができる。

第八十九規則の三 生物材料に係る発明

89の3.1 紙形式によつて提出された書類の電子形式による写し

 国内官庁又は政府間機関は、国際出願又は国際出願に関する書類が紙形式によつて提出される場合には、出願人がその電子形式による写しを実施細則に従つて提出することができる旨を定めることができる。

第九十規則 代理人及び共通の代表者

90.1 代理人の選任

  • (a) 出願人は、国際出願がされた国内官庁に対し業として手続をとる権能を有する者又は、国際出願が国際事務局にされた場合には、国際出願について受理官庁としての国際事務局に対し業として手続をとる権能を有する者を、受理官庁、国際事務局、国際調査機関、補充調査のために指定された機関 及び国際予備審査機関に対し出願人を代理する代理人として選任することができる。
  • (b) 出願人は、国際調査機関として行動する国内官庁又は政府間機関に対し業として手続をとる権能を有する者を、特に、当該国際調査機関に対し出願人を代理する代理人として選任することができる。
  • (bの2) 出願人は、補充調査のために指定された機関として行動する国内官庁又は政府間機関に対し業として手続をとる権能を有する者を、特に、当該補充調査のために指定された機関に対し出願人を代理する代理人として選任することができる。
  • (c) 出願人は、国際予備審査機関として行動する国内官庁又は政府間機関に対し業として手続をとる権能を有する者を、特に、当該国際予備審査機関に対し出願人を代理する代理人として選任することができる。
  • (d) (a)の規定に基づき選任された代理人は、代理人を選任する書面に別段の表示がある場合を除くほか、次の機関に対し出願人の代理人として出願人を代理する一人又は二人以上の復代理人を選任することができる。
    • (i) 復代理人として選任される者が、国際出願がされた国内官庁に対し業として手続をとる権能を有する者である場合又は国際出願について受理官庁としての国際事務局に対し業として手続をとる権能を有する者である場合にあつては、場合に応じ、受理官庁、国際事務局、国際調査機関、補充調査のために指定された機関 及び国際予備審査機関
    • (ii) 復代理人として選任される者が、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関として行動する国内官庁又は政府間機関に対し業として手続をとる権能を有する者である場合にあつては、場合に応じ、特に、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関

90.2 共通の代表者

  • (a) 二人以上の出願人がある場合において、当該二人以上の出願人が90.1(a)の規定に基づきすべての出願人を代理する代理人(共通の代理人)を選任しなかつたときは、第九条の規定により国際出願をする資格を有する出願人のうちの一人を共通の代表者として他の出願人が選任することができる。
  • (b) 二人以上の出願人がある場合において、すべての出願人が90.1(a)の規定に基づき共通の代理人又は(a)の規定に基づき共通の代表者を選任しなかつたときは、19.1の規定に基づき受理官庁に国際出願をする資格を有する出願人のうち願書に最初に記載されている出願人をすべての出願人の共通の代表者とみなす。

90.3 代理人及び共通の代表者による又は代理人及び共通の代表者に対する行為の効果

  • (a) 代理人による又は代理人に対する行為は、関係出願人による又は関係出願人に対する行為としての効果を有する。
  • (b) 同一の出願人を代理する代理人が二人以上である場合には、それらの代理人のうちいずれかの者による又はそのいずれかの者に対する行為は、関係出願人による又は関係出願人に対する行為としての効果を有する。
  • (c) 90の2.5の後段の規定に従うことを条件として、共通の代表者若しくはその代理人による行為又は共通の代表者若しくはその代理人に対する行為は、全ての出願人による行為又は全ての出願人に対する行為としての効果を有する。

90.4 代理人又は共通の代表者の選任の方法

  • (a) 代理人の選任は、出願人が願書、国際予備審査の請求書又は別個の委任状に署名をすることによつて行う。二人以上の出願人がある場合には、共通の代理人又は共通の代表者の選任は、各出願人がその選択により願書、国際予備審査の請求書又は別個の委任状に署名をすることによつて行う。
  • (b) 90.5の規定に従うことを条件として、別個の委任状は、受理官庁又は国際事務局に提出する。ただし、委任状が90.1(b)、 (bの2)、(c)又は(d)(ii)に規定する代理人を選任するものである場合には、場合に応じ、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関に提出する。
  • (c) 別個の委任状に署名がされていない場合、必要な別個の委任状がない場合又は選任された者の氏名若しくは名称若しくはあて名の記載が4.4の規定に従つていない場合には、委任状は、当該欠陥の補充がされた場合を除くほか、存在しないものとみなす。
  • (d) (e)の規定に従うことを条件として、受理官庁、国際調査機関、補充調査を管轄する機関、国際予備審査機関、国際事務局は、(b)に定める別個の委任状を提出する要件を放棄することができる。この場合(c)は適用されない。
  • (e) 代理人や共通の代表者が90の2.1から90の2.4までの規定による取下げの通告をする場合、(b)に定める個別の委任状についての要件を(d)に基づいて放棄することはできない。

