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TRIPS協定
第3部 知的所有権の行使
第1節 一般的義務
第41条
- (1)
加盟国は、この部に規定する行使手続によりこの協定が対象とする知的所有権の侵害行為に対し効果的な措置(侵害を防止するための迅速な救済措置及び追加の侵害を抑止するための救済措置を含む。)がとられることを可能にするため、当該行使手続を国内法において確保する。このような行使手続は、正当な貿易の新たな障害となることを回避し、かつ、濫用に対する保障措置を提供するような態様で適用する。
- (2)
知的所有権の行使に関する手続は、公正かつ公平なものとする。この手続は、不必要に複雑な又は費用を要するものであってはならず、また、不合理な期限を付され又は不当な遅延を伴うものであってはならない。
- (3)
本案についての決定は、できる限り、書面によって行い、かつ、理由を示す。この決定は、少なくとも手続の当事者に対しては不当に遅延することなく提供される。本案についての決定は、当事者が意見を述べる機会を与えられた証拠にのみ基づく。
- (4)
手続の当事者は、最終的な行政上の決定について及び、事件の重要性に係る加盟国の国内法上の管轄に関する規定に従い、本案についての最初の司法上の決定の少なくとも法律面について、司法当局による審査の機会を有する。ただし、刑事事件の無罪判決に関し審査の機会を与える義務を負わない。
- (5)
この部の規定は、一般的な法の執行のための司法制度とは別の知的所有権に関する執行のための司法制度を設ける義務を生じさせるものではなく、また、一般的に法を執行する加盟国の権能に影響を及ぼすものでもない。この部のいかなる規定も、知的所有権に関する執行と一般的な法の執行との間の資源の配分に関して何ら義務を生じさせるものではない。
第2節 民事上及び行政上の手続及び救済措置
第42条 公正かつ公平な手続
加盟国は、この協定が対象とする知的所有権の行使に関し、民事上の司法手続を権利者(注)に提供する。被申立人は、十分に詳細な内容(主張の根拠を含む。)を含む書面による通知を適時に受ける権利を有する。当事者は、独立の弁護人を代理人とすることが認められるものとし、また、手続においては、義務的な出頭に関して過度に重い要件を課してはならない。手続の当事者は、その主張を裏付けること及びすべての関連する証拠を提出することについての正当な権利を有する。手続においては、現行の憲法上の要請に反さない限り、秘密の情報を特定し、かつ、保護するための手段を提供する。
(注)
この部の規定の適用上、「権利者」には、権利を主張する法的地位を有する連合及び団体を含む。
第43条 証拠
- (1)
一方の当事者がその主張を十分裏付ける合理的に入手可能な証拠を提出し、かつ、他方の当事者の有する当該主張の裏付けに関連する証拠を特定した場合には、司法当局は、適当な事実において秘密の情報の保護を確保することを条件として、他方の当事者にその特定された証拠の提示を命じる権限を有する。
- (2)
手続の一方の当事者が必要な情報の利用の機会を故意にかつ十分な理由なしに拒絶し若しくは合理的な期間内に必要な情報を提供せず又は行使に関連する手続を著しく妨げる場合には、加盟国は、双方の当事者が主張又は証拠に関し意見を述べる機会を与えられることを条件として、提供された情報(情報の利用の機会の拒絶によって悪影響を受けた他方の当事者が提示した申立て又は主張を含む。)に基づいて、暫定的及び最終的な決定(肯定的であるか否定的であるかを問わない。)を行う権限を司法当局に与えることができる。
第44条 差止命令
- (1)
司法当局は、当事者に対し、知的所有権を侵害しないこと、特に知的所有権を侵害する輸入物品の管轄内の流通経路への流入を通関後直ちに防止することを命じる権限を有する。加盟国は、保護の対象であって、その取引が知的所有権の侵害を伴うことを関係者が知るか又は知ることができる合理的な理由を有することとなる前に当該関係者により取得され又は注文されたものに関しては、当該権限を与える義務を負わない。
- (2)
政府又は政府の許諾を受けた第三者が権利者の許諾を得ないで行う使用については、当該使用を明示的に定める第2部の規定に従うことを条件として、加盟国は、この部の他の規定にかかわらず、当該使用に対する救済措置を、第31条(h)の規定による報酬の支払に限定することができる。当該使用であってそのような救済措置の限定の対象とならないものについては、この部に定める救済措置が適用され、又は、当該救済措置が国内法令に抵触する場合には、宣言的判決及び適当な補償が行われるものとする。
第45条 損害賠償
- (1)
司法当局は、侵害活動を行っていることを知っていたか又は知ることができる合理的な理由を有していた侵害者に対し、知的所有権の侵害によって権利者が被った損害を補償するために適当な賠償を当該権利者に支払うよう命じる権限を有する。