90.5 包括委任状

  • (a) 国際出願についての代理人の選任は、次のことを条件として、出願人がすることができるいかなる国際出願についても、出願人を代理する代理人を選任する別個の委任状(包括委任状)がある旨を、願書、国際予備審査の請求書又は別個の通知に表示することにより行うことができる。
    • (i) 包括委任状が(b) の規定に従つて寄託されていること。
    • (ii) 包括委任状の写しが関係する願書、国際予備審査の請求書又は別個の通知に添付されていること(その写しには、署名を必要としない。)。
  • (b) 包括委任状は、受理官庁に寄託する。ただし、90.1(b)、(bの2)、(c)又は(d)(ii)の規定に基づき代理人を選任する場合には、包括委任状は、場合に応じ、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関に寄託する。
  • (c) 受理官庁、国際調査機関、補充調査を管轄する国際機関、国際予備審査機関は、(a)(ii)に定める包括委任状の写しを願書、国際予備審査の請求書又は別個の通知に添付する要件を放棄することができる。
  • (d) (c)の規定にかかわらず、代理人が90の2.1から90の2.4までの規定による取下げの通告を受理官庁、補充調査のために指定された機関、国際予備審査機関又は国際事務局にする場合には、場合に応じ、包括委任状の写しを当該官庁、機関又は国際事務局に提出しなければならない。

90.6 解任及び辞任

  • (a) 代理人又は共通の代表者の選任は、選任した者又はその者の承継人が撤回することができる。この場合には、当該代理人による90.1(d)の規定に基づく復代理人の選任も、撤回されたものとみなす。90.1(d)の規定に基づく復代理人の選任も、関係出願人が撤回することができる。
  • (b) 90.1(a)の規定に基づく代理人の選任は、別段の表示がある場合を除くほか、同規定に基づく先の代理人の選任を撤回する効果を有する。
  • (c) 共通の代表者の選任は、別段の表示がある場合を除くほか、先の共通の代表者の選任を撤回する効果を有する。
  • (d) 代理人又は共通の代表者は、自ら署名した届出によつて選任を放棄することができる。
  • (e) 90.4(b)及び(c)の規定は、この90.6の規定に基づく解任及び辞任のための書面について準用する。

第九十規則の二 取下げ

90の2.1 国際出願の取下げ

  • (a) 出願人は、優先日から三十箇月を経過する前にいつでも、国際出願を取り下げることができる。
  • (b) 取下げは、出願人の選択により国際事務局、 受理官庁又は、第三十九条(1)の規定が適用される場合には、国際予備審査機関に対する出願人からの通告の受領の時に効力を生ずる。
  • (c) 出願人、受理官庁又は国際予備審査機関により送付された取下げの通告が国際公開の技術的な準備が完了する前に国際事務局に到達した場合には、取り下げられた国際出願の国際公開は、行わない。

90の2.2 指定の取下げ

  • (a) 出願人は、優先日から三十箇月を経過する前にいつでも、指定国の指定を取り下げることができる。選択された国の指定の取下げは、これに対応する90の2.4の規定に基づく選択の取下げを伴う。
  • (b) 国内特許及び広域特許の双方を受けるために国を指定した場合には、その国の指定の取下げは、別段の表示がある場合を除くほか、国内特許を受けるための指定のみの取下げを意味するものとする。
  • (c) すべての指定国の指定の取下げは、90の2.1の規定に基づく国際出願の取下げとみなす。
  • (d) 取下げは、出願人の選択により国際 事務局、受理官庁又は、第三十九条(1)の規定が適用される場合には、国際予備審査機関に対する出願人からの通告の受領の時に効力を生ずる。
  • (e) 出願人、受理官庁又は国際予備審査機関により送付された取下げの通告が国際公開の技術的な準備が完了する前に国際事務局に到達した場合には、取り下げられた指定の国際公開は、行わない。

90の2.3 優先権の主張の取下げ

  • (a) 出願人は、国際出願において第八条(1)の規定に基づいて申し立てた優先権の主張を優先日から三十箇月を経過する前にいつでも、取り下げることができる。
  • (b) 出願人は、国際出願が二以上の優先権の主張を伴う場合には、それらの優先権の主張のいずれか又はすべてについて(a)に規定する権利を行使することができる。
  • (c) 取下げは、出願人の選択により国際事務局、受理官庁又は、第三十九条(1)の規定が適用される場合には、国際予備審査機関に対する出願人からの通告の受領の時に効力を生ずる。
  • (d) 優先権の主張の取下げが優先日について変更が生じる場合には、もとの優先日から起算した場合にまだ満了していない期間は、(e)の規定に従うことを条件として、変更の後の優先日から起算する。
  • (e) 第二十一条(2)(a)に定める期間については、国際事務局は、出願人、受理官庁又は国際予備審査機関により送付された取下げの通告が国際公開の技術的な準備が完了した後に国際事務局に到達した場合には、もとの優先日から起算したその期間を基礎として当該国際公開を行うことができる。

90の2.3の2 補充調査請求の取下げ

  • (a) 出願人は、45の2.8(a) の規定に基づく出願人及び国際事務局への補充国際調査報告又は補充国際調査報告を作成しない旨の宣言の送付の日より前にいつでも、補充調査請求を取り下げることができる。
  • (b) 取下げは、出願人の選択により補充調査のために指定された機関又は国際事務局が出願人からの通告を(a)に規定する期間内に受領した時に効力を生ずる。ただし、当該通告が、(a)に規定する報告又は宣言の送付を取りやめるために十分な期間内に補充調査のために指定された機関に到達しない場合においても、45の2.8(b) の規定によつて適用する第二十条(1)の規定に基づき当該報告又は宣言を送達する。

90の2.4 国際予備審査の請求又は選択の取下げ

  • (a) 出願人は、国際予備審査の請求又は選択のいずれか若しくはすべてを優先日から三十箇月を経過する前にいつでも、取り下げることができる。
  • (b) 取下げは、国際事務局に対する出願人からの通告の受領の時に効力を生ずる。
  • (c) 出願人が取下げの通告を国際予備審査機関に提出した場合には、その国際予備審査機関は、その通告に受理の日付を付して速やかに国際事務局にその通告を送付する。その通告は、付された日付に国際事務局に提出されたものとみなす。

90の2.5 署名

 90の2.1から90の2.4までに規定する取下げの通告には、出願人又は、二人以上の出願人がある場合においては、全ての出願人が署名する。90.2(b)の規定に基づく共通の代表者とみなされた出願人は、他の出願人の代わりにそのような通告に署名する権限を有しない。

90の2.6 取下げの効果

  • (a) 第九十規則の二の規定に基づく国際出願、指定、優先権の主張、国際予備審査の請求又は選択の取下げは、第二十三条(2)又は第四十条(2)の規定に基づき既に国際出願の処理又は審査を開始している指定官庁又は選択官庁については、効力を生じない。
  • (b) 国際出願が90の2.1の規定に基づき取り下げられた場合には、当該国際出願の国際段階の処理は、中止する。
  • (bの2) 補充調査請求が90の2.3の2の規定に基づき取り下げられた場合には、関係する機関による補充国際調査は、中止する。
  • (c) 国際予備審査の請求又はすべての選択が90の2.4の規定に基づき取り下げられた場合には、国際予備審査機関による国際出願の処理は、中止する。

90の2.7 第三十七条(4)(b)に規定する権能

  • (a) 第三十七条(4)(b)の後段の規定を国内法令で定める締約国は、国際事務局に書面で通知する。
  • (b) (a)の通知は、国際事務局が速やかに公報に掲載するものとし、その通知が掲載された日の後一箇月を経過した後にされる国際出願について効力を有する。