- (2)
司法当局は、また、侵害者に対し、費用(適当な弁護人の費用を含むことができる。)を権利者に支払うよう命じる権限を有する。適当な場合において、加盟国は、侵害者が侵害活動を行っていることを知らなかったか又は知ることができる合理的な理由を有していなかったときでも、利益の回復又は法定の損害賠償の支払を命じる権限を司法当局に与えることができる。
第46条 他の救済措置
侵害を効果的に抑止するため、司法当局は、侵害していると認めた物品を、権利者に損害を与えないような態様でいかなる補償もなく流通経路から排除し又は、現行の憲法上の要請に反さない限り、廃棄することを命じる権限を有する。司法当局は、また、侵害物品の生産のために主として使用される材料及び道具を、追加の侵害の危険を最小とするような態様でいかなる補償もなく流通経路から排除することを命じる権限を有する。このような申立てを検討する場合には、侵害の重大さと命ぜられる救済措置との間の均衡の必要性及び第三者の利益を考慮する。不正商標商品については、例外的な場合を除くほか、違法に付された商標の単なる除去により流通経路への商品の流入を認めることはできない。
第47条 情報に関する権利
加盟国は、司法当局が、侵害の重大さとの均衡を失しない限度で、侵害者に対し、侵害物品又は侵害サービスの生産又は流通に関与した第三者を特定する事項及び侵害物品又は侵害サービスの流通経路を権利者に通報するよう命じる権限を有することを定めることができる。
第48条 被申立人に対する賠償
- (1)
司法当局は、当事者に対し、その申立てにより措置がとられ、かつ、当該当事者が行使手続を濫用した場合には、その濫用により不法に要求又は制約を受けた当事者が被った損害に対する適当な賠償を支払うよう命じる権限を有する。司法当局は、また、申立人に対し、費用(適当な弁護人の費用を含むことができる。)を被申立人に支払うよう命じる権限を有する。
- (2)
知的所有権の保護又は行使に係る法の運用に関し、加盟国は、当該法の運用の過程において措置が誠実にとられ又はとることが意図された場合に限り、公の機関及び公務員の双方の適当な救済措置に対する責任を免除する。
第49条 行政上の手続
民事上の救済措置が本案についての行政上の手続の結果として命ぜられる場合には、その手続は、この節に定める原則と実質的に同等の原則に従う。
第3節 暫定措置
第50条
- (1) 司法当局は、次のことを目的として迅速かつ効果的な暫定措置をとることを命じる権限を有する。
- (a)
知的所有権の侵害の発生を防止すること。特に、物品が管轄内の流通経路へ流入することを防止すること(輸入物品が管轄内の流通経路へ流入することを通関後直ちに防止することを含む。)
- (b) 申し立てられた侵害に関連する証拠を保全すること
- (2)
司法当局は、適当な場合には、特に、遅延により権利者に回復できない損害が生じるおそれがある場合又は証拠が破棄される明らかな危険がある場合には、他方の当事者に意見を述べる機会を与えることなく、暫定措置をとる権限を有する。
- (3)
司法当局は、申立人が権利者であり、かつ、その権利が侵害されていること又は侵害の生じる差し迫ったおそれがあることを十分な確実性をもって自ら確認するため、申立人に対し合理的に入手可能な証拠を提出するよう要求し、並びに被申立人を保護し及び濫用を防止するため、申立人に対し十分な担保又は同等の保証を提供することを命じる権限を有する。
- (4)
暫定措置が他方の当事者が意見を述べる機会を与えられることなくとられた場合には、影響を受ける当事者は、最も遅い場合においても、当該暫定措置の実施後遅滞なく通知を受ける。暫定措置の通知後合理的な期間内に、当該暫定措置を変更するか若しくは取り消すか又は確認するかの決定について、被申立人の申立てに基づき意見を述べる機会の与えられる審査を行う。
- (5) 暫定措置を実施する機関は、申立人に対し、関連物品の特定に必要な情報を提供するよう要求することができる。
- (6)
(1)及び(2)の規定に基づいてとられる暫定措置は、本案についての決定に至る手続が、合理的な期間(国内法令によって許容されるときは、暫定措置を命じた司法当局によって決定されるもの。その決定がないときは、20執務日又は31日のうちいずれか長い期間を超えないもの)内に開始されない場合には、被申立人の申立てに基づいて取り消され又は効力を失う。ただし、(4)の規定の適用を妨げるものではない。
- (7)
暫定措置が取り消された場合、暫定措置が申立人の作為若しくは不作為によって失効した場合又は知的所有権の侵害若しくはそのおそれがなかったことが後に判明した場合には、司法当局は、被申立人の申立てに基づき、申立人に対し、当該暫定措置によって生じた損害に対する適当な賠償を支払うよう命じる権限を有する。
- (8) 暫定措置が行政上の手続の結果として命ぜられる場合には、その手続は、この節に定める原則と実質的に同等の原則に従う。