第九十一規則 国際出願及び他の書類中の明白な誤記の訂正

91.1 明白な誤記の訂正

  • (a) 国際出願又は出願人が提出した他の書類中の明白な誤記は、当該出願人が請求する場合は第九十一規則に従つて訂正することができる。
  • (b) 誤記の訂正は「権限のある機関」の許可に従う。すなわち、
    • (i) 国際出願の願書部分又はその補充書における誤記の場合には、受理官庁
    • (ii) 明細書、請求の範囲若しくは図面、又はそれらの補充書における誤記の場合(ただし、(iii)の規定に基づき国際予備審査機関が管轄する場合を除く。)には、国際調査機関
    • (iii) 明細書、請求の範囲、図面若しくはそれらの補充書又は第十九条若しくは第三十四条の規定に基づく補正書における誤記の場合で、国際予備審査の請求が行われ、取り下げられておらず、かつ69.1に従つて国際予備審査を開始する日が過ぎている場合には、国際予備審査機関
    • (iv) 受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関又は国際事務局に提出された(i)から(iii)までに規定されていない書類における誤記の場合であつて、要約又は第十九条の規定に基づく補正書における誤記以外の場合には、当該受理官庁、当該機関又は事務局
  • (c) 権限のある機関は、(f)の規定に基づく日において、関連する書類に現れるもの以外の何かが意図されていること及び提出された訂正以外何も意図されていなかつたことが当該権限のある機関にとつて明白であつた場合のみ、第九十一規則の規定に基づき誤記の訂正を許可する。
  • (d) 明細書、請求の範囲若しくは図面、又はそれらの補充書若しくは補正書における誤記の場合、権限のある機関は、(c)の規定の適用上、明細書、請求の範囲及び図面(該当する場合には、関係する補充書又は補正書)の内容のみを考慮する。
  • (e) 国際出願の願書部分若しくはその 補充書、又は(b)(iv)に規定する書類における誤記の場合には、権限のある機関は、(c)の規定の適用上、国際出願自体(該当する場合には、関連する補充書又は(b)(iv)に規定する書類)の内容のみを、願書、補充書又は書類とともに提出された書類、実施細則に従い当該機関が利用可能な国際出願に関する優先権書類、及び(f)の規定に基づく日に当該機関の国際出願の一件書類に含まれるすべての書類とともに考慮する。
  • (f) (c)及び(e)の規定の適用上の日とは、次のとおりとする。
    • (i) 提出された国際出願の部分における誤記の 場合には、国際出願日
    • (ii) 提出された国際出願以外の書類における誤記の場合(国際出願の補充書又は補正書における誤記を含む)には、当該書類が提出された日
  • (g) 次の場合には、第九十一規則の規定に基づき誤記を訂正できない。ただし、この(g)の規定は、20.4、20.5、26の2及び38.3の規定の適用に影響を及ぼすものではない。
    • (i) 誤記が、第三条(2)に規定する国際出願の一若しくは二以上のいずれかの要素の欠落又は国際出願の一若しくは二以上のいずれかの用紙の欠落にある場合
    • (ii) 誤記が要約にある場合
    • (iii) 第十九条の規定に基づく補正書における誤記の場合(ただし、国際予備審査機関が、(b)(iii)の規定に基づく当該誤記の訂正の許可を管轄する場合を除く。)
    • (iv) 優先権の主張又は26の2.1(a)の規定に基づく優先権の主張を補充する又は追加する書面における誤記であつて、誤記の訂正により優先日について変更が生じる場合
  • (h) 受理 官庁、国際調査機関、国際予備審査機関、又は国際事務局が、国際出願又は他の書類において訂正することができる明白な誤記と認められるものを発見した場合には、当該関係当局は出願人に対し、第九十一規則の規定に基づき訂正のための請求をするよう求めることができる。

91.2 訂正のための請求

 91.1の規定に基づく訂正のための請求は、優先日から二十六箇月以内に権限のある機関に提出しなければならない。当該請求は、訂正される誤記及び提案された訂正を特定し、出願人の選択により、簡単な説明を記載することができる。26.4の規定は、提案された訂正を表示する方法に準用する。