第4節 国境措置に関する特別の要件(注)
(注)
加盟国は、関税同盟を構成する他の加盟国との国境を越える物品の移動に関するすべての管理を実質的に廃止している場合には、その国境においてこの節の規定を適用することを要求されない。
第51条 税関当局による物品の解放の停止
加盟国は、この節の規定に従い、不正商標商品又は著作権侵害物品(注1)が輸入されるおそれがあると疑うに足りる正当な理由を有する権利者が、これらの物品の自由な流通への解放を税関当局が停止するよう、行政上又は司法上の権限のある当局に対し書面により申立てを提出することができる手続(注2)を採用する。加盟国は、この節の要件を満たす場合には、知的所有権のその他の侵害を伴う物品に関してこのような申立てを可能とすることができる。加盟国は、自国の領域から輸出されようとしている侵害物品の税関当局による解放の停止についても同様の手続を定めることができる。
(注1)
この協定の適用上、
- (a)
「不正商標商品」とは、ある商品について有効に登録されている商標と同一であり又はその基本的側面において当該商標と識別できない商標を許諾なしに付した、当該商品と同一の商品(包装を含む。)であって、輸入国の法令上、商標権者の権利を侵害するものをいう。
- (b)
「著作権侵害物品」とは、ある国において、権利者又は権利者から正当に許諾を受けた者の承諾を得ないである物品から直接又は間接に作成された複製物であって、当該物品の複製物の作成が、輸入国において行われたとしたならば、当該輸入国の法令上、著作権又は関連する権利の侵害となったであろうものをいう。
(注2)
権利者によって若しくはその承諾を得て他の国の市場に提供された物品の輸入又は通過中の物品については、この手続を適用する義務は生じないと了解する。
第52条 申立て
前条の規定に基づく手続を開始する権利者は、輸入国の法令上、当該権利者の知的所有権の侵害の事実があることを権限のある当局が一応確認するに足りる適切な証拠を提出し、及び税関当局が容易に識別することができるよう物品に関する十分詳細な記述を提出することが要求される。権限のある当局は、申立てを受理したかしなかったか及び、権限のある当局によって決定される場合には、税関当局が措置をとる期間について、合理的な期間内に申立人に通知する。
第53条 担保又は同等の保証
- (1)
権限のある当局は、申立人に対し、被申立人及び権限のある当局を保護し並びに濫用を防止するために十分な担保又は同等の保証を提供するよう要求する権限を有する。担保又は同等の保証は、手続の利用を不当に妨げるものであってはならない。
- (2)
意匠、特許、回路配置又は開示されていない情報が用いられている物品に関して、この節の規定に基づく申立てに伴い、当該物品の自由な流通への解放が司法当局その他の独立した当局以外の権限のある当局による決定を根拠として税関当局によって停止された場合において、第55条に規定する正当に権限を有する当局による暫定的な救済が与えられることなく同条に規定する期間が満了したときは、当該物品の所有者、輸入者又は荷受人は、侵害から権利者を保護するために十分な金額の担保の提供を条件として当該物品の解放についての権利を有する。ただし、輸入のための他のすべての条件が満たされている場合に限る。当該担保の提供により、当該権利者が利用し得る他の救済措置が害されてはならず、また、権利者が合理的な期間内に訴えを提起する権利を行使しない場合には、担保が解除されることを了解する。
第54条 物品の解放の停止の通知
輸入者及び申立人は、第51条の規定による物品の解放の停止について速やかに通知を受ける。
第55条 物品の解放の停止の期間
申立人が物品の解放の停止の通知の送達を受けてから10執務日(適当な場合には、この期間は、10執務日延長することができる。)を超えない期間内に、税関当局が、本案についての決定に至る手続が被申立人以外の当事者により開始されたこと又は正当に権限を有する当局が物品の解放の停止を延長する暫定措置をとったことについて通報されなかった場合には、当該物品は、解放される。ただし、輸入又は輸出のための他のすべての条件が満たされている場合に限る。本案についての決定に至る手続が開始された場合には、合理的な期間内に、解放の停止を変更するか若しくは取り消すか又は確認するかの決定について、被申立人の申立てに基づき意見を述べる機会の与えられる審査を行う。第1段から第3段までの規定にかかわらず、暫定的な司法上の措置に従って物品の解放の停止が行われ又は継続される場合には、第50条(6)の規定を適用する。
第56条 物品の輸入者及び所有者に対する賠償
関係当局は、物品の不法な留置又は第55条の規定に従って解放された物品の留置によって生じた損害につき、申立人に対し、物品の輸入者、荷受人及び所有者に適当な賠償を支払うよう命じる権限を有する。
第57条 点検及び情報に関する権利
秘密の情報の保護を害することなく、加盟国は、権限のある当局に対し、権利者が自己の主張を裏付けるために税関当局により留置された物品を点検するための十分な機会を与える権限を付与する。当該権限のある当局は、輸入者に対しても当該物品の点検のための同等の機会を与える権限を有する。本案についての肯定的な決定が行われた場合には、加盟国は、権限のある当局に対し、当該物品の荷送人、輸入者及び荷受人の名称及び住所並びに当該物品の数量を権利者に通報する権限を付与することができる。
第58条 職権による行為
加盟国において、権限のある当局が、ある物品について知的所有権が侵害されていることを伺わせる証拠を得た際に職権により行動して当該物品の解放を停止する制度がある場合には、
- (a) 当該権限のある当局は、いつでも権限の行使に資することのある情報の提供を権利者に求めることができる。
- (b) 輸入者及び権利者は、速やかにその停止の通知を受ける。輸入者が権限のある当局に対し当該停止に関して異議を申し立てた場合には、当該停止については、第55条に定める条件を準用する。
- (c) 加盟国は、措置が誠実にとられ又はとることが意図された場合に限り、公の機関及び公務員の双方の適当な救済措置に対する責任を免除する。
第59条 救済措置
権利者の他の請求権を害することなく及び司法当局による審査を求める被申立人の権利に服することを条件として、権限のある当局は、第46条に規定する原則に従って侵害物品の廃棄又は処分を命じる権限を有する。不正商標商品については、例外的な場合を除くほか、当該権限のある当局は、変更のない状態で侵害商品の積戻しを許容し又は異なる税関手続に委ねてはならない。
第60条 少量の輸入
加盟国は、旅行者の手荷物に含まれ又は小型貨物で送られる少量の非商業的な性質の物品については、上述の規定の適用から除外することができる。
第5節 刑事上の手続
第61条
加盟国は、少なくとも故意による商業的規模の商標の不正使用及び著作物の違法な複製について適用される刑事上の手続及び刑罰を定める。制裁には、同様の重大性を有する犯罪に適用される刑罰の程度に適合した十分に抑止的な拘禁刑又は罰金を含む。適当な場合には、制裁には、侵害物品並びに違反行為のために主として使用される材料及び道具の差押え、没収及び廃棄を含む。加盟国は、知的所有権のその他の侵害の場合、特に故意にかつ商業的規模で侵害が行われる場合において通用される刑事上の手続及び刑罰を定めることができる。
第4部 知的所有権の取得及び維持並びにこれらに関連する当事者聞手続
第62条
- (1)
加盟国は、第2部第2節から第6節までに規定する知的所有権の取得又は維持の条件として、合理的な手続及び方式に従うことを要求することができる。この手続及び方式は、この協定に合致するものとする。
- (2)
知的所有権の取得について権利が登録され又は付与される必要がある場合には、加盟国は、権利の取得のための実体的な条件が満たされていることを条件として、保護期間が不当に短縮されないように、権利の登録又は付与のための手続を合理的な期間内に行うことを確保する。
- (3) 1967年のパリ条約第4条の規定は、サービス・マークについて準用する。
- (4)
知的所有権の取得又は維持に関する手続並びに、加盟国の国内法令が定める場合には、行政上の取消し及び異議の申立て、取消し、無効等の当事者間手続は、第41条(2)及び(3)に定める一般原則により規律される。
- (5)
(4)に規定する手続における最終的な行政上の決定は、司法当局又は準司法当局による審査に服する。ただし、退けられた異議の申立て又は行政上の取消しに係る決定については、これらの手続を求めた理由に基づき無効確認手続を行うことができることを条件として、当該審査の機会を与える義務を負わない。
第5部 紛争の防止及び解決
第63条 透明性の確保
- (1)
この協定が対象とする事項(知的所有権の取得可能性、範囲、取得、行使及び濫用の防止)に関し加盟国が実施する法令、最終的な司法上の決定及び一般に適用される行政上の決定は、各国政府及び権利者が知ることができるような方法により当該加盟国の国語で公表し又は、公表が実際的でない場合には、公に利用可能なものとする。各加盟国の政府又は政府機関の間において有効なこの協定が対象とする事項に関する合意も公表する。
- (2)
加盟国は、この協定の実施について貿易関連知的所有権理事会が検討することに資するために(1)に規定する法令を同理事会に通報する。同理事会は、その義務の履行について加盟国の負担を最小とするよう努めるものとし、また、当該法令についての共通の登録制度の設立に関するWIPOとの協議が成功する場合には、当該法令を同理事会に直接通報する義務を免除することを決定することができる。この関連において、同理事会は、1967年のパリ条約第6条の3に基づくこの協定上の義務に従って行われる通知について、必要となる措置を検討する。
- (3)