91.3 訂正の許可及び効果

  • (a) 権限のある機関は、91.1の規定に基づく訂正を許可するか拒否するかどうかを速やかに決定し、出願人及び国際事務局に許可又は拒否について及び、拒否する場合には、その理由を速やかに通知する。国際事務局は、実施細則の定めるところによつて処理し、必要に応じ、受理官庁、国際調査機関、国際予備審査機関並びに指定及び選択官庁に許可又は拒否を通知する。
  • (b) 91.1の規定に基づき明白な誤記の訂正が許可された場合には、関係書類を実施細則で定めるところにより訂正する。
  • (c) 明白な誤記の訂正が許可された場合には、当該訂正は次の日から有効となる。
    • (i) 出願時における国際出願の誤記の場合には、国際出願日
    • (ii) 出願時における国際出願以外の書類の誤記の場合(当該国際出願の補充書又は補正書における誤記を含む。)には、当該書類が提出された日
  • (d) 権限のある機関が、91.1の規定に基づく訂正を拒否する場合には、国際事務局は、拒否の日から二箇月以内に提出された出願人の要請に応じ、また、実施細則でその額を定める特別の手数料の支払を条件として、訂正のための請求、当該機関による拒否の理由、及び出願人が提出する簡単な意見書を可能なときは国際出願とともに公表する。国際出願の国際公開が第六十四条(3)の規定により行われない場合には、請求、理由及び意見書(該当する場合)の写しは、可能なときは第二十条の送達に含める。
  • (e) 91.3(a)の規定に基づく権限のある機関による訂正の許可の通知を当該指定官庁が受け取る日の前に既に国際出願の処理又は審査を開始した指定官庁は、明白な誤記の訂正を考慮する必要はない。
  • (f) 指定官庁は、当該指定官庁が権限のある機関であつた 場合に91.1の規定に基づく訂正を許可しなかつたと認めた場合にのみ、91.1の規定に基づき許可された訂正を無視することができる。ただし、指定官庁は、事情に応じて相当の期間内に、当該官庁が訂正を無視することについて意見を述べる機会を出願人に与えることなく91.1の規定に基づき許可された訂正を無視することはできない。

第九十二規則 通信

92.1 書簡及び署名の必要性

  • (a) 条約及びこの規則に定める国際的手続において出願人が提出する書類(国際出願の書類を除く。)には、それ自体が書簡の形式のものでない限り、当該書類に係る国際出願を特定する書簡を添付する。その書簡には、出願人が署名をする。
  • (b) (a)に定める要件が満たされていない場合には、出願人にその旨を通知し、その要件の欠落を指定した期間内に補足することを求める。その指定期間は、事情に応じて相当の期間とするものとし、書類の提出に適用される期間よりも遅い時に満了する場合(又は書類の提出に適用される期間が既に満了した場合 )においても、求めの通知の郵送から十日以上一箇月以内とする。欠落が指定期間内に補足された場合にはその欠落は無視され、その他の場合には出願人に当該書類が無視されたことを通知する。
  • (c) (a)に定める要件を満たしていないことが見落とされ、国際的手続において当該書類が考慮された場合には、要件を満たしていないことは、無視される。

92.2 言語

  • (a) 55.1、 55.3 及び(b)の規定が適用される場合を除くほか、出願人が国際調査機関又は国際予備審査機関に提出する書簡又は文書は、当該書簡又は文書に係る国際出願の言語と同一の言語で作成する。ただし、国際出願の翻訳文が23.1(b)の規定に基づき送付されている場合又は55.2の規定に基づき提出されている場合には、当該翻訳文の言語を用いる。
  • (b) 出願人から国際調査機関又は国際予備審査機関にあてる書簡は、当該国際調査機関又は当該国際予備審査機関が許可した場合に限り、国際出願の言語以外の言語で作成することができる。
  • (c) 削除
  • (d) 出願人から国際事務局にあてる書簡は、英語、フランス語その他実施細則によつて認められる国際公開の言語で作成する。
  • (e) 国際事務局から出願人又は国内官庁にあてる書簡又は通知は、英語、フランス語その他実施細則によつて認められる国際公開の言語で作成する。

92.3 国内官庁及び政府間機関による郵送

 国内官庁又は政府間機関が発出し又は送付する文書又は書簡であつて、その発出又は送付の日から条約又はこの規則に定める期間が開始することとなるものは、航空郵便物として送付するものとする。ただし、平面路による郵便物が差し出されてから通常二日以内に名あて地に到達する場合又は航空郵便業務を利用することができない場合には、航空郵便物に代えて平面路による郵便物として送付することができる。