各加盟国は、他の加盟国からの書面による要請に応じて、(1)に規定する種類の情報を提供することができるように準備する。加盟国は、知的所有権の分野に関する特定の司法上若しくは行政上の決定又は2国間協定がこの協定に基づく自国の権利に影響を及ぼすと信じるに足りる理由を有する場合には、当該特定の司法上若しくは行政上の決定若しくは2国間協定を利用すること又はこれらの十分詳細な情報を得ることを書面により要請することができる。
- (4)
(1)、(2)及び(3)の規定は、加盟国に対し、法令の実施を妨げる等公共の利益に反し又は公私の特定の企業の正当な商業上の利益を害することとなるような秘密の情報の開示を要求するものではない。
第64条 紛争解決
- (1)
この協定に別段の定めがある場合を除くほか、紛争解決了解によって詳細に定められて適用される1994年のガットの第22条及び第23条の規定は、この協定に係る協議及び紛争解決について準用する。
- (2) 1994年のガット第23条(1)(b)及び(c)の規定は、世界貿易機関協定の効力発生の日から5年間、この協定に係る紛争解決については、準用しない。
- (3)
(2)に規定する期間の間、貿易関連知的所有権理事会は、1994年のガット第23条(1)(b)及び(c)に規定する種類の苦情であってこの協定に従って申し立てられるものの範囲及び態様を検討し、並びに承認のため閣僚会議に勧告を提出する。この勧告の承認又は(2)に規定する期間の延長は、閣僚会議がコンセンサス方式によってのみ決定する。承認された勧告は、その後の正式な受諾手続なしにすべての加盟国について効力を生じる。
第6部 経過措置
第65条 経過措置
- (1) (2)、(3)及び(4)の規定に従うことを条件として、加盟国は、世界貿易機関協定の効力発生の日の後1年の期間が満了する前にこの協定を適用する義務を負わない。
- (2) 開発途上加盟国は、(1)に定めるところによりこの協定を適用する日から更に4年の期間、この協定(第3条、第4条及び第5条の規定を除く。)の適用を延期することができる。
- (3)
中央計画経済から市場自由企業経済への移行過程にある加盟国であって、知的所有権制度の構造的な改革を行い、かつ、知的所有権法令の準備及び実施において特別な問題に直面しているものも、(2)に規定する延期の期間を享受することができる。
- (4)
開発途上加盟国は、(2)に規定するこの協定の当該開発途上加盟国への一般的な適用の日において、この協定により物質特許の保護をその領域内で物質特許によって保護していない技術分野に拡大する義務を負う場合には、第2部第5節の物質特許に関する規定の当該技術分野への適用を更に5年の期間延期することができる。
- (5) (1)、(2)、(3)又は(4)に規定する経過期間を援用する加盟国は、当該経過期間の間の国内法令及び慣行の変更がこの協定との適合性の程度を少なくすることとはならないことを確保する。
第66条 後発開発途上加盟国
- (1)
後発開発途上加盟国は、その特別のニーズ及び要求、経済上、財政上及び行政上の制約並びに存立可能な技術的基礎を創設するための柔軟性に関する必要にかんがみ、第65条(1)に定めるところによりこの協定を適用する日から10年の期間、この協定(第3条、第4条及び第5条の規定を除く。)を適用することを要求されない。貿易関連知的所有権理事会は、後発開発途上加盟国の正当な理由のある要請に基づいて、この期間を延長することを認める。
- (2) 先進加盟国は、後発開発途上加盟国が健全かつ存立可能な技術的基礎を創設することができるように技術の移転を促進し及び奨励するため、先進加盟国の領域内の企業及び機関に奨励措置を提供する。
第67条 技術協力
この協定の実施を促進するため、先進加盟国は、開発途上加盟国及び後発開発途上加盟国のために、要請に応じ、かつ、相互に合意した条件により、技術協力及び資金協力を提供する。その協力には、知的所有権の保護及び行使並びにその濫用の防止に関する法令の準備についての支援並びにこれらの事項に関連する国内の事務所及び機関の設立又は強化についての支援(人材の養成を含む。)を含む。
第7部 制度上の措置及び最終規定
第68条 知的所有権の貿易関連の側面に関する理事会
貿易関連知的所有権理事会は、この協定の実施、特に、加盟国のこの協定に基づく義務の遵守を監視し、及び加盟国に対し、知的所有権の貿易関連の側面に関する事項について協議の機会を与える。同理事会は、加盟国により与えられる他の任務を遂行し、特に、紛争解決手続において加盟国が要請する支援を提供する。その任務を遂行するに当たって、同理事会は、適当と認める者と協議し、情報の提供を求めることができる。WIPOと協議の上、同理事会は、その1回目の会合から1年以内に、WIPOの内部機関と協力するための適当な取決めを作成するよう努める。
第69条 国際協力