92.4 電信、テレプリンター、ファクシミリ等の使用

  • (a) 11.14及び92.1(a)の規定にかかわらず、(h)の規定に従うことを条件として、国際出願の書類及び国際出願に関するその後の書類又は文書は、可能な限り、電信、テレプリンター、ファクシミリ又は印刷若しくは手書きの書類を提出することになる同様の通信手段により送付することができる。
  • (b) ファクシミリにより送付される書類にされている署名は、条約及びこの規則の規定の適用上、適当な署名と認める。
  • (c) 出願人が(a)に規定する通信手段のいずれかにより書類を送付したが、到達した書類の一部若しくは全部を判読することができない場合又はその書類の一部が到達していない場合には、到達した書類のうち判読することができない部分又は送付した書類のうち到達していない部分については、到達しなかつたものとみなす。国内官庁又は政府間機関は、速やかにその旨を出願人に通知する。
  • (d) 国内官庁又は政府間機関は、(a)に規定する通信手段のいずれかにより送付された書類の原本に先の送付を確認する書簡を添付して、先の送付の日から十四日以内に提出することを要求することができる。ただし、その要求は、国際 事務局に通知され、かつ、国際事務局がこれに関する情報を公報に掲載した後でなければ行うことができない。その通知には、その要求が書類の全部又は一部のいずれに関するものであるかを特定する。
  • (e) 出願人が(d)の規定に基づいて要求される書類の原本を提出しない場合には、関係国内官庁又は政府間機関は、送付された書類の種類に応じ、第十一規則及び26.3の規定を考慮して、次のいずれかを行うことができる。
    • (i) (d)の規定に基づく要求を放棄すること。
    • (ii) 出願人に対し、事情に応じて相当のかつ指定する期間内に送付された書類の原本を提出するよう求めること。
    •  ただし、送付された書類又は原本に欠陥がある場合において、国内官庁又は政府間機関がその欠陥の補充の求めを発出することができるときは、当該国内官庁又は政府間機関は、(i)若しくは(ii)の手続に加え又はその手続に代えて当該欠陥の補充の求めを発出することができる。
  • (f) 国内官庁又は政府間機関は、(d)の規定に基づく書類の原本の提出を要求していないが当該書類の原本を受理することを必要と認めた場合には、(e)(ii)の規定に基づく求めを発出することができる。
  • (g) 出願人が(e)(ii)又は(f)の求めに応じなかつた場合には、
    • (i) 関係書類が国際出願に係るものであるときは、その国際出願は、取り下げられたものとみなし、受理官庁は、その旨を宣言する。
    • (ii) 関係書類が国際出願の後に提出する書類であるときは、その書類は、提出されなかつたものとみなす。
  • (h) 国内官庁又は政府間機関は、(a)に規定する通信手段により書類を受理する用意がある旨を国際事務局に通知し、かつ、国際事務局がこれに関する情報を公報に掲載した場合を除くほか、当該通信手段により提出された書類を受理する義務を負わない。

第九十二規則の二 願書又は国際予備審査の請求書の表示の変更の記録

92の2.1 変更の国際事務局による記録

  • (a) 国際事務局は、出願人又は受理官庁の要請に基づき願書又は国際予備審査の請求書における次の事項の表示の変更を記録する。
    • (i) 出願人の名義、氏名若しくは名称、住所、国籍又はあて名
    • (ii) 代理人、共通の代表者又は発明者の名義、氏名若しくは名称又はあて名
  • (b) 国際事務局は、優先日から三十箇月の期間の満了の後に記録の要請を受理した場合には、要請された変更を記録しない。

第九十三規則 記録及び一件書類の保存

93.1 受理官庁

 各受理官庁は、国際出願又は国際出願として提出されたものに関する記録(受理官庁用写しを含む。)を当該国際出願日又は、国際出願日を認めない場合には、当該受理の日から少なくとも十年間保存する。

93.2 国際事務局

  • (a) 国際事務局は、国際出願の一件書類(記録原本を含む。)を当該記録原本の受理の日から少なくとも三十年間保存する。
  • (b) 国際事務局の基本的な記録は、無期限に保存する。

93.3 国際調査機関及び国際予備審査機関

 各国際調査機関及び各国際予備審査機関は、その受領した各国際出願の一件書類を当該国際出願日から少なくとも十年間保存する。

93.4 複製物

 この第九十三規則の規定の適用上、記録、写し及び一件書類は、光学的、電子的又はその他の複製物として保存することができる。ただし、その複製物は、93.1から93.3までの規定に従つて記録、写し及び一件書類を保存する義務が履行されるようなものであることを条件とする。

第九十三規則の二 書類の送達方法

93の2.1 請求による送達、電子図書館を経由した送達

  • (a) 条約、この規則又は実施細則が、国際出願、通知、送達、通信又はその他の書類(以下「書類」という。)の国際事務局から指定官庁又は選択官庁に対して行う送達、通知又は送付(以下「送達」という。)について規定する場合において、その送達は、関係する官庁による請求によつてのみ、かつ、官庁が特定する時に行われる。この請求は、個別に特定された書類又は特定された一又は複数の書類の分類に関するものとして行うことができる。
  • (b) (a)の規定に基づく送達は、国際事務局と関係する指定官庁又は選択官庁との間で合意したときは、実施細則で定めるところにより、国際事務局が、当該官庁がその書類を検索する権能を有する電子図書館において、書類を電子形式で入手可能な状態にする時に行われたものとみなす。

第九十四規則 国際出願の一件書類の利用

94.1 国際事務局が保有する一件書類の利用

  • (a) 国際事務局は、出願人又は出願人の承諾を得た者の請求に応じ、役務の費用の支払を条件として、一件書類中の文書の写しを提供する。
  • (b) 国際事務局は、第三十八条 及び(d)から(g)までの規定に従うことを条件とし、かつ、国際出願が国際公開された後はいかなる者の請求にも応じ、役務の費用の支払を条件として、一件書類中の文書の写しを提供する。写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。
  • (c) 国際事務局は、国際予備審査報告の作成の後、選択官庁により請求された場合に、当該選択官庁に代わつて、(b)の規定により、71.1(a)又は(b)に基づいて国際予備審査機関から国際事務局に送付された書類の写しを提供する。国際事務局は速やかにこの請求の詳細を公報に掲載する。
  • (d) 国際事務局は、48.2(l)の規定に基づき公開の対象から省略された一件書類中の情報及び当該規定に基づく請求に関する一件書類中の文書を利用することができるようにしてはならない。
  • (e) 国際事務局は、次のことを認めるときは、出願人による理由を示した請求により、一件書類中の情報及び当該請求に関する一件書類中の文書を利用することができるようにしてはならない。
    • (i) 当該情報が国際出願について公衆に周知する目的に明らかに資さないこと。
    • (ii) 当該情報の公衆による利用により、いずれかの者の個人的な又は経済的な利益が明らかに損なわれること。
    • (iii) 当該情報を利用する優先的な公共の利益がないこと。
    •  26.4の規定は、出願人がこの(e)の規定に基づいて行う請求の対象である情報を提示する方法について準用する。
  • (f) 国際事務局が(d)又は(e)の規定に従つて公衆による利用の対象から情報を省略し、及び当該情報が受理官庁、国際調査機関、補充調査のために指定された機関又は国際予備審査機関が保有する国際出願の一件書類に含まれる場合には、国際事務局は、速やかにその旨を当該官庁及び当該機関に通知する。
  • (g) 国際事務局は、内部における利用のためにのみ作成された一件書類中の文書を利用することができるようにしてはならない。

94.1の2 受理官庁が保有する一件書類の利用

  • (a) 受理官庁は、出願人又は出願人の承諾を得た者の請求に応じ、一件書類中の文書を利用することができるようにすることができる。文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。
  • (b) 受理官庁は、いかなる者の請求にも応じ、国際出願が国際公開された後、かつ、(c)の規定に従うことを条件として、一件書類中の文書を利用することができるようにすることができる。文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。
  • (c) 受理官庁は、国際事務局が48.2(l)の規定に従つて公開の対象から省略され、又は94.1(d)若しくは(e)の規定に従つて公衆による利用の対象から省略された旨を通知したいかなる情報も(b)の規定に基づいて利用することができるようにしてはならない。

94.1の3 国際調査機関が保有する一件書類の利用

  • (a) 国際調査機関は、出願人又は出願人の承諾を得た者の請求に応じ、一件書類中の文書を利用することができるようにすることができる。文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。
  • (b) 国際調査機関は、いかなる者の請求にも応じ、国際出願が国際公開された後、かつ、(c)の規定に従うことを条件として、一件書類中の文書を利用することができるようにすることができる。文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。
  • (c) 国際調査機関は、国際事務局が48.2(l)の規定に従つて公開の対象から省略され、又は94.1(d)若しくは(e)の規定に従つて公衆による利用の対象から省略された旨を通知したいかなる情報も(b)の規定に基づいて利用することができるようにしてはならない。
  • (d) (a)から(c)までの規定は、補充調査のために指定された機関について準用する。