加盟国は、知的所有権を侵害する物品の国際貿易を排除するため、相互に協力することを合意する。このため、加盟国は、国内行政機関に連絡先を設け、これを通報し、及び侵害物品の貿易に関して情報を交換することができるように準備する。加盟国は、特に、不正商標商品及び著作権侵害物品の貿易に関して、税関当局間で情報の交換及び協力を促進する。
第70条 既存の対象の保護
- (1) この協定は、加盟国がこの協定を適用する日の前に行われた行為に関し、当該加盟国について義務を生じさせるものではない。
- (2)
この協定に別段の定めがある場合を除くほか、この協定は、加盟国のこの協定を適用する日における既存の保護の対象であって、当該加盟国において同日に保護されており又はこの協定に基づく保護の基準を満たし若しくは後に満たすようになるものに関し、当該加盟国について義務を生じさせる。この(2)から(4)までの規定について、既存の著作物についての著作権に関する義務は、1971年のベルヌ条約第18条の規定に基づいてのみ決定されるものとし、また、既存のレコードに関するレコード製作者及び実演家の権利に関する義務は、第14条(6)の規定に従って準用される同条約第18条の規定に基づいてのみ決定される。
- (3) 加盟国がこの協定を適用する日に公共のものとなっている保護の対象については、保護を復活する義務を負わない。
- (4)
保護の対象を含む特定の物に関する行為がこの協定に合致する加盟国の国内法令に基づき初めて侵害行為となる場合であって、当該行為が世界貿易機関協定を当該加盟国が受諾する日の前に開始されたとき又は当該行為について当該日の前に相当な投資が行われたときは、加盟国は、この協定を通用する日の後継続して行われる当該行為に関し権利者が利用し得る救済措置の制限を定めることができる。ただし、その場合には、加盟国は、少なくとも、衡平な報酬の支払を定める。
- (5) 加盟国は、この協定を適用する日の前に購入された著作物の原作品又は複製物については、第11条及び第14条(4)の規定を適用する義務を負わない。
- (6)
加盟国は、この協定が知られる日の前に使用の許諾が政府によって与えられた場合には、権利者の許諾を得ない使用について、第31条の規定又は特許権が技術分野について差別することなく享受されるとの第27条(1)の要件を適用することを要求されない。
- (7)
加盟国において登録が保護の条件となっている知的所有権の場合には、当該加盟国がこの協定を適用する日に係属中の保護の出願については、この協定に規定する一層広範な保護を請求するために補正をすることを認める。当該補正には、新たな事項を含まない。
- (8) 加盟国が世界貿易機関協定の効力発生の日に第27条の規定に基づく義務に応じた医薬品及び農業用の化学品の特許の保護を認めていない場合には、当該加盟国は、
- (a) 第6部の規定にかかわらず、同協定の効力発生の日から、医薬品及び農業用の化学品の発明の特許出願をすることができるよう措置をとる。
- (b)
(a)の特許出願について、出願日又は、優先権が利用可能であり、かつ、主張される場合には、当該優先権に係る出願の日にこの協定に定める特許の対象に関する基準を適用していたものとして、この協定を適用する日に当該基準を適用する。
- (c)
(a)の特許出願であって、(b)の基準を満たすものについて、特許の付与の日以後、第33条の規定に従い(a)の特許出願の出願日から計算した特許期間の残りの期間この協定に従って特許の保護を与える。
- (9)
加盟国において、ある物質が(8)(a)の規定に従ってされた特許出願の対象である場合には、第6部の規定にかかわらず、当該加盟国において販売の承認を得た日から5年間又は当該日から当該加盟国において物質特許が与えられ若しくは拒絶されるまでの期間のいずれか短い期間排他的販売権を認める。ただし、世界貿易機関協定が効力を生じた後他の加盟国においてその物質について特許出願がされ、特許が与えられ及び販売の承認が得られている場合に限る。
第71条 検討及び改正
- (1)
貿易関連知的所有権理事会は、第65条(2)に規定する経過期間が満了した後この協定の実施について検討する。同理事会は、この協定の実施により得られた経験を考慮に入れ、当該経過期間の満了の日から2年後及びその後も同一の間隔で検討を行う。同理事会は、また、この協定の修正又は改正を正当化する関連する新たな進展を考慮して検討を行うことができる。
- (2)
他の多数国間協定で達成され、かつ、効力を有する知的所有権の一層高い保護の水準であって、世界貿易機関のすべての加盟国により当該協定に基づき受け入れられたものに適合するためのみの改正は、貿易関連知的所有権理事会のコンセンサス方式によって決定された提案に基づき、世界貿易機関協定第10条(6)の規定に従い閣僚会議が行動するために閣僚会議に付することができる。
第72条 留保
この協定のいかなる規定についても、他のすべての加盟国の同意なしには、留保を付することができない。
第73条 安全保障のための例外
この協定のいかなる規定も、次のいずれかのことを定めるものと解してはならない。
- (a) 加盟国に対し、その開示が自国の安全保障上の重大な利益に反するとその加盟国が認める情報の提供を要求すること
- (b) 加盟国が自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要と認める次のいずれかの措置をとることを妨げること
- (i) 核分裂性物質又はその生産原料である物質に関する措置
- (ii) 武器、弾薬及び軍需品の取引並びに軍事施設に供給するため直接又は間接に行われるその他の物品及び原料の取引に関する措置
- (iii) 戦時その他の国際関係の緊急時にとる措置
- (c) 加盟国が国際の平和及び安全の維持のため国際連合憲章に基づく義務に従って措置をとることを妨げること
附属書
- (1) 第31条の2及びこの附属書の規定の適用上、
- (a)
「医薬品」とは、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定及び公衆の健康に関する宣言(文書番号WT/MIN(01)/DEC/2)の(1)において認められる公衆の健康に関する問題に対処するために必要とされる医薬分野の特許を受けた物又は特許を受けた方法によって生産された物をいう。医薬品には、その生産のために必要な有効成分及びその使用のために必要とされる診断用品を含むものと了解する。(注)
(注)
この(a)の規定は、(b)の規定の適用を妨げるものではない。
- (b)
「輸入する資格を有する加盟国」とは、後発開発途上加盟国並びにその他の加盟国であって、貿易関連知的所有権理事会に対して第31条の2及びこの附属書に規定する制度(以下この附属書において「当該制度」という。)を輸入国として利用する意図を有する旨の通告(注1)を行ったものをいう。加盟国は、全面的に又は限られた範囲で、例えば、国家緊急事態その他の極度の緊急事態の場合又は公的な非商業的使用の場合にのみ、当該制度を利用する旨の通告をいつでも行うことができるものと了解する。一部の加盟国(注2)は、輸入する資格を有する加盟国として当該制度を利用しないことに留意し、他の一部の加盟国は、輸入する資格を有する加盟国として当該制度を利用するのは国家の緊急事態その他の極度の緊急事態の場合に限ることを表明していることに留意する。
(注1)
当該制度を利用するために、この通告が世界貿易機関の内部機関によって承認される必要はないものと了解する。
(注2)
オーストラリア、カナダ、欧州共同体並びに第31条の2及びこの附属書の規定の適用上はその構成国、アイスランド、日本国、ニュージーランド、ノルウェー、スイス並びにアメリカ合衆国
- (c)
「輸出加盟国」とは、輸入する資格を有する加盟国のために医薬品を生産し、それを当該輸入する資格を有する加盟国に輸出するために当該制度を利用する加盟国をいう。
- (2) 第31条の2(1)の条件は、次のとおりとする。
- (a) 輸入する資格を有する加盟国(注1)は、貿易関連知的所有権理事会に対して次の条件を満たす通告(注2)を行う。
(注1)
第31条の2(3)に規定する地域的な機関は、当該機関の構成国であって当該制度を利用する輸入する資格を有する加盟国であるもののために、当該機関の構成国の同意を得て、この(a)の規定に従って要求される情報を提供する通告を共同で行うことができる。
(注2)
当該制度を利用するために、この通告が世界貿易機関の内部機関によって承認される必要はないものと了解する。
- (i) 必要な医薬品の名称及び予測される数量を通告において特定すること(注)。
(注)
世界貿易機関事務局は、この通告を、世界貿易機関のウェブサイトの当該制度のために供されるページを通じて公に利用可能とする。
- (ii)
後発開発途上加盟国以外の輸入する資格を有する加盟国にあっては、自国が、関係する医薬品の医薬分野における生産能力が不十分であるか又は生産能力がないことをこの附属書の付録に定めるいずれかの方法によって立証したことを通告において確認すること。
- (iii)
医薬品が自国の領域において特許を受けている場合には、第31条及び第31条の2並びにこの附属書の規定に従い、強制実施許諾を与えているか又は与える意図を有していることを通告において確認すること(注)。
(注)
この(iii)の規定は、第66条(1)の規定の適用を妨げるものではない。
- (b) 当該制度の下で輸出加盟国が与える強制実施許諾には、次の条件を含めるものとする。
- (i)
輸入する資格を有する加盟国のニーズを満たすために必要な量のみを強制実施許諾に基づき生産することができること、及び貿易関連知的所有権理事会に対してそのニーズを通告した輸入する資格を有する加盟国に対して生産量の全部を輸出すること。
- (ii)