94.2 国際予備審査機関が保有する一件書類の利用

  • (a) 国際予備審査機関は、出願人又は出願人の承諾を得た者の請求に応じ、一件書類中の文書を利用することができるようにする。文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。
  • (b) 国際予備審査機関は、選択官庁の請求に応じ、国際予備審査報告の作成の後、かつ、(c)の規定に従うことを条件として、一件書類中の文書を利用することができるようにする。文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。
  • (c) 国際予備審査機関は、国際事務局が48.2(l)の規定に従つて公開の対象から省略され、又は94.1(d)若しくは(e)の規定に従つて公衆による利用の対象から省略された旨を通知したいかなる情報も(b)の規定に基づいて利用することができるようにしてはならない。

94.2の2 指定官庁が保有する一件書類の利用

 指定官庁が適用する国内法令が第三者に対し国内出願の一件書類の利用を認めている場合には、当該指定官庁は、国際出願に関する一件書類中の文書の利用を、国内出願の一件書類の利用について国内法令が定める程度と同様の程度まで認めることができる。ただし、第三十条(2)(a)に定める日のうち最も早い日の前であつてはならない。文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。

94.3 選択官庁が保有する一件書類の利用

 選択官庁が適用する国内法令が第三者に対し国内出願の一件書類の利用を認めている場合には、当該選択官庁は、国際出願に関する一件書類中の文書(国際予備審査に関する文書を含む。)の利用を、国内出願の一件書類の利用について国内法令が定める程度と同様の程度まで認めることができる。ただし、第三十条(2)(a)で定める日のうち最も早い日の前であつてはならない。 文書の写しの提供は、役務の費用の支払を条件とすることができる。

第九十五規則 指定官庁及び選択官庁からの情報及び翻訳文

95.1 指定官庁及び選択官庁における事象に関する情報

 指定官庁又は選択官庁は、次の国際出願に関する情報を、次の事象の発生後二箇月以内に又はその後合理的にできる限り速やかに国際事務局に通知する。

  • (i) 出願人が第二十二条又は第三十九条に規定する行為を行つた後、当該行為を行つた日及び国際出願に付された国内出願番号
  • (ii) 指定官庁又は選択官庁が国内法令又は国内慣行に基づいて明示的に国際出願を公表する場合には、その国内の公表の番号及び日
  • (iii) 特許が与えられた場合には、その与えられた日及び指定官庁又は選択官庁が国内法令に基づいて特許が与えられた形式で明示的に国際出願を公表する場合には、その国内の公表の番号及び日

95.2 翻訳文の写しの提供

  • (a) 指定官庁又は選択官庁は、国際事務局の要請により、当該指定官庁又は当該選択官庁に対して出願人が提出した国際出願の翻訳文の写しを国際事務局に提供する。
  • (b) 国際事務局は 、いかなる者に対しても、請求に応じ、かつ、費用の支払を条件として、(a)の規定に従つて受領した翻訳文の写しを提供することができる。

第九十六規則 手数料表並びに手数料の受領及び移転

96.1 規則に附属する手数料表

 第十五規則、45の2.2 及び第五十七規則に規定する手数料の額は、スイスの通貨で表示する。手数料の額は、この規則に附属しこの規則の不可分の一部をなす手数料表に定める。

96.2 手数料の受領の通知及び手数料の移転

  • (a) この96.2の規定の適用上、「官庁」とは受理官庁(受理官庁として行動する 国際事務局を含む。)、国際調査機関、補充国際調査のために指定された機関、国際予備審査機関又は国際事務局をいう。
  • (b) この規則又は実施細則に従つて他の官庁のための手数料を徴収する官庁(「徴収官庁」)は、実施細則に従つて速やかに当該他の官庁(「受益官庁」)に当該手数料の受領を通知する。受益官庁は、当該通知の受領により、徴収官庁が手数料を受領した日に当該手数料を受領したものとして処理する。
  • (c) 徴収官庁は、実施細則に従い、受益官庁のために徴収した手数料を当該受益官庁に移転する。
弁理士試験が扱う条約一覧