強制実施許諾に基づいて生産された医薬品を、特定のラベル又はマークを付することにより、当該制度の下で生産されたものとして明確に特定すること。供給者は、特別の包装を行い、又は当該医薬品自体を特別な色若しくは形状とすることによって識別することが実行可能であり、かつ、価格に重大な影響を及ぼさない場合には、そのような方法により当該医薬品を識別すべきである。
- (iii) 船積みが始まる前に、強制実施許諾を得た者がウェブサイト(注)に次の情報を掲示すること。
- (i)の規定により各仕向地に供給される量
- (ii)の規定による医薬品の特徴
(注)
強制実施許諾を得た者は、この目的のため、自己のウェブサイト又は世界貿易機関事務局の援助を得て世界貿易機関のウェブサイトの当該制度のために供されるページを利用することができる。
- (c)
輸出加盟国は、強制実施許諾(それに附帯する条件を含む。)を与えたことを貿易関連知的所有権理事会に通告する(注1、注2)。提供する情報には、強制実施許諾を得た者の氏名又は名称及び住所、強制実施許諾が与えられた医薬品及びその量、当該医薬品が供給される予定の国並びに強制実施許諾の期間を含む。通告には、(b)(iii)に規定するウェブサイトのアドレスも表示する。
(注1)
当該制度を利用するために、この通告が世界貿易機関の内部機関によって承認される必要はないものと了解する。
(注2)
世界貿易機関事務局は、この通告を、世界貿易機関のウェブサイトの当該制度のために供されるページを通じて公に利用可能とする。
- (3)
輸入する資格を有する加盟国は、当該制度の下で輸入される医薬品がその輸入の基礎を成す公衆の健康のために使用されることを確保するため、自国のとり得る手段の範囲内で、かつ、自国の行政上の能力及び貿易の転換の生ずる危険度に応じて、当該制度の下で自国の領域に実際に輸入された医薬品の再輸出を防止するための合理的な措置をとる。輸入する資格を有する加盟国であって開発途上加盟国又は後発開発途上加盟国であるものがこの(3)の規定を実施することが困難である場合には、先進加盟国は、その実施を促進するため、要請に応じ、かつ、相互に合意した条件により、技術協力及び資金協力を提供する。
- (4)
加盟国は、当該制度の下で生産された医薬品であって第31条の2及びこの附属書の規定に反して自国の市場に仕向地が変更されたものが自国の領域に輸入され、及びその領域において販売されることを防止するため、この協定により既に利用可能とすることが要求されている手段を用いて、効果的な法的手段を利用可能とすることを確保する。このような手段がこの目的のために不十分であることが証明されているといずれかの加盟国が考える場合には、当該いずれかの加盟国の要請により、この問題を貿易関連知的所有権理事会で検討することができる。
- (5)
医薬品の購買力を高め、及びその現地生産を促進するために規模の経済を活用することを目的として、第31条の2(3)に規定する加盟国に適用される広域特許の付与について定める制度の発展が促進されるべきであることが認められる。このため、先進加盟国は、第67条の規定に従い、技術協力(他の関連する政府間機関との連携による技術協力を含む。)を提供することを約束する。
- (6)
加盟国は、医薬分野における生産能力が不十分であるか又は生産能力がない加盟国が直面する問題を克服するため、医薬分野における技術の移転及び能力の開発を促進することが望ましいことを認める。このため、輸入する資格を有する加盟国及び輸出加盟国は、この目的を促進するように当該制度を利用することが奨励される。加盟国は、医薬分野における技術の移転及び能力の開発に特別な注意を払って、第66条2及び知的所有権の貿易関連の側面に関する協定及び公衆の健康に関する宣言の(7)の規定に従って行われる活動その他貿易関連知的所有権理事会の関連する活動において協力することを約束する。
- (7) 貿易関連知的所有権理事会は、当該制度の効果的な運用を確保するために当該制度の実施状況を毎年検討し、及び一般理事会に対して当該制度の運用について毎年報告する。
附属書の付録
医薬分野における生産能力の評価
後発開発途上加盟国については、医薬分野における生産能力が不十分であるか又は生産能力がないものとみなす。
その他の輸入する資格を有する加盟国については、関係する医薬品の生産能力が不十分であるか又は生産能力がないことを次のいずれかの方法によって立証することができる。
- (i) 当該輸入する資格を有する加盟国が、医薬分野における生産能力がないことを立証したこと。
- (ii)
当該輸入する資格を有する加盟国が医薬分野における生産能力を有する場合には、当該輸入する資格を有する加盟国が、この生産能力を調査し、及びこの生産能力(特許権者の所有又は管理に係るものを除く。)が自国のニーズを満たすためにその時点において不十分であると認定したこと。この生産能力が当該輸入する資格を有する加盟国のニーズを満たすために十分になったことが立証される場合には、当該制度は、適用しない